「どんぐり」という名前の木は存在しない/誰かに話したくなる地球の雑学

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誰かに話したくなる地球の雑学 123回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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「どんぐりの木」は存在しないってホント!?


「どんぐりの木は存在しない」と言うと、「そんなバカな、子どもの頃に公園でどんぐりの実を拾って遊んだぞ」「童謡にもどんぐりが出てくるじゃないか」という声が上がりそうだ。だが植物学上は、「どんぐり」という木はないのである。

長くて丸い実が帽子をかぶったような姿のどんぐりは、ブナ科植物の実の総称である。ブナ科の木は、コナラ類、シイ類、マテバシイ類、ブナ類とたくさんあって、国内でも20種ほど見られる。その実をひっくるめて「どんぐり」と呼んでいるのだ。しかし、自分が拾った実が、何の木のどんぐりだったか、わかる人はあまりいないだろう。クリもブナ科なのだが、針(いが)にくるまれた実の形が独特なためか、食用として別格なためか、その実はどんぐりとは呼ばれていない。

どんぐりのなる木は、昔から炭や薪になったり、道具類に加工されたり、屋敷林に植えられたりと、常に人々の暮らしとともにある存在だった。実の特徴である帽子のような部分は、花の萼が変化したもので、はかま、または殻斗と呼ばれ、乾くと外れてしまう。

これほど親しまれているどんぐりだが、そのほとんどはタンニンを多く含んでいるため、えぐみがあっておいしくない。しかし、水にさらしたり加熱したりしてアク抜きをすれば食べられる。縄文・弥生時代の遺跡からは大量のどんぐりが発見されているし、近年でも飢饉に備えて貯蔵されていた。

森に生息する虫や多くの動物も、どんぐりを食べている。特にリスやクマは、えぐみの少ない種類を選んで食べるという、なかなかのグルメである。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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