「北極」と「南極」どっちが寒いと思う?/誰かに話したくなる地球の雑学

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誰かに話したくなる地球の雑学 110回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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「北極」と「南極」はいったいどっちが寒いのか


北極と南極は、どちらも一面の氷に覆われた極寒の地。同じくらい寒そうに思えるが、じつは南極のほうがずっと寒い。

冬場の北極の平均気温はマイナス25℃前後だが、南極はマイナス50~60℃と大きな差がある。これまで観測された地球上でもっとも低い気温は、南極にあるロシアのボストーク基地で記録されたマイナス89.2℃だ。

南極のほうが寒いのには、いくつもの理由がある。

まずは、北極の氷は北極海に浮かんでいるが、南極の氷は大陸の上にあるという点だ。イメージでは海よりも陸地のほうが暖かそうに思えるが、実際には海のほうが暖かくて冷めにくいのである。海の水は氷になっていないので、0℃より少し低い程度。北の果ての北極の氷の上も、それほどひどい寒さにはならない。また南極でも、海の近くより大陸の内側のほうが寒く、ボストーク基地も内陸部にある。

また、北極と南極は高さが違っている。北極の標高は高くても数十メートルで、氷の厚さも最大10メートルほどだが、南極大陸の平均標高は2000メートル以上もあり、氷の厚さも平均2450メートルにもおよぶ。日本でも山に登れば寒さを感じるように、高いところは気温が低いのである。

そして、海流も気温に大きな影響を与えている。北極にはメキシコ湾流という暖流が北アメリカ大陸の南側から大西洋を北上してやってくるため、気温が少し高くなる。しかし、南極は南極周極流という海流によって取り囲まれているので、赤道付近から南下してくる暖かい海流もせき止められ、ますます冷え込んでいるのだ。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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