「ライオンゴロシ」や「悪魔のかぎづめ」と呼ばれる恐怖の植物/誰かに話したくなる地球の雑学

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誰かに話したくなる地球の雑学 125回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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百獣の王ライオンをも殺す「ライオンゴロシ」という名の生物


地球上には、「百獣の王」と称されるライオンすら倒してしまう生物がいる。それは英語で「devil's claw」(悪魔のかぎづめ)、日本語では「ライオンゴロシ」という、じつにまがまがしい名前で呼ばれているのだが、はたしてどんな生き物なのか。

「ハルパゴフィトン・プロカムベンス」という学名を持つライオンゴロシとは、じつは植物である。アフリカ南部やマダガスカルの砂漠地帯に生育するゴマ科の植物で、「巨大な逆さに曲がったトゲを持つ植物」を意味する学名のとおり、鋭いトゲのある実が特徴だ。木質の実は、本体の長さが約5センチメートル、幅は約2.5センチメートルで、本体からは先端にカエシのついたトゲが15本ほど生えている。

万が一、ライオンがこの実を踏んでしまい、足にでも刺さってしまうと大変なことになる。歩くことが困難になり、口で外そうとしようものなら、今度は唇に刺さってしまう。

さらに、トゲの先端にカエシがついていることから、抜こうとしてもがくほどに深く食い込んでいく。食べ物を食べられなくなり、水を飲むことすら困難になり、ついには餓死することになってしまうのだ。

その後、ライオンの死骸は、ほかの生き物に食べられることで土に還っていくが、ライオンゴロシの実は、残った骨や大地にしみ込んだ血液などを栄養分として芽を出す。そして、新たな茂みをつくり出すと、次の獲物となるライオンが足を踏み入れるときを待ち続けるのである。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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