悪さばかりする4歳娘。怒り疲れて育児ノイローゼになりそう…【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第86回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

4歳の娘は試し行動がやめられません。1歳半位の自我が出始めた頃からずっと、親をからかったり、親が困るようなことを好んでするようになりました。友達と公園で遊んだ時、母親と2人で出かけた時、いつもはいない場面に妹も一緒に連れて行った時など、嬉しくて感情が高ぶった結果、悪さをします。

具体的には、ボールなどを車道に向かって投げる、自分が車道に飛び出す、友達を叩いたり引っ張りまわしたりする、母親の服に鼻水をつける、母親や妹を叩くなどです。また、バスを見ると興奮して走って突っ込んで行ったりもします。周りの子よりもいち早く走り回れるようになったこともあり、「ダメだよ」と言い聞かせても、最初の頃はなかなか理解してもらえませんでした。言葉がわかるようになってからは、「ホントにいけないんだよ」と強い口調で言い聞かせたりしているのですが、興奮するとまた繰り返してしまいます。

祖父母は遠方のため、年に一度会えるかどうかです。寂しさの現れなのかとも思い、いつもより優しく接してみても、結果悪さが返ってくるため、その度にひどく叱ってしまいます。

そのせいもあるのか、「足が痛い」とか「皮膚がかゆい」と言って大雨など低気圧の日に必ず夜泣きをします。最初は優しくあやしているのですが、「ギャー!ワー!」と30分くらい泣き叫び続けられると、最後は「静かにしなさい!」とまた怒ってしまいます。自分を責めて落ち込む日々です。やはり母親である私の対応がいけないのかでしょうか。父親にも努めて優しく接するように言ってありますが、特に娘に変化はありません。娘の悪さはいつまで続くのかと精神的に追い詰められ、育児ノイローゼ気味です。(Iさん・33歳)

【小川先生の回答】

『行動=意思の表れ』ではない

そもそも幼少期なんて、自分が何をやっているのかもわからないもの。4歳というと体も大きくなり、いろいろ動けるようになってきますが、精神面や心理面で自分をコントロールする力は、まだまだこれから育っていくタイミングです。そのため、言動が一番支離滅裂になりがちな時期でもあります。ですから大人は『本人がとっている行動=意思の表れ』と誤解しないことが重要。娘さんの場合も、叩きたいから叩いているのではなく、興奮したり、何か言いたいことがあるんだけど、自分の心情を表す言葉を持ち合わせていないため、叩くという行動に出てしまっているだけです。

バスを見ると興奮するというのも、大きくて存在感のあるものや、車の振動などを面白く感じているのでしょう。でもその面白さを自分の言葉で伝えられないため、触りに行くとか突っ込んで行くという動き方でしか反応できないのです。

肌感覚が鋭い子ほど、周りからの刺激を感じ取りやすい

実は大人でも同じようなことはいくらでもあります。例えば物を壊してしまう時って、壊したくて壊している人なんてまずいませんよね?大抵は、他のことに気を取られていたり、興奮していたりなど、いろいろな感情が交錯して意図せず壊してしまうものです。そういうことが子どもにはもっともっとたくさんあるし、ましてや娘さんは低気圧で足が痛いと感じるくらい肌感覚が敏感な子。周りが思っている以上にいろいろなことに気が向きやすいのだと思います。

場所が変わるとソワソワしたり、誰か人が来ると興奮したりなど、周りの雰囲気の影響を受けやすいため、落ち着いてじっとしていることがすごく難しいのです。バスに向かって行くのも親を困らせようとしているわけではないし、叩くのも攻撃しているわけではありません。興奮したときの感情の発露方法をそれしか持っていないのだという理解に立つと、関わり方も変わってくると思います。

興奮状態の時は言葉で諭してもムダ。本人の想いを受け止めることが大切

例えば叩いた時の受け止め方としては、「何で叩くの?」ではなく、「なになに、どうした?」です。今までは言葉で説明したり諭したりという方法を取ってきたようですが、本人が体を使ってコミュニケートしている時は、言葉でいろいろ説明してもなかなか入っていきません。逆にますます混乱を招いてしまうため、まずは「叩かなくても聞くから」と本人の想いを受け止めてあげるようにしましょう。それでも興奮して「ワー‼」っとなっていたら、なにか言いたくてたまらないけど言葉がわからないんだろうなと理解し、「後でちゃんと聞くから大丈夫だよ」と安心させてあげることです。

お友達を叩いてしまった場合は、本人には「おっと、それは違うぞ」と止めつつも、お友達には「嬉し過ぎて叩いちゃったみたいでごめんね」と本人の気持ちを翻訳してあげましょう。お友達は何で叩かれたのかわからずに困っているでしょうから、そこはきちんと説明する必要があります。嬉しくて叩くこと自体が「?」という話ではありますが、「嬉しかった」という説明をもらえれば、お友達も「そうなんだ、変なの」という理解はできます。そのため、関係としてあまり根が深くならずにすみます。

感情が高ぶった際の表現方法を考え練習する

本人が落ち着き、言葉を使ってコミュニケーションをとってきたら、その時が言葉で教えてあげるタイミングです。「興奮して叩いちゃったのは、よくなかったね」ということはその都度伝えるようにしましょう。そして、「一緒に遊んで楽しいからって叩いたら、誰だって遊ばなくなるから、嬉しい時の別の表し方を考えよう」と誘っていくのがいいと思います。例えば、ジャンプするとか、大きく手を広げるなど、叩く以外の表現方法を一緒に考え、練習してみましょう。

また、興奮するとバーッと走りたくなるようなので、「これくらいの歩幅で歩いてみよう」というように、体の動かし方を一緒にやってみるのもおすすめです。肌感覚が鋭い子というのは、いわゆる運動神経も優れているため、体の動かし方を練習すれば、動きをコントロールするのも上手になると思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。

文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■You Tubeチャンネル 小川大介の「見守る子育て研究所」

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