今さら聞けない「SDGs」…みんなどんな風に家庭で取り組んでる?子育て主婦層418人に緊急アンケート!
最近よく耳にするようになった「SDGs」という言葉。テレビでも「SDGs」に関する特集が組まれたり、家族で「SDGs」について話し合うことが学校の宿題となるなど、徐々に私たちの生活の中にも浸透してきています。
そこでレタスクラブでは、子育て主婦の「SDGs」に関する意識や実際取り組んでいることなどについて、レタスクラブアンケート部の皆さんに尋ねました。(2020/6/23~2021/6/28実施:回答者1749人のうち「女性・既婚・子どもあり・23歳~50歳」の子育て主婦418人の回答を抽出)。次世代を担う子どもたちのためにも、親として主婦として、身近なところから始められる「SDGs」への取り組みをご紹介します。
【認知度は高いものの、具体的にすべきことがわからない】
「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年に国連サミットで採択された国際社会共通の目標のこと。環境問題や貧困問題をはじめ、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。
まずは、「SDGs」という言葉についての認知度を尋ねてみました。
名称も内容も知っている…217票(51.9%)
内容はわからないが、名称は聞いたことがある…142票(34.0%)
知らない…59票(14.1%)
言葉は知ってるけど、うまく説明できないという人もいるのではないでしょうか?実際アンケート結果でも、名称を知っている人は85%以上と認知度は高いものの、内容までわかっていると答えた人は51.9%に留まりました。それでも過半数以上の人が理解しているわけなので、子育て主婦層の「SDGs」への意識は高いほうだといえそうです。
実際、「SDGs」に対し、既に個人として取り組んでいることがあるかとの質問にも、「ある」と答えた人が187人(44.7%)とトップ。ただいっぽうで、「わからない」と答えた人も153人(36.6%)いました。これは、何が「SDGs」へ繋がるのか、具体的にすべきことがわからないことに原因があるようです。確かに「SDGs」が掲げている17の目標はどれも抽象的なため、具体的に何をすればいいかわかりづらいかもしれません。
【主婦層のエコバッグ所持率は7割超】
そこで、これらの目標を主婦層の生活に近い実践目標に置き換え例示したうえで、それぞれどの程度実践しているか尋ねてみたところ、以下のような結果となりました。
「SDGs」について、既に実践している(知らずに実践しているものも含む)を教えてください。(複数回答可)
1.貧困をなくそう(例:フェアトレードで商品を買う)…79票(18.9%)
2.飢餓をゼロに(例:食べ残しをしない)…281票(67.2%)
3.すべての人に健康と福祉を(例:徒歩や自転車通勤・通学をする)…159票(38.0%)
4.質の高い教育をみんなに(例:子どもたちと環境について話し合う)…101票(24.2%)
5.ジェンダー平等を実現しよう(例:性別に関わらず家事や仕事を分担する)…170票(40.7%)
6.安全な水とトイレを世界中に(例:油を流さず、ふき取る)…243票(58.1%)
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに(例:太陽光発電を導入する)…65票(15.6%)
8.働きがいも経済成長も(例:無駄な残業をしない、休暇をきちんと取る)…101票(24.2%)
9.産業と技術革新の基礎をつくろう(例:災害に強いインフラに興味を持つ)…49票(11.7%)
10.人や国の不平等をなくそう(例:差別をしない)…214票(51.2%)
11.住み続けられるまちづくりを(例:まちの清掃防災活動に参加する)…96票(23.0%)
12.つくる責任 つかう責任(例:マイボトル・エコバッグを持ち歩く)…311票(74.4%)
13.気候変動に具体的な対策を(例:電気をこまめに消す)…260票(62.2%)
14.海の豊かさを守ろう(例:海や川に行ったら、ゴミは持ち帰る)…263票(62.9%)
15.陸の豊かさも守ろう(例:毛皮や牙をつかった製品を使わない、買わない)…140票(33.5%)
16.平和と公正をすべての人に(例:国際紛争や平和に関する記事を読む)…89票(21.3%)
17.パートナーシップで目標を達成しよう(例:周りの人とSDGsについて話してみる)…62票(14.8%)
こうやって例示してみると、知らずに実践していたことや、自分でもできそうに思えることが多いですよね?
