家ではできる問題なのに、テストになると点が取れません【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第76回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

小6の受験生の娘についての相談です。塾のテストで、家に帰ってやり直すと解ける問題でも、実際のテストでは点数を取れないことが多々あります。娘に、解ける問題をテストでもちゃんとできるようにするには、どうすればいいと思うか尋ねると、「問題をよく読んで、計算は省略せずに書くようにする」と、毎回同じことを言うのですが、結局改善しないまま今にいたっています。

また、家でやり直した時に娘が「あー、これ本当は90点取れてたテストだ!」と、ちょっと嬉しそうなのも気になります。点数が取れなくてもったいないという気持ちもありますが、それ以上にもう受験本番までそんなに時間がないのに、危機感が感じられない娘の様子に、私の方が焦りを感じてしまいます。家でできる問題をテストでも取れるようにするにはどうしたらいいのか、また、危機感のなさを子ども自身が気づくにはどうしたらいいのかを教えていただきたいです。(Yさん・40歳)

【小川先生の回答】

「気をつける」では不十分。「どのようにしたら気をつけられるか」を考える

テストで確実に点を取るためにはどうしたらいいかを、本人に考えさせているのは、とてもいいことだと思います。ただそこで終わらずに、さらに深掘りして「テストの時に問題をよく読むにはどうしたらいいか?」「省略せずに書くのを実際にやるにはどうすればいいか?」と聞いてみましょう。おそらく本人は、具体的に何をすればいいかがわかっていないと思います。なんとなく「気をつけよう」とは思っているけれど、気をつけるための実行の仕方を、実はわかっていないのです。そのため、同じことを繰り返してしまうのでしょう。ですから、まずは『実際の取り組み方がわかっていない』ことを本人に気づかせてあげたほうがいいですね。そのうえで初めて、「テストの時に気をつけられるためには、どうしたらいいかを見つけよう」と一緒に考えてあげればいいのです。

具体的な意識ポイントを明確化し、精査する

具体的な作業としては、『よく読む』というのは、何をどのように読むのか、細かく説明できるように考えていくことになります。例えば算数や理科であれば、『数字に関連する言葉は必ずチェックする』、『数字を見た時には、その単位が何かを点検する』ということだったり、国語なら『文章を読む時は、主語を絶対に意識する』など、『よく読む』ということの具体的な意識ポイントを言葉にしていきましょう。今までは「よく読んだらわかるはず」という願望で止まってしまっていて、取り組み方や方法の検討をしていなかったと思うので、具体的なポイントを明確化することが重要です。

具体的に取り組んでいく中で、新たな問題にぶち当たることもあるでしょう。まず確実に、『時間が全くない』ということに直面するはずです。計算式も全部を理想的に書いていったら、とてもじゃないけど時間が足りないし、書かれていることの情報を全部拾い上げていこうとしたら、読むのに時間がかかり過ぎて足りなくなります。精度を上げるためにやりたいことを意識し始めると、次は全部はできないという悩みが出てきてしまうのです。その時は、「今回はこれとこれだけ意識しよう」というように、絞ることを手伝ってあげましょう。そういった段階を踏んでいくと、テスト本番でも強くなっていくと思います。

解き直しをしてるだけでは、自分の見つめ直しにはならない

また、解き直しの際にもポイントがあります。本人が「あっ、そうか」「なーんだ」と言いながら解けたとしたら、「その『なーんだ』って何に気づいたの?」と聞いてあげましょう。今はわかってテスト中はそうじゃなかったのなら何が違ったのか、そこも深掘りして聞いてあげるのです。例えば、「家ではもう2回目で、何が出るかわかった状態で読んでるから見えやすい」ということであれば、初見でも同じような見え方をするにはどうすればいいかを考えていきます。そうやって、テスト時と振り返り時の自分とを照らし合わせる問いかけをして、そこでわかったことについて、「じゃあ次はこうしたら良さそうだよね」というのを整理してあげましょう。

今までは、問題の解き直しはしていても、自分自身の振り返りはしていなかったと思います。目の前の問題しか見ていなくて、自分を見つめていないから、問題が解ければもう焦る必要もなかったのでしょう。でも、自分自身のテスト中の取り組み方というのを具体的に考え始めると、思った以上に簡単には変わらないという現実に気づき始めるため、しばらくすると焦り出すと思います。その時に親は、「まずいって自分で気づけたのは大進歩。ここからじっくりやれば必ず変わってくるから心配しなくて大丈夫。今気づけて良かったね」という励まし方で安心させてあげればいいと思います。無意識にクセづいた行動は、今日気をつけて、来週から良くなるというほど甘いことではないけれど、今から取りかかれば、2~3か月後には確実に変わってくると思いますよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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