家事も育児も私ひとりでやるの?寄り添ってくれない夫への不満が積もって…「夫を捨てたい。」著者いくたはなさんインタビュー

#くらし 
なんで私ひとりが苦しい?


家事も育児も全て妻任せの夫なんかもういらない…。共働き妻の孤独と葛藤を書いて話題となったコミックエッセイ『夫を捨てたい。』(祥伝社)。夫婦の仲が壊れかけた時期の実体験を漫画にしてinstagramで公開し、大反響を呼んだ作品です。著者のいくたはなさんに当時の出来事や今現在の夫婦関係についてお話を聞きました。

どうして何もしてくれないのか不満だった


夫に養われてる身だし仕方ない…育休中に卑屈になっていった心


――「夫を捨てたい」というテーマで漫画を書いたきっかけについて教えてください。

いくたはな このお話はもともとインスタで「夫のことを泣かせた話」として公開していたものです。私は4人の子どもがいるのですが、3人目までは産後に毎回鬱っぽくなっていました。でも4人目はそうはならなくて、これまでと何が違うのか振り返ってみたら夫の協力があったことが大きかったんです。じゃあ過去の夫はどんな感じだったのか、当時つけていた日記を読み返したら、それはもうものすごい恨み辛みが書いてあって(笑)。あれだけ険悪だった夫婦関係がなぜ今に至るまでに変化していったのか、忘れないためにも書きました。

――現在進行形で夫婦仲が拗れているわけでなく、時間が経って当時のことを振り返れるようになったからこそ書けた作品なんですね。

いくたはな 夫にひどいことを言われても、当時の自分は「私は養われてる身だし仕方ないかな」と押さえ込んでばかりいました。でもインスタで公開してみたら、読者から「私も夫に対してひどいって思ってもよかったんですね」という感想を多数いただいたんです。その時に、夫の言動にモヤモヤしながらも自分さえ我慢すればいいと抱え込んでいる人の多さに気づき、これは本腰を入れてちゃんと書かなくちゃいけないなと思いました。

息子くんさびしがるけど行くの?

変じゃない?


復職しても妻だけにのしかかる負担。変わらない夫の生活にイラッ


――育休中、どのようにして夫婦関係が拗れていったのでしょうか?

いくたはな お互いに気遣いのピントがズレていたんだなと今になって思います。たとえば、授乳中に食生活を気にしているのに、夫はスイーツをたんまり買ってきて機嫌を取ろうとしてきたり。私はそんなものよりもっと家事や育児に協力してほしかった。自宅に篭っている私に社会との接点を作ってあげたいからと言って、夫の会社の話を延々と聞かされたけど、それより子どものことをもっと気にかけてほしかった。そんなふうにちぐはぐだったのに、夫は良かれと思ってやっているんだと思うと、「そうじゃないんだよ」の一言が穏便に伝えられませんでした。そんなことが積もり積もって夫に対して優しい気持ちが持てなくなっていきました。

看病で休むのもママ


――復職して時短勤務になったときはどんなことが大変でしたか?

いくたはな 私は保育園の送り迎えがあるので必ず定時で上がらなくちゃいけないプレッシャーの中で働いていました。それに対して夫の生活サイクルは何も変わらずに、飲み会に行ったりだらだら残業して帰ってくるんです。私がお迎えでどれだけ心を砕いて人に頭を下げたり交友関係を捨てたりしているのか、全く理解が及んでいない。なのに上から目線で育児を語ってきたりするもんだから、「自分が当たり前に働いているのを誰が裏で支えてると思ってるの?」と当時めちゃくちゃ腹がたちました。

怒りにまかせて夫を捨てた


夫婦はそもそも違う人間だから。気持ちを伝え合うことの大切さ


――後半では、お互いに気持ちを伝え合うことの大切さが書かれていました。「伝える」ことを意識し始めてから2人の関係はどのように変化しましたか?

いくたはな 私はコミュニケーションが得意じゃないのですが、「伝える」ことを意識し始めてから、ちょっとした行き違いがあっても「私はこう思うよ」とはっきり言えるようになりました。今は嫌だなと思ったことは「察して欲しい」じゃなくて、ダイレクトに言っちゃいます。
結婚して何年も経っているのですが、夫としてもようやく「本当はこういう人だったんだ!」ってわかってきたみたいです。もちろん、一度腹を割って話し合ったからといって次の日からすぐに何でもわかりあえるなんてことはありません。長い年数をかけて少しずつ、「夫婦」になっていってる気がします。

――最後に夫婦関係に悩む読者に向けてメッセージをお願いします。

いくたはな 長年夫婦をやっていると、相手に対する不満があっても何も言わずに諦めた方が楽なことって多いですよね。でも、もしも相手と話し合える余地が残っているのなら、ぜひとも労を惜しまず言葉を交わしてみてほしいです。いろいろな夫婦の形があるとは思いますが、うちの場合は諦めずに伝え合う努力をしたことで、年々夫婦仲が良くなっていきました。
それと、私は毎朝必ず「いってらっしゃい」と言って夫を見送るようにしています。毎日声をかけることの積み重ねが、「自分は大事にされてる」という安心感につながって、なんとなく家の中の空気がいい感じがします。

――喧嘩をしても一旦気持ちを切り替えて、毎朝「いってらっしゃい」だけは伝えているといういくたさん。楽しいことを共有したり、不満を我慢せずに伝えるようになってからやっと夫婦の歯車が噛み合ってきたそうです。衝動的に「夫を捨てたく」なる前に、一度立ち止まって関係を見つめ直してみるのも悪くないかもしれません。

取材・文=宇都宮 薫

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