一見何をしたらいいか悩みそうな「12.つくる責任 つかう責任」も、「マイボトルやエコバッグを持ち歩く」という具体的な取り組みに落とし込んでみると、既に7割以上の人が実践していることがわかります。
他にも、「2.飢餓をゼロに(食べ残しをしない)」「6.安全な水とトイレを世界中に(油を流さず、ふき取る)」「10.人と国の不平等をなくそう(差別をしない)」「13.気候変動に具体的な対策を(電気をこまめに消す)」「14.海の豊かさを守ろう(海や川へ行ったら、ゴミは持ち帰る)」などは、半数以上が実践していると答えた項目。前述の質問では、SDGsに取り組んでいると答えた人は半数以下でしたが、実は既に主婦たちの生活にはSDGsが浸透しているといえそうです。
【これから取り組んでみたいSDGsとは?】
これから実践してみたいと考えているものについても尋ねてみました。票が多かった項目を順に、コメントとともに紹介します。
【4.質の高い教育をみんなに(例:子どもたちと環境について話し合う)】
・「教育が未来をつくるから」
・「ニュースを読んだり家族で話し合ったりするだけでもSDGsに貢献できるならやってみたい!」
【1.貧困をなくそう(例:フェアトレード商品を買う)】
・「フェアトレード商品のことを知らなかったので、意味を理解して商品を購入したいと思った」
・「どうしても安さにつられて、フェアトレード商品を選ばないことも多いけれど見直したい」
【17.パートナーシップで目標を達成しよう(例:周りの人とSDGsについて話してみる)】
・「家族で話し合ってみようと思いました。特に子どもにとってはとてもいいことだと感じました」
・「周りの人と話すことはあまりないので話題に上げてみようと思いました」
・「もっとみんなに広めていきたいです」
【2.飢餓をゼロに(例:食べ残しをしない)】
・「家族の食事や健康を守る者として、身近なものなので」
・「子どもたちの食べ残しは前々から気になっていました。いい機会なのでSDGsについてみんなで話したいと思います」
・「食べ残しは少ないですが、物を腐らせてしまうことがあるので、買いすぎに注意します!」
【3.すべての人に健康と福祉を(例:徒歩や自転車通勤・通学をする)】
・「簡単に始められそう。運動を取り入れてまずは健康になることから始めてみたい」
・「健康のためにもなるべく歩くことを実践し、無駄にガソリンを使わない」
・「通勤は車がないと難しいから、エレベーターを使わずに階段にすることでエネルギーの削減に貢献できるのではないか」
【5.ジェンダー平等を実現しよう(例:性別に関わらず家事や仕事を分担する)】
・「家事分担は男女関係なくできることだから」
・「子どもに夫婦ともに家事や育児をするという姿を見せて、昭和の悪しき慣例をなくしていきたい」
・「自分自身がというよりも子供や孫の代になって上手く世の中が回るように、今自分が準備や整えられるようなことをしていきたいと思ったから」
既に実践していることに挙がっているのが「エコバッグを持ち歩く」「ゴミは持ち帰る」などの具体的な行動に対し、これから実践していきたいことに挙がっているのは、「SDGsについて考えたい」「子どもたちに伝えたい」という、自分や家族へのより強い意識づけでした。
【ついやってしまいがちな水や食材の無駄遣い】
子育て主婦層が日々の暮らしの中で実践しやすい「SDGs」への取り組みとしてまず挙げられるのは、無駄遣いをしないことですよね。そこで、水の無駄遣いと食材の無駄遣いについて、現状がどのようであるかを尋ねてみたところ、その課題が浮き彫りとなりました。
まず自分自身や家族が水の無駄遣いをしていると感じることがあるかとの問いについては、「よくある」「たまにある」と答えた人が全体の74.6%。大多数の人が水の無駄遣いをしてしまっている自覚があるようです。
水の無駄遣いシーンで圧倒的に多かったのは、「お風呂の時のシャワーの出しっぱなし」。また、「手洗い時」「歯磨き時」「食器洗い時」の水の出しっぱなしも同様に気になっている人が多くいました。
次に食材の無駄遣いについても聞いてみたところ、「よくある」「たまにある」人と、「ほぼない」「ない」人の割合は約半々という結果でした。「よくある」「たまにある」と答えた人の理由としては、
・「食べる予定で買ってあったのに急遽外食になって食べそびれてしまうことがある」
・「作り過ぎての食べ残し」
・「消費期限、賞味期限を気づかずに切らしてしまう」
・「冷蔵庫の奥の方にしまっていて、あったことを忘れて腐らせてしまうことがある」
・「子どもの食べ残しが毎日出る」
・「値引きや割引されているとついつい買い過ぎて、使い切れず破棄してしまう」
