やるべきことがいつも終わらない小6娘。計画的にものごとを進められるようになるには?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第74回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

小6の娘は、先を見通すスキルが低く、計画的にものごとを進めることが苦手です。例えば先日も、宿題をやるように言っても「ちょっと休憩」と言ってなかなかやらず、結局終わらずに寝る時間に。「明日朝起きてからやる」と言って寝たのですが、翌朝何度起こしても全然起きませんでした。結局朝ごはんを食べている途中で、学校に行く時間になってしまいました。今回が初めてではなく、何度も同じことを繰り返しているため、私もつい怒り過ぎ、受験生の娘に対して「そんなんじゃどこにも受からないからね!」とキツイ言葉を投げかけてしまいました。

娘がスケジュール管理や段取りが苦手なのはわかっているので、親としては大体の所要時間でやることリストを作って渡しています。でも本人は、できると思って先に休憩するという選択肢を取ってしまう結果、残りの時間でこなせるはずのないものが残ってしまうという状況です。おそらく時間配分をうまく考えることができていないのだと思います。計画性をもって進めることができるようになるためには、どんなサポートをしたらよいでしょうか?また、言うべきでない言葉をかけてしまったときの、リカバリー方法も教えてください。(Hさん・42歳)

【小川先生の回答】

失言問題はしっかり謝り、根本的な問題と混同しない


まず、カッとなって言ってしまったことについては、謝るのみ。使った言葉が適切でなかったというところは、ちゃんと謝りましょう。そのうえで、「表現は間違っていたけど、その状況を生み出した問題については改善したいから、何ができるか相談したい」というように、失言問題と、根本的な問題をしっかり区分けすることです。お互いにカッとなった状態では、冷静に落ち着いて対策を練ることも不可能ですからね。

そして、問題を解決するためには、今後どうしたらいいと思うか、親としてどんな協力ができるか、お互いに何をするか話し合って決めていきます。このとき、「このままでいいからほっといて」とか「やれない」という選択肢はなし。「やるべきことが完了しないと、あなたが困るだけでなく、時間がなくなって慌ててしまい、ママも困る。家族にも影響が出る問題については、ほっときません!」と、そこは断固とした態度で臨むことが大切。とにかく、「困る状況にはしたくない。同じ状況を続けたくない」という意思をしっかり伝えましょう。

子どもの1週間の行動の観察記録をとり、自分を客観視させる


具体的な解決策としては、お子さんの動きの記録をとってあげること。おそらくお子さんは、自分を客観視する部分が育っておらず、気分が優先されてしまっている状態です。そのため、『これからできるかどうか』のやる気や感情論を話すのではなく、『今、事実として何が起きているか』を確認することが肝心です。

例えば、『昨日の21時に「漢字と計算は明日の朝7時から8時にやる」と言った』、『翌朝8時10分に起きてきた』というように、時間と起きた事柄をメモで残していきます。そして、1週間の実際の記録を一緒に見ながら、『良い悪い』の話をするのではなく、実際にどういう時間になっていたのかを確認します。「『後でやる』と言ったときの7回中5回は、実際にはできなかったって結果が出てるよね。だから、『後でやる』は選ばないほうがいいんじゃないかな?」というように、自分の記録を踏まえて、どういうチョイスをすることが、自分にとって良さそうかを一緒に考えてあげるのです。

親がやらせるのではなく、本人に自分で選ばせる


このとき気をつけて欲しいのが、『信用する、しない』という方向に話がすり替わらないようにすること。「できるって言ってるからいいじゃん」という話になっている時は、子どもは「できるかどうかの見通し」ではなく、「自分の言っていることを受け入れてくれない」という親への不満にすり替わりやすく、話がこじれてしまいます。

そうではなく、あくまでも経験則の話として、『この1週間はどうだった』と客観的な事実を提示するように心がけましょう。「実際に起きている頻度を考えると、同じやり方ではまたうまくいかない確率が高いから、どこを変えていこうか?」と、方法については本人に選ばせてあげるのがいいと思います。思春期で自分のことは自分で決めたいでしょうから、『自分の姿を見ることで、本人が自分で選ぶ』、そのサポートに回ってあげましょう。

『できた』の記録&褒めるもセットに


そして大事なことは、それをやってみたときに、『できた』の記録も必ず残すこと。「『休憩の前にこれとこれをやる』という段取りに変えてみたら、1週間連続でできた」というのを見せてあげると、本人のモチベーションもキープできます。また、取り組んでうまくいったときには、自分がほめてあげるのはもちろんのこと、他の家族に報告してあげるのもひとつの手。「こういう段取りを考えてやってみたら、何時までに全部終わったんだよ」と報告し、そこで褒めてもらうというのもセットになるとなおいいですね。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。


文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
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