インドに青空が戻った!新型コロナの思わぬ影響とは…?/数字でわかる! こどもSDGs(5)
「こども地政学」「こども統計学」シリーズ累計12.5万部突破!著:バウンド 監修: 秋山宏次郎による、『数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本』では、わかりやすいイラストやクイズを通してSDGsを解説してくれています。今回は「インドに青空が戻った!新型コロナの思わぬ影響とは…?」のパートをお送りします。
※本作品は著 バウンド・監修 秋山宏次郎の書籍『数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本』から一部抜粋・編集しました

空気が汚いと命に関わることもある!
新型コロナによって人々の移動が制限されたり、お店や工場が閉鎖されるなど、経済に甚大な悪影響が出ました。一方で地球環境にとっては、むしろいいこともありました。
2020年3月1日までの4週間で、中国のCO2(二酸化炭素)排出量は前年同期比で2億トンも減少したといいます。また、大気汚染が深刻なインドの首都デリーではロックダウン(都市封鎖)後、PM2.5(微小粒子状物質)が40~70%も減少して、灰色だった空が青空に戻りました。水の都で有名なイタリアのベネチアの運河の水もきれいになりました。
人々の行動が制限されたことで、大気や水の汚染が一気に改善したことは、日々の人間の活動がいかに環境へ悪影響を与えていたかをわかりやすく示したといえます。新型コロナが終息すれば、人々は活動を活発化させるでしょう。生きていくためにお金は大事ですから、人々は移動し、工場は動き出します。一方、環境破壊が進んで健康に暮らせなくなれば、働いてお金を稼ぐことはできません。
新型コロナは「経済」と「環境」のバランスをどうすべきか、真剣に考えるきっかけを与えてくれたのかもしれません。
知っておくべきコトバ
PM2.5(微小粒子状物質)
大気中に浮遊する小さな粒子のうち2.5μm(1μm=1mmの1000分の1)以下の非常に小さな粒子のこと。焼却炉や自動車、航空機だけでなく、喫煙やストーブなどからも発生します。PM2.5を吸い込むと肺の奥深くまで入りやすく、ぜん息や気管支炎のほか、肺がんのリスクが高まると考えられています。
著=バウンド・監修=秋山宏次郎/『数字でわかる! こどもSDGs 地球がいまどんな状態かわかる本』(カンゼン)