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義実家の家の様子を確認しに行くと、ドアに謎の手紙が貼られていて…/子育てとばして介護かよ(6)

久しぶりに会った親が「老いてきたなぁ」と感じることはありますか?
著者の島影真奈美さんは31歳で結婚し、仕事に邁進する日々を送っていました。33歳で出産する人生設計を立てていたものの、気づけば30代後半!いよいよ決断のとき…と思った矢先、なんと義父母の認知症が立て続けに発覚してしまい…。
話題の書籍『子育てとばして介護かよ』から、仕事は辞めない、同居もしない、今の暮らしを変えずに親の介護を組み込むことに成功した著者の、笑いと涙のエピソード『義実家の家の様子を確認しに行くと、ドアに謎の手紙が貼られていて…』をお届けします。
※本作品は島影真奈美、川著の書籍『子育てとばして介護かよ』から一部抜粋・編集しました
お正月のおせちが机の上にあります
もの忘れ外来の受診を勧めたやりとり以降、夫の実家からは連絡がなかった。最近はもの忘れ外来の予約をとるのにも時間がかかるという話も聞くし、あまり急かして親の機嫌を損ねるのも得策ではない。気長に待つか……と思っているうちに時間が経ってしまった。
「次の正月の集まりは、食事が終わったあと、実家に寄ってみようか」
夫とそんな話になったのは2016年の12月半ばのことだった。
毎年、正月になると夫の実家では、義父母と義姉夫婦、姪めいたち、そしてわたしたち夫婦も加わって「ファミリー新年会」が開催されていた。以前は実家に集まっていたが、ここ数年は近所の寿司(すし)屋やに集合するのが定番だった。例年なら、新年会が終わると「俺たち、仕事があるから」と早々に離脱する。でも、今回は少々事情が異なる。ふた言目には「うちの親のことは放っておいていい」「気にしすぎ」と笑い飛ばす夫が、「やっぱり、一度実家の様子を確認したほうがいいな」と神妙な顔をしていた。夫は夫なりに何か思うところがありそうだった。「姉貴にどう伝えるのかも考えなくちゃいけないしね」とも言っていた。
そうそう、おねえさん! 義姉にはまだ、義父母との奇妙なやりとりを伝えていなかった。早く伝えたほうがいいような気もしたけれど、どう伝えたらいいのかわからない。そもそも、義姉と会うのは義父母と同じく年に1回程度で、直接電話で話をするような仲ではなかった。接点がなさすぎて、キャラクターも行動特性もつかめていない。唯一知っていたのは、弟である夫に対して、かなり強めの〝姉貴風〞を吹かせることがあるということぐらいだった。
いつまでも伝えずにいると、発覚したときに「どうして言ってくれなかったの!」と、気持ちのしこりを生じさせる可能性がある。それはわたしも、夫もわかっていた。でも、中途半端な情報を伝えると、かえって混乱させるという懸念もあった。
義姉とのやりとりは、事実を確認したうえで、慎重に進めよう! というのが、わたしたち夫婦が出した結論だった。
まずは夫の実家を訪問し、最新の状況を確認する。そのうえで情報を整理し、義姉にどう伝えるのか決める。気持ちとしてはいたって前向きなつもりだったけれど、行動としては全力で腰が引けていた。
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