習い事が続かない5歳息子。ピアノも3回でやめたいと言い出し…【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第75回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

年長の息子は、習い事が長続きしません。年中の時、友達も通っているし楽しそうという理由でスイミングに通い始めたのですが、半年でやめてしまいました。どうやら、あまり上達しないのが、嫌だったようです。そこで、他に何がしたいか聞いたところ、「ピアノをやりたい」とのことだったので、近所のピアノ教室に通わせることにしました。もともと家にあった電子ピアノで遊んだりして関心も高そうだったので、今度は続くかと思ったのですが、2回通っただけで早くも「やめたい」と言い出す始末。30分のレッスンも退屈してしまうらしく、15分くらいで「帰りたい」と言い始めるため、困っています。私自身がピアノを習っていたこともあり、家での練習時に指の形とかを細かく指摘し過ぎてしまったのも、嫌になってしまった要因のひとつかもしれません。

スイミングもやめてしまったことだし、自分でやりたいと言ったピアノなので、もう少し続けて欲しいと思うのですが、どうやったら「次もがんばりたい」と思ってもらえるようになるのでしょう?子どものモチベーションを上げるための、声かけや関わり方を教えて欲しいです。(Sさん・33歳)

【小川先生の回答】

『続ける』のは目的ではなく結果

まずわかっておいて欲しいのは、5歳の子どもに『続けること』を目的にするのは無謀ということ。『半年』という時間感覚は、子どもにはまだないため、「半年続けるぞ」と言って、半年続けられる子などいません。子どもにとっては、目の前の1回1回があるだけ。「気が付いたらもう半年経っていた」というように、『続けている』というのはあくまでも結果論に過ぎないのです。やっていることが繋がっていって、振り返ったら続いていたというのが、子どもにとっては自然な流れであり、『続けること』を目的にすると、何をどうしていいかがわからず、逆に継続意欲が下がってしまいます。

何かをやり遂げた経験値が多い子ほど、継続力も高い

何かを続けていくには、それをやることによって『何かができるようになった』『得られた』という経験がとても大事です。例えば、家族で登山習慣のある子どもは、学習に対しても粘り強く打ち込んで継続しやすいとよく言われるのですが、それは一歩一歩足を運んだその先に、頂上に到達し見晴らしが変わったという体験があるから。やり遂げていくというプロセスを経た先に、『何かに到達できる』という経験をしているから、何事も続けてみようと思いやすいのです。日常の遊びの中でも、模型を組み立てたり、折り紙で作品を作ったりなど、熱心にやり遂げてひとつのものを作り上げるという経験値のある子は、習い事も続けやすかったりします。

逆に、走り回ったりが好きな子は、瞬間の反応で動いているため、組み立てたり、積み重ねた先に何かがあるという予感を持ちにくいもの。息子さんもおそらくそのタイプで、『歩んでいた先に到達点がある』というイメージを、まだ持てていないだけなのではないでしょうか。

続かない原因があるのではなく、続けられる理由がある

この『何らかを継続して達成する』という体験は、個人差がものすごく大きいものです。その子自身の遊びの種類にもよるし、親子での過ごし方など、子どもの置かれた環境でも大分変わってきます。そのため、「よその子は続けられているのに、うちの子は続けられない」という見方をしてしまうと、子どもにとっては非常に酷。続けている子が周りにいたとしたら、「その子が続けられるようになった事情は何なのか」と考えるのが正しい捉え方です。続けられる側に理由があるのであって、続かない状態の子がいたとしたら、それはまだ経験していないだけ。その子にしてみたら、続けること自体が未体験ゾーンなのです。それを知識として持っておくと、周囲からも学べるし、子どもへの関わり方も上達しやすいと思います。

できたことを評価し、+αで一歩ずつ進む

では具体的に、どういう関わり方をしたらいいかというと、ほんのちょっとでもできたことを見つけて、驚いたり褒めたりしてあげることです。「今日は指の番号を覚えられたね」、「先生の説明を最後まで聞いてから指を動かしたときは、上手に弾けたね」など、やってみた結果できるようになったことを、その都度評価してあげましょう。子どもというのは、「できた」「できない」や、「面白い」「面白くない」というように、物事を0か100かで極端に捉えがちなので、『なんとなくできた』ことの中身をちゃんと説明してあげることが大切です。そうすれば、少しずつ達成感を感じられるようになり、続けることにも慣れていきやすくなります。

レッスン時間に関しても、5歳位の子が、いきなり30分間集中して何かに打ち込むというのは、急には無理な話です。今の息子さんにとっては、15分なら続くのであれば、まずはそこを評価してあげること。その15分の中で1つでも何かわかることができたなら、それは確実に一歩進んでいます。そうやってできたことに目を向けるようにしましょう。『30分やらせる』など、このラインまでいかないと価値がないという基準を、親が勝手に設定してしまうと、途中段階の子どもは息切れしてしまいます。今現在のその子の到達点を基準に、「あと1回だけ弾いてみようか」など、ほんのちょっとだけプラスするようにしていきましょう。そうすれば、本人も『できることが膨らんでいく』というイメージを持ちやすくなると思いますよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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