ハイド…なんて恐ろしいやつなんだ 「ジキル博士とハイド氏なねこ」/にゃんと!ねこむかしばなし(10)

#くらし   
このクッションを破ったのは…?


『にゃんと!ねこむかしばなし』10話【全15話】


嘘つくと鼻が長くなる男の子、最強の戦国武将、天竺を目指す一行などなど、誰もが知っている物語の人たち。昔懐かしい物語にねこが登場したら…?

誰もが知っている物語にねこが加わり、新たな展開になっていく癒やし系ストーリー『ねこむかしばなし』の続編『にゃんと!ねこむかしばなし』から、思わずニコニコしてしまうお話をお送りします。昔読んだ話を思い出しながら、見ると新しい発見があるかも…。

※本作品はぱんだにあ著の書籍『にゃんと!ねこむかしばなし』から一部抜粋・編集しました

◆ジキル博士とハイド氏なねこ

【画像を見る】ジキル博士とハイド氏なねこ

◆元となったむかしばなし

ジキル博士とハイド氏
昔、あるところにジキル博士という穏やかで善良な医者がいました。
そんなジキル博士の周りで怪事件が起き始めます。犯人はハイドという青年で間違いないはずなのに、その場所に残っている証拠はすべてジキル博士に結びつくのです。
ある日、ハイドがジキル博士の服を着て自殺した姿が発見されました。近くにはジキル博士の筆跡で遺書があり、そこには「私の中にはいつの間にか悪の心が芽生え始めていた。そのため、時々開発した薬を飲んで姿を変え、心の赴くがままに悪行をしてきた。それがハイドだ。しかし、ハイドが薬なしで勝手に出てくるようになってしまった。もう彼を抑えるにはこれしかないと判断し自殺をする」と書いてあったのでした。

◆ファウストとねこ

ファウストとねこ

◆元となったむかしばなし

ファウスト
昔、ドイツにファウストという人がいました。ファウストは知識に貪欲でしたが、世界には自分が知らない情報があるのに、寿命という制限があるためそれらを知ることができないと絶望していました。
そんな時に黒い犬の姿を模したメフィストフェレスという悪魔がやってきます。「この世のすべてを体験させる代わりに、死後の人生は私に捧げよ」と取引してきます。
それに対してファウストは「時よとまれ、そなたは美しい」と自分に言わせるほど満足できるのならと、OKをだし、人生を再び謳歌し始めました。そしてファウストは「最高の幸福」に気づいた時、「時よとまれ、そなたは美しい」と口にします。
その言葉を聞いた悪魔がファウストを地獄に連れていこうとしますが、無事に難を逃れて天へと上っていったのです。

◆ねこのほらふき男爵の冒険

ねこのほらふき男爵の冒険

◆元となったむかしばなし

ほらふき男爵の冒険
ほらふき男爵の冒険は実在する人物、ミュンヒハウゼン男爵の体験談を元に作れています。
このミュンヒハウゼン男爵は経験談を酒場などで語る時は多くの脚色を加え、かなりフィクション寄りになっていました。「三日月から脱出した」「大きな魚に飲まれた」「木を引き抜くことのできる怪力男と出会った」「トルコの皇帝と賭けをした」「火山に飛び込み、ヴィーナスと話をした」などなど…。ですが実体験を元にしているため妙に現実的な側面もあるからか、その話は大受けします。
そしてある日、聞いていた一人がメモを取って勝手に出版したことで世に広まりました。もちろん、ミュンヒハウゼン男爵には無断だったため、彼は激怒のあまり憤死してしまったそうです。

著=ぱんだにあ/『ねこむかしばなし』(KADOKAWA)

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