アジサイの花の色が変わるメカニズム/誰かに話したくなる地球の雑学

#趣味   


誰かに話したくなる地球の雑学 135回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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アジサイの花の色は「土壌」が決める!?


日本原産の植物であるアジサイ。その語源は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」がなまったものとする説が有力である。ただし、アジサイは別名を「七変化」というように、その色を一つにとどめることなく変化させる。そして、その原因となっているのが、アジサイの花の色素である。

アジサイの花が持っているのは、アントシアニンという色素。この色素は、有機酸の一種であるイソクロロゲン酸やアルミニウムイオンと反応することで、色を変化させる。つまり、アントシアニン、酸、アルミニウムという三つの物質の微妙なバランスの変化が、花の色に反映しているというわけだ。

アントシアニンは酸と反応することで赤色に、アルミニウムの量が増えるにつれて青色へと変化する。したがって、単にアジサイを植える土壌の酸性度を変えるだけでは、花の色は変化しない。

ポイントとなるのは、土壌に溶け込んでいるアルミニウムの量。アルミニウムの成分は酸性土壌でよく溶け、アルカリ土壌では溶けないことから、土を酸性にすれば花は青色に、中性~弱アルカリ性にすれば赤色になるというしくみだ。

ちなみに、アジサイはヨーロッパでも人気が高い花だが、これを世界に紹介したのは、江戸時代に日本にやってきたドイツ人医師のシーボルトとされる。その後、アジサイは幕末から明治時代にかけて、中国を経由してヨーロッパへと伝来。そこでさまざまな花色の品種がつくり出され、大正時代になるとセイヨウアジサイとして、日本に逆輸入されることとなった。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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