雷のエネルギーは電力として再利用できる?/誰かに話したくなる地球の雑学

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誰かに話したくなる地球の雑学 139回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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雷から放出されるエネルギーは電力として利用できるか


空を切り裂く稲妻、轟く雷鳴。昔から人々に恐れられてきた雷は、自然の放電現象である。このエネルギーを、電力として使うことはできないのだろうか。

じつは、雷から放出されるエネルギーを電力として利用しようという研究は昔から行なわれてきた。

落雷によるエネルギーは膨大で、雷の電圧は雷雲が高ければ大きく、低ければ小さくなるが、仮に電圧を1億ボルト、電流を20万アンペアとして計算すると、200億キロワットにもなる。

東京電力の1日の電力供給量が3850万キロワットだとすると、単純計算で1.4年分。新たな発電エネルギーとして期待がふくらむ。

日本では、「雷都」と呼ばれる栃木県宇都宮市をはじめとする北関東が、雷が多いことで有名だし、南米ベネズエラのマラカイボ湖は、世界一雷の多い場所としてギネスブックにも登録されており、1年間に120万本もの稲妻が走るという。落雷は世界中のどこでも起こっていることを考えれば、たとえば避雷針を立ててこれを集めて電力にすることができれば、エネルギー問題解決の一助となるはずだ。

だが、これを実現するのは難しい。

まず、落雷はいつどこで起きるか予測不可能だし、雷電流は瞬間的でおよそ1万分の1秒しか続かず、現在のところ安定した電力とすることはできない。効率や安全性の面でも問題が多過ぎるのだ。

蓄電技術の開発は各方面で進められているが、電気は蓄電池やコンデンサなどにためることはできても、巨大エネルギーには適さないというのが現状である。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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