モラハラと戦うために!SNS活用と離婚準備『ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術』maronさんインタビュー

#くらし   
怒らせるとこわいモラハラ夫!

モラハラ※+マザコンをさく裂させる夫と、強烈な男尊女卑思想で暴走する義母。その義実家と戦う嫁maronさんの視点から、日々の生活を描いた『ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術』(maron:著、高田真弓:イラス/KADOKAWA)。これは2年9か月の間、maronさんがTwitterに投稿してきた、「反逆」を漫画化した作品です。今回のインタビューでは辛い生活をSNSというツールによってポジティブな方向に転じさせたお話などを伺っていきたいと思います。

※「モラルハラスメント」を略した言葉で、道徳や倫理に反する、精神面に対する嫌がらせのこと。

誰でもいい、この悩み、吐き出したい…!

――作中にもありましたが、モラハラを受ける生活の中でSNSがかなり息抜きになっていたのですね。

maron そうですね。旦那からの暴力が、もし痣ができるような身体的なものだったら他人から見てわかりやすいですが、我が家の場合は精神的な暴力なのでそうではない。さらにモラハラは「私が我慢すればいい」「私が悪いんだろう」と自分を責めてやりすごしてしまいがちなので、表面に出づらい状況です。また、友だちの家庭はDVとかなかったので、似た境遇の人を知りませんでした。だからSNSで不特定多数の方たちとつながらなかったら、私の状況がおかしいんだと気づくことができなかったと思うんですよ。SNSって本当にありがたい存在です。

――maronさんは現在、Twitterのフォロワーが19.9万人。投稿への反響やDMなどもたくさんあるかと思いますが、特に心に残っていることはありますか?

maron 中高生の方が鍵アカ(※)からDMをくださるんです。「自分の親も同じような感じで、つらい思いもしたけれど、母親が離婚してくれてよかった」と。私も娘がふたりいるので、子どもの立場からのそういったメッセージを送ってくれることに、すごく励まされました。フォローしてくださっている方々は老若男女とさまざまで、前出の若い世代だけでなく、50代の方からも応援のメッセージが届くのも嬉しいです。

※全てのツイートが非公開になっているアカウントのこと。

――SNSは面倒なこともありますよね。赤裸々な投稿をしていて、トラブルはありませんか?

maron 私の現状にイライラする方も多いようです。引用リプで「さっさと別れればいいのに!」「まだ別れてないの!」みたいなコメントが書き込まれることもあります(笑)。また、過激なことを書くと、凍結されてしまうことですかね(笑)。凍結の基準はよくわからないのですが「ババア」「ジジイ」と書くだけで、NGという話を聞いたことも。だから最近はおとなしめにならざるをえなくて、でも、本心ではもっと「毒キノコ採ってこようかな~」とか書きたい(笑)。以前は私に対して来たコメントが炎上してしまい、その方のアカウントが削除されてしまった事件もありました。義父世代の男性が「我慢が足りない!」とリプしてきたんです。するとフォロワーさんが「こんなに耐えている人に対して何事だ」と盛り上がってしまい、結果、男性のアカウントが消えました。しかもそれ、自営業の公式アカウントだったのに。それ以来、いろいろ気を付けよう……とは思ってしまいます。

モラハラ夫に傷つけられても、ちゃんと誰かが支えてくれるはず

――SNSを息抜きに、お子さんの成長を生きがいに。それ以外にはどんなことを日々の楽しみにしているのでしょうか?

maron  ハーゲンダッツです! やっぱり夜中のハーゲンダッツって本当に~幸せです(笑)。味だけでなく、ひとりの時間が大切です。あとは実親の存在ですかね。いつでも帰っておいでと言ってくれるから、モラハラ生活でもなんとかふんばれる。実際はなかなか帰れない状況ではありますが。そして絶対に大事なのは、仕事でしょう。結婚した当初は専業主婦でしたが、ここから早く抜け出そうと仕事を探し、今は稼ぐことに必死になっています。

――モラハラ生活から抜け出すために、具体的なアクションをしていらっしゃるのですね。

maron  もし私が看護師などの資格を持っていたり、会社員という状況だったら「がまんできない!」とすぐ家を出ることができたのかなと思っています。でも私はそれができなかったから、今からでもとにかくお金を貯めています。お金と心の余裕がないと、ハーゲンダッツも買えませんし。そしてそのお金は絶対に隠すことが必須。1本30円のマルチパックでさえ「贅沢だ」という旦那。モラ夫はアイスやお菓子を買うお金ですら奪ってくるので、絶対に知られてはなりません。あと大切なのは、知識ですね。子連れで離婚したときに使える制度は自治体によって違うのでとにかくひたすら検索です。子どもの奨学金もすごくいろいろな種類があるので、娘にも「今から自分でも調べておいたほうがいい」と伝えています。とにかく情報を、自分で取りに行くこと。法律的なこともある程度知識として入れておかないと、相手のいいようにやられたい放題やられてしまいます。

新しい生活に向けてやるべきこと


――巻末の「スペシャルパート」にありました「離婚サポート情報」もすごく参考になりそうです。モラハラの特徴をおさえながら、別居や離婚に臨む際、夫へ請求できるお金の話し。弁護士への依頼方法やサポート先一覧など。これらを知っておくだけでも、心にゆとりが生まれそうです。

maron  こういった情報を知るにつれ、とにかく先立つものが必要だという現実に目が向きますね。すると、今まで全く興味のなかった投資とかにも目を向けるようになり、最近は楽天のポイントで投資を初めてみたりしています。たまに「在宅で稼ぐ方法は?」と聞かれることがありますが、悪質な業者も多いし、おいしいことばっかり言って高額な教材を買わせたりする広告にひっかかってはダメですよ、とお返事をしています。

――本当に世知辛い世の中です! そんな中、前を向いて進んでいるmaronさんに励まされる人も多いのではないでしょうか。最後にレタスクラブの読者へ、メッセージをお願いします。

maron  こんなことを話している私自身も中途半端で、まだ決定的な行動に移せていませんが、同じような境遇の皆様には「自分を責めないでください」とお伝えしたいですね。私も長年義母と旦那に「お前が悪い」と言われ続け、軽く洗脳されたようになっていました。他の人はできているのに、どうして自分はできていないんだろう? とつい自分を責めてしまうんですが、そんなときはSNSなど見て、自分の状況に気づくことから始めてください。心と体を壊す前に、何か仕事を見つけて、そしてひたすら貯金です。お金がないと、逃げ出せませんから。あとは夜中のハーゲンダッツとかの、楽しみを見つけること(笑)。少しでも自分の幸せに目を向けて、ともにがんばっていきましょう。

取材・文=木下頼子

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