今日のメインは明日の副菜!進んでラクをすることの大切さ 〜料理研究家・高山かづえ先生〜

家事に育児にお仕事に…とにかく忙しい日々の中、食事作りを負担に感じている主婦の皆さん! 料理のプロに、へとへとな心を軽くするヒントを教えてもらいませんか? 第3回目に登場していただくのは、料理研究家の高山かづえ先生。効率よく料理するコツから愛用の調理器具まで、料理をラクして楽しむ方法を聞きました。
「作ったものを喜んで食べてもらえた」という経験が料理家の原点

「子どもの頃、共働きの両親のためにときどき夕飯を作ることがあって、『おいしかったよ』の言葉がなにより嬉しかった記憶があります。
中高生になると愛読書はファッション誌よりも料理雑誌。大学進学で上京するときに真っ先に荷物に詰め込んだのも、当時夢中で集めた料理雑誌でした。
ひとり暮らしを始めてからも友人が遊びにくるたびに手料理を振る舞っていて、『作ったものを喜んで食べてもらえるってなんて幸せなことだろう』と感じていました。レシピ通りに作っているとだんだん自分なりの工夫やアイディアが出てきて、その頃から『いいレシピ』ってなんだろうと考えるようになりました。
レタスクラブのレシピを考案するときは、『最小限の工程で最大限のおいしさ』を出すこと、そして『家族の胃袋をガツっと掴むボリューム感』を意識しています。レシピを何度も見返さなくてもある程度勘で作れちゃうような、『料理のヒント』になるくらいがちょうどいいのかなと思います」
おかずは多めに作っておくと◎ ちょいアレンジで翌日は副菜に変身!

「品数を多く出したいけど一度にたくさん作る時間がない、という声をよく聞きます。確かに毎日数種類のおかずを作るのは大変ですよね。
私の場合、毎回メインディシュを多めに作っておいて、残った分は翌日の副菜に応用しています。
例えばいわしのオイル煮を多めに作ったら、翌日は冷たいオイルサーディンを副菜に。当日は出来立てを楽しんで、翌日以降はサンドイッチの具にするとか、ほんのちょっとだけ食べ方を変えてみるんです。そういうやりくりができるようになると、残り物を出すという感覚もなくなりますし、自然と品数が増えることになります。
献立は1日ごとに考えず、『日々の献立は繋がっている』と意識してみてください。
日々の料理を連続的に考えることは、調理の過程にも言えます。
例えば野菜や肉を茹でたときは茹で汁を冷凍してとっておくと、出汁のとれたスープとして翌日以降に活用できますよね。
『これはなにかに使えるかも!』というもったいない精神でとっておいたものが、後から自分を助けてくれます。そういうちょっとした手間が結果として時短にも繋がってきますよ」
道具選びも料理を楽しくする大事なポイント。髙山先生の愛用している調理器具
・オールラウンドボウルズ
「ずっと愛用しているシリーズです。ボウルやざる、サラダスピナーなどを入れ子状に収納できます。よく使うアイテムが1箇所にまとまっていると作業効率もぐっとあがります。ボウルのふちが液だれしにくい構造になっているのがお気に入り」
・スケッパー
「スケッパーはお菓子作りのときくらいしか出番がないと思いますが、意外と普段の料理にも使えるんです。みじん切りしたニンニクやネギをさっとひとまとめにするのに便利で、片付けをしながら次の作業したいときに重宝しています」
・オールクラッドの片手鍋
「料理の師匠が使っていて憧れだったのがオールクラッドの片手鍋です。3層構造で火の通りがよく、お肉を焼いても張り付きません。直径20cmで軽くて扱いやすいですし、ぴったりの蓋があってしっかり密閉できるところもいいですね」
「鍋やフライパンなどの調理器具って適当に買ってしまいがちですが、高価なものじゃなくてもいいので、『これを使ってると気持ちがいいな』と思えるものをきちんと選んでみてください。
毎日使うものですから、何かひとつこだわるだけで料理がぐっと楽しくなると思います。特に自宅で過ごす時間が長い今の時代はそういう視点を持つことって大事ですよね。
調理器具だけでなく、器や食材にこだわるのもおすすめです。私はお酒が好きなんですが、珍しいワインを買うと『このワインを飲むために今日は何を作ろうかな』って張り切っちゃうんです。
そういう小さな喜びが毎日のルーティンをこなす中ではすごく大きな役割を果たしていると感じます」
毎日手作りじゃなくても大丈夫!完璧を目指すのをやめてみて

「私は料理が仕事なので『毎日の食事作りも苦にならないでしょ』と言われることもありますが、全然そんなことはなくて、人が作ったものを食べたいときも多々あります。
そういうときは無理をしないで外食したり夫に任せたりしています。買ってきた唐揚げがメインディッシュの日があったっていいんです。
SNSなどを見ているとつい素敵な食卓が目に入ってきたりして、『自分は全然できてない…』と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。でもSNSって基本的にいいところしか見せないものですし、完璧を目指すのはやめてしまいましょう。
家族でおいしいものを食べるのは楽しいことのはずなのに、『こうしなくちゃいけない』という思い込みで料理が辛くなってしまっては本末転倒ですよね。ときには進んで楽をすることも大事です。
自分が楽をすることを悪いと思わず『そういう日もあるよね』くらいに気軽な気持ちでいきたいですね」
取材・文=宇都宮薫
Information
料理研究家。書籍や雑誌、広告などで活躍中。簡単で失敗しない、繰り返し作りたくなる美味しいレシピを提案している。「我が家の定番になりました!」と言われることが一番嬉しい。
Instagram:@Kazue Takayama

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