何を聞いても「忘れた」「わからない」ばかり…。会話のキャッチボールが続かない5歳娘【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第81回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

5歳の娘との会話があまり続きません。例えば保育園に迎えに行き、「今日保育園で何やったの?」と聞いても、「忘れた」とか「わかんない」と言われてしまいます。私の聞き方がちょっと雑なのかと思い、「今日は公園に誰と行ったの?」と聞いてみても、「忘れた」で終わります。「楽しかった」とは言うものの、何が楽しかったのかまでは答えてくれません。具体的な質問を心がけてはいるものの、なかなか会話のキャッチボールが続かないので、どう声かけすればいいのか悩んでいます。

娘はそこまで元気なタイプではないからかもしれませんが、あまり答えが返ってこないと、本当に楽しかったのか心配になるし、そもそも本人自身に「コレが好き!」というものがないようにも感じています。夫が好きなピアノは楽しそうに聞いたり、私が料理をしていると楽しそうに料理の話に入ってきたりなど、親が好きなことは好きそうなのですが、本人自身が好きなものがないように感じます。親としては親の好きなことを一緒に楽しんでくれるのは嬉しいのですが、それよりも何か本人が好きなことが見つかるといいなとも思ってしまいます。(Iさん・34歳)

【小川先生の回答】

どのくらい楽しかったのかを大きさで表現してもらう

楽しいとか心地よいと感じるコンフォータブルゾーンというのは人それぞれです。人と違っていることに喜びを感じる子もいれば、一致していることに安心や温かさを覚える子もいます。娘さんはおそらく後者。誰かと一緒に何かをしたり、同じ絵本を何度も読んだりなど、平和だったり、整っていたり、みんな仲良しというのが好きな子なのだと思います。

保育園でもみんなで過ごしているその状態を楽しんでいるので、「何したの?」と聞かれても説明するのが難しいのでしょう。本人は「楽しかった」と感じ方を振り返っているため、具体的に何をしていたかの説明の準備ができていないのです。イメージとしては、温泉につかってボーっとしているのが好きなのに、そこの温度が何℃かと聞かれているようなもの。そのため「忘れた」とか「わからない」という言い方しかできないのだと思います。なので聞き方のコツとしては、「どのくらい楽しかったのか、手で大きさを表してみて」とか、「部屋の端から端くらいまで楽しかった?」など、感じ方を聞いてあげること。そのほうが答えやすいし、本人なりに表現してくれるようにもなると思います。

その時に何があったか、時間帯を区切って聞く

また、「特にどの時間帯が楽しかった?」と時間帯を区切って聞いてあげるのも有効です。そもそも9時~17時くらいの長時間に及ぶ保育時間を、「何したの?」という一言で片づけること自体がやや横暴。

例えば、午前中は公園に散歩に行き、昼に給食を食べてからお昼寝して、起きたら自由遊びで誰と何をして遊んで、おやつの後は先生が絵本を読んでくれてなど、時間というのはずーっと繋がっていて、その中でいろいろなことが起こっています。つまり何をしたのかを説明するには、その繋がっているものごとを分割して捉えて認識し、そこに言葉をひとつずつ渡していくという作業が必要になるのです。娘さんはまだ時間を区切るという捉え方に慣れていないだけだと思うので、親のほうが「お昼寝から起きた後は何したの?」など、具体的な時間帯を明示してあげましょう。そうすれば、「〇〇君がこんなことしてた」とか、「工作で何を作った」など、その時間がどうだったというところから、話をしてくれるようになると思いますよ。

5歳児に意思決定を求めるのは時期尚早

また、「自分の好きなことを見つけて欲しい」とのことですが、好きなことを意識的に選ぶためには知識と経験が必要です。知識も経験もない5歳の子に、何が好きなのかその選択を求めるのは時期尚早。意思決定なんてものは、18歳時点でできていれば十分です。娘さんは誰かと一緒に何かをするのが好きなタイプなので、周りの人のやっていることを一緒にやりながら、いろいろ経験している段階なのだと思います。その経験が積み重なっていくうちに、考えたり選んだりする力が身についていくので、今は焦る必要は全くありません。

もちろん中には、5歳くらいでも自分の好きなことに執着して、強く言える子もいるでしょう。でもそれは能力ではなく、そういう性質。強く主張する子はその裏表の関係として、幅広く学ぶことは後回しになりやすかったりもします。いっぽう執着のない子のほうが、逆に万遍なくいろいろなことに触れることができる結果、後々になって独自のものを見つけていく引き出しが増えるという良さもあります。ですから、5~6歳次元の時間軸で「自分の好きなことを見つけられていない」など人格的な判断を下すのは間違い。もっと長い目で見守ってあげましょう。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。


文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■You Tubeチャンネル 小川大介の「見守る子育て研究所」

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