「都市鉱山」からレアメタルを再利用できれば日本も有数の資源国に!?/誰かに話したくなる地球の雑学

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誰かに話したくなる地球の雑学 151回


日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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科学産業に不可欠なレアメタル「都市鉱山」が資源の宝庫に!?


現代の科学産業にとって不可欠でありながら、産出量が少なかったり、精製が難しかったり、あるいは産出する地域が偏っている「希少な金属」のことを「レアメタル」と呼ぶ。どんな金属をレアメタルとするか、ということについて科学的な定義はない。その種類は国や機関、さらには政治・経済的な理由によって多少異なってくるが、日本の場合、ニッケル(元素記号はNi)やチタン(元素記号はTi)、コバルト(元素記号はCo)など31種類が指定されている。

産出する地域での希少性でいうと、たとえば水素燃料電池や抗がん剤の素材になるプラチナ(元素記号はPt)は、世界の総生産量の約64パーセントを南アフリカ共和国が独占。そのほか、非常に硬度が高いことで知られるタングステン(元素記号はW)は中国が約82パーセント。バッテリーなどに使われるリチウム(元素記号はLi)はチリ、アルゼンチン、ボリビアの南米諸国だけで80パーセントを占めている。

現代社会は、こうしたレアメタルからつくられる高機能材料に支えられているといっても過言ではないが、その供給基盤が安定しないことは大きな問題となっている。そこで注目されているのが「都市鉱山」の存在だ。都市部から排出された電気・電子機器の廃棄物を積極的にリサイクルし、そこからレアメタルを取り出して再利用することは、代替材料の開発と合わせて注目度が高まっている。

ただし、都市鉱山から資源を回収するためには、リサイクルの採算性をはじめ、課題が山積みだ。それでも、日本国内に蓄積されているリサイクル対象となるレアメタルの埋蔵量は、世界有数の資源国に匹敵するともいわれていることから、新たな再生利用技術の確立に期待が寄せられている。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)

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