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義実家の家の様子を確認しに行くと、ドアに謎の手紙が貼られていて…/子育てとばして介護かよ(6)

もうひとつ課題があった。毎年、新年会がおひらきになった途端、そそくさと帰ろうとする我々が「実家に寄りたい」などと言い出したら、ほかの家族は間違いなく不審に思う。義父母に警戒心を与えてしまっては、元も子もない。
そこで、わたしたちは小芝居を打つことにした。
新年会の席で「親父の米寿の祝いをしてなかったから、プレゼントを持ってきたんだよ」と夫が切り出すというものだ。実家に寄る口実をつくるために、こまごまとした設定が必要な「コードレススピーカー付きのテレビリモコン」を購入した。
新年会当日、プレゼントのことを伝えると、義父母は「ありがたいことです」「まあまあ、そんな気を遣わなくていいのよ」と言いながら、顔をほころばせた。そこですかさず、夫が切り出した。
「このまま渡したいところだけど設定も必要なので、ちょっと家に寄らせてもらってもいいかな」
「そうか。構わないよ」
「あら、全然片付いてないわよ」
義父母は疑う様子もなかった。義姉夫婦や姪たちとは新年会のあと、最寄り駅で解散し、義父母と実家に向かった。
「あなたたちが来るなら、もっと片付けておけばよかったわ」
義母はそう言っていたけれど、玄関の印象は以前とさほど変わらなかった。極端に靴が散らかっていたり、ごみが放置されたりしている様子はなかった。悪臭もない。ごくふつうの玄関に見えた。
「さあさあ、手を洗っていらっしゃい」
義母にうながされ、洗面所に向かう途中、違和感を覚えた。ドアに手紙が貼られている。こまかな字で読みづらいが、冒頭に「拝啓 名前も知らぬ貴女へ」とあった。
なんじゃ、こりゃ!
著=島影真奈美、マンガ・イラスト=川/『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)
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