子どもに同じことを繰り返し伝えても、全然伝わらない…どうしたらいい?/子どもに本当に伝わる言葉がけ(1)

#育児・子育て   
何度伝えても聞いてくれない…

『子どもに本当に伝わる言葉がけ』1回【全8回】


子どもが話を全然聞いてくれない…。そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
教育関連の著書多数、「小川大介先生の子育てよろず相談室」でもおなじみ、過去6000回以上の相談を受けてきた教育家の小川大介さんは、実際に親御さんから「遊び優先で、宿題をなかなかやらない」「注意しても、右の耳から左の耳へ抜けていき、同じことを何度も言っても変わらない…」といった相談を非常によく受けているそうです。

小川先生によると、子どもへの言葉がけのポイントの9割は「子どもを観察すること」で、あと1割が「言い方を変えること」と語ります。
子どもとの関わり方を見直すことで言葉がけのポイントが見えてくる、小川大介著『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)から、「子どもに同じことを繰り返し伝えても、全然伝わらない…どうしたらいい?」をお送りします。

※本作品は小川大介著の書籍『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』から一部抜粋・編集しました

とある平日夕方の出来事

そんな難しいことじゃないですよ


注意しても子どもに全然伝わらない…!

冒頭の漫画(とある平日夕方の出来事)をご覧になって、「わかる~」「ウチもある!」と思われた親御さんも多いのではないでしょうか。

遊び優先で、宿題をなかなかやってくれない。
反応が薄く、こちらの話が伝わっているのかわからない。
注意しても右の耳から左の耳へ抜けていき、同じことを何度も言わせる……。

親御さんたちから、しばしば聞かれる悩みに「言葉がけ」の問題があります。
「どうしたら言うことを聞いてもらえますか?」
「こんなとき、子どもに何と言えばよかったのでしょう」
「注意しなくても、自ら進んで動くようになってほしいのですが……」
こんなご相談をよく受けます。

「どんな言葉?」の前に「子どもがどんな様子か」に注目

「言葉がけ」と聞くと、大人はかける言葉のほうに注目しがちですが、実際には、子どもの心に届く言葉がけができている人というのは、「子どもの話を聞く」「子どもの様子を見る」ことに9割の力を使っています。
子どもをしっかりと観察したうえで、残りの1割で言葉を選んでいるのです。

つまり、言葉がけのポイントの9割が「子どもを観察すること(子どもの話を聞いて様子を見ること)」で、あと1割が「言い方を変えること(見聞きしたことの正しい解釈と、言葉の選び方)」だということです。

私が子育てのご相談を受けるときも、私のすることと言えば、お子さんの様子を聞かせていただく、見せていただくことが大半です。そして最後に「それならばこうしたらどうでしょう」というアドバイスを1つか2つお伝えして完了します。

「たったそれだけ?」とお思いになるかもしれませんが、ご相談に来られた方はみなさん、「それなら大丈夫そうです」と、スッキリした様子で帰っていかれます。

なぜ、9割の力を観察(「聞く」「見る」)に使うのか。それは、同じ「なかなか始めようとしない」という場面でも、その子の「事情」によって、対応を変えなければならないからです。「やりたくない」のか、「やり方がわからない」のか、「単純にやるのを忘れている」のか、事情によって、かけるべき言葉は異なります。

ですから、まずは子どもの様子をよく観察して、子どもの表面的な行動や言動の裏にある事情を汲み取ることが大切なのです。

Profile

小川大介
(おがわ だいすけ)
教育家。見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書・監修多数。

著=小川大介 イラスト=内野こめこ/『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)

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