次世代のクリーンエネルギー「水素」の課題とは/誰かに話したくなる地球の雑学
クリーンエネルギーとして注目される水素は自然界にほとんど存在しない!?
地球環境の保護と、エネルギーの安定供給という表裏一体の重要課題を解決するため、現在、化石エネルギーに代わる新たなエネルギーが求められている。なかでも、燃やしてもほとんど有害物質を排出することなく、二酸化炭素も発生しない「水素(元素記号はH)」は次世代エネルギーとして大きく注目されており、水素燃料電池自動車などの開発が急がれている。
では、そもそも水素とはどんな物質なのか。水素を最初に発見したのはイギリスの化学者ヘンリー・キャベンディッシュで、1766年のことであった。地球上でいちばん軽い気体で、無色、無臭、無害。宇宙全体で見るともっとも多く存在する元素で、宇宙の質量全体の約7割を占めるといわれている。
このように大量に存在しているイメージの水素だが、じつは自然界には分子レベルで使える純粋な水素(H2)はほとんど存在しない。なぜなら、水素は酸素(O)と結びつきやすいことから、次々と酸素と一緒になって、より安定した形態の水(H2O)に変化してしまうからだ。
つまり、ほとんどの水素が水やメタン(CH4)などの形で存在することから、これをエネルギーとして利用するためには、何らかの方法で分離しなければならない。具体的な方法としては、水の電気分解、石炭燃焼の副産物(副生水素)として取り出す方法、天然ガスなど化石燃料の改質などが挙げられるが、水の電気分解以外の方法では、作業の段階で二酸化炭素が発生してしまう。
そうした意味では、水素が完全にクリーンなエネルギーとはいえないことから、今後、さらなる技術の改良が求められている。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)
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