大人になってから困らないように注意してるのに…その時子どもは頭の中でこんなコトを考えています/子どもに本当に伝わる言葉がけ(2)

#育児・子育て 
親と子で見ている時間の長さが違う

『子どもに本当に伝わる言葉がけ』2回【全8回】


子どもが話を全然聞いてくれない…。そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
教育関連の著書多数、「小川大介先生の子育てよろず相談室」でもおなじみ、過去6000回以上の相談を受けてきた教育家の小川大介さんは、実際に親御さんから「遊び優先で、宿題をなかなかやらない」「注意しても、右の耳から左の耳へ抜けていき、同じことを何度も言っても変わらない…」といった相談を非常によく受けているそうです。

小川先生によると、子どもへの言葉がけのポイントの9割は「子どもを観察すること」で、あと1割が「言い方を変えること」と語ります。
子どもとの関わり方を見直すことで言葉がけのポイントが見えてくる、小川大介著『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)から、「大人になってから困らないように注意してるのに…その時子どもは頭の中でこんなコトを考えています」をお送りします。

※本作品は小川大介著の書籍『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』から一部抜粋・編集しました

右の耳から左の耳へ抜けてしまう親の言葉

注意しても「はーい」と返事だけ。
あるいは、あからさまにイヤな顔をして「わかってる!」と逆ギレ。
何回言っても、脱いだズボンのポケットからティッシュを出さないし、遊びに夢中で勉強は後回しだし。小言を言ってばかりの自分がイヤになる…。

心当たりのある方は多いかもしれませんね。

では、どうすれば、右の耳から左の耳へ抜けてしまう親の言葉を、子どもの中にとどめておくことができるのでしょうかーー。

まず最初に、みなさんに質問です。
親が子どもに小言を言いたくなるのは、どんなときだと思いますか?

それは…「子どものことが心配なとき」です。
「イライラする」「腹が立つ」「いいかげんにしてほしい」といった気持ちもあるでしょうが、掘り下げていくと、こういう気持ちも根っこのところには「自分がいなくても、この子はちゃんと育っていけるだろうか」という不安があるのです。

親は目の前の子どもを注意するとき、目の前のことだけでなく、実はその子の5年後、10年後、もしかすると20年後までをも視野に入れて注意をしているのです。

親と子で見ている時間の長さが違いすぎることが問題

たとえば、子どもが部屋を散らかしてなかなか片付けない様子を見たとき、親御さんたちの心の中には次の2つの気持ちが同時にわき上がってきます。

【現在】 散らかっていると危ないし落ち着かないから部屋を片付けてほしい
【未来】 このままだと、整理整頓ができないだらしのない大人になるのではないか


現在のことに加えて、勝手に10年以上先のことまで心配してしまっている。これが親心です。

一方で、子どもには今この瞬間しか見えていないため「物がいくつか床に転がっているけれど、わたしはそんなに困ってないよ」くらいにしか捉えていません。

ですから「また散らかして! いつも言ってるよ。今すぐちゃんと片付けて! 片付けくらいできるようになりなさい!」と怒る親の様子を見ても、子どもからすると当然、親の本心などわかりません。

すると、子どもの側としては、どうしても「この人は何をそんなに怒っているんだろう?」という反応になります。

親と子で見ている時間の長さが違いすぎるから、子どもに響かないのですね。

ですから、子どもにワーッと小言を言ってしまいそうになったときは、将来の話を混ぜて話を大きくしようとしていないかな? とセルフチェックするといいですね。

親と子で見ている時間の長さが違う


目の前の話に集中して、落ち着いて伝えることが、子どもに伝わる注意の仕方のコツです。

今は今の話を。未来の話は余裕があるときに

親というのは常に子どものことを気にかけています。子どもの将来が心配で、親御さんがあせったり不安を持つのは当たり前です。

ですが、今すぐにしてほしいことがある場合は、今の話に絞ったほうが子どもも言うことを聞きやすくなります。将来の話は、今してほしいことが完了したあとです。

あせった気持ちで将来の話をしても、まず伝わりません。
親の側があせっていると「いいから聞きなさい」といった言い方になってしまい、子どもが聞く姿勢を作れないからです。

気持ちをなんとか落ち着けて、「大事な話をしたいから聞いてほしいんだけど……」と切り出せると、状況はずいぶん変わります。

「えー、なに?」と面倒そうな素振りはするかもしれませんが、少なくとも「いいから聞きなさい!」よりもずっと、聞く姿勢を作ってくれます。

子どもの反応を正しく解釈するコツの1つが、「今の話」と「未来の話」を分けて考えることです。お子さんと話すときはできるだけこの2つを切り分けるよう意識し、今伝えたいことは今だけの話をし、子どものこれからの育ち方について話したいときは、時間をとって家族でゆったりと話すようにしましょう。

日々の出来事と将来の不安を別々に整理していくと、ささいなことで必要以上にあせってしまったり、子どもが伝えようとしていることを見逃したりといったことが減っていきます。

Profile

小川大介
(おがわ だいすけ)
教育家。見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書・監修多数。

著=小川大介 イラスト=内野こめこ/『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)

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