など、さまざま。主婦あるあるで耳が痛いものばかりですよね。特に「値引き品」を見つけると、主婦としてはついテンションが上がって手が出がちですが、本当に食べきれるのか冷静に判断することも、SDGsを実践するにあたっては大事なことかもしれません。
【ファッションはリサイクルが今や定番】
日々の買い物でも、SDGsに貢献できることは多々あります。わかりやすいものとしてはリサイクルの活用がそうですよね。そこで、ファッションのリサイクルの活用頻度について尋ねてみました。
ファッションのリサイクルの活用頻度についてお聞かせください(フリマアプリで古着を購入・販売、子どものお古を誰かにあげるなど)
よくリサイクルする…116票(27.8%)
ときどきリサイクルする…127票(30.4%)
リサイクルすることもある…115票(27.5%)
リサイクルしたことはないが、興味はある…39票(9.3%)
リサイクルはしたくない…21票(5.0%)
ファッションのリサイクルをしたことがある人は、「よくする」「ときどきする」「することもある」の3つを合わせると85.7%にものぼります。手軽に売り買いできるフリマアプリや、アパレル企業が古着リサイクルを促進していることなどから、主婦層にもリサイクル利用がかなり浸透していると考えられます。また、使わなくなったきれいな靴や服を途上国の必要な子どもたちへ送る取り組みは、単に無駄を減らすことにとどまらず、「3.すべての人に健康と福祉を」という目標の達成にも一役買ってくれるもの。環境問題にも貧困問題にも寄与するリサイクルは、今後も引き続き実践していきたいSDGsといえそうです。
【子育て主婦が実践している「SDGs」とは?】
最後に、「SDGs」につながる方法として実践していることを尋ねたところ、子育て主婦ならでは工夫やアイデアがたくさん寄せられました。どれも今すぐ始められそうなものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
まず、子育て主婦層にとって特に関心の高いフードロス問題については、
・「スーパーで手前に陳列された商品から買うようにしている」
・「見切り品で食卓を華やかにする」
など、すぐに食べるものであれば、消費期限の近いものを積極的に買っているという人が多々。
また、
・「使い切った野菜の芯から再生栽培に挑戦しています。ものすごく大変ですが、農家さんの苦労がわかり、今ある食材を大切に使おうと思えます」
・「家庭菜園をしています。種や苗から育て見守る!そして食卓へあがる。自分たちで育てた野菜は格別です!子どもたちも楽しみにしているし、これから老後の⁉楽しみになりそう」
など、自分で育てることでありがたみがわかり、食材の無駄遣いが減ったという人も。子どもたちにとっても、実際に育てて収穫したものを食することは、SDGsを考える貴重な経験になりそうです。
また、
・「ラップを繰り返し使えるタイプのものにかえた」
・「野菜の皮などなるべくむかないようにして生ゴミを減らす」
など、調理の際の工夫も見られました。
水道、電気などの資源に関しては、
・「お風呂の水の再利用。家庭菜園の水やり、洗濯、洗車」
・「食洗機導入で水の無駄を省く」
・「エアコンの設定温度をこまめに調整したり、扇風機と併用する」
・「できるだけ家族で集まり電気を無駄遣いしない」
など、節約にもつながる方法を実践している人が多くみられました。エコは環境のためだけではなく、節約にもなると考えると、モチベーションも上がりそうですよね。ただこれらを実践するにあたっては、やはり家族の協力も不可欠になります。そこで、
・「SDGsについてのニュースや記事を見つけたら、家族で共有する」
・「資源は限りあるものだという事を日頃から子どもに伝える。それがゆくゆく自然な考え方や行動として身につくように、日常的に話題として取り入れています」
・「出来たことを各自メモして、できたシールを子供たちに貼ってあげる」
など、家族で話したり、報告しあうことで、家族みんなの「SDGs」への意識を高める工夫もなされていました。
こうやってみていくと、「SDGs」って意外と身近なものだということがわかりますよね。アンケートでもSDGsに対して
・「とても難しく意気込んでやらなければできないイメージがあったけど、案外身近で簡単なことからできるんだと知った」
という意見が数多く寄せられていました。エアコン冷房の温度設定を上げる、使っていない電化製品の電源を切るなど、部屋でソファに座っていても実践できるのが「SDGs」。
ぜひ身近でできるところから始めてみませんか?
文=酒詰明子
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