学校で心を許せる友達がいない小4娘。「1人でいる方がラク」と言うけど…【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第89回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

小学4年生の娘は、小さい頃からとても繊細な子(良く言えば感受性が豊かで人の気持ちがよくわかる優しい子)で、友達や先生にかけられた些細な言葉や態度を気にしてしまうことが多く、学校の中で心を許せる友達や先生を見つけられていません。

入学当初は新しい友達を作ろうと張り切っていたのですが、2年生の時に仲間外れにあったこともあり、友達を警戒するようになってしまいました。仲間外れにされた経緯としては、友達のしたい遊びしかやらせてもらえないことが続いていたのが発端です。娘が「次はこれやろうよ」と自分がやりたい遊びを提案しても聞き入れてもらえないことが多く、「だったら○○ちゃんとは遊ばない!」と突然キレられることもあったようです。そんなことが続いているうち、娘にだけわからないように内緒話をされるなどの仲間外れにあうようになりました。本人も「気が合わないなら一緒にいるのもしんどいから、私は休み時間は本を読むことにする」と言って、それ以降は本を読んだり、絵を描いたりして過ごしているようです。

全然友達がいないかというとそうではなく、話しかけてくれる子もいるし、グループワークなども普通にやっていて、学校生活ですごく困っているわけではなさそうです。でも、「誘ってくれたから一緒にいたけど、自分にはわからないテレビやゲームの話をしているから一緒にいてもつまらない」「〇〇ちゃんの悪口を言ってたけど、私はそうは思わないから反論したら、その場がしらけた」「トイレも行きたい時に1人で行きたいから、みんなで行くのは変だと思う」など、家では学校の愚痴ばかりです。1人の方が気楽だからと1人でいることを本人が選んでいるのですが、やはり仲良さそうな友達を見ていると羨ましい気持ちもあるようで、「自分も気の合う友達が欲しいし、ずっと1人だとやはり寂しい」と言っています。「無理に気の合わない友達と一緒にいるより、1人でいることを選ぶのも勇気のいることだよ。ひとりでいられるのはすごいよ」と励ますのですが、「行きたくないなぁ」と、とぼとぼ登校する姿を見ると切なくなります。

娘にどんな子とだったら気が合うのか聞いたところ、「どちらか一方の言いなりになるのではなく、お互いに話し合えるような子。1人でいたい時は1人でいられて、一緒に遊びたい時は一緒に遊べる、ちょうどいい距離で付き合えるような子」とのことでした。また、娘はピアノと読書が大好きなのですが、学校には同じタイプの子はいないようです。幼馴染や習い事など学校が違う友達はいるので、たまたま今の学校に気の合う子がいないだけなのですが、娘にとっては辛い学校生活になってしまっています。娘がなんとか乗り越えていくしかないのでしょうが、何か親としてできることはないでしょうか?(Hさん・40歳)

【小川先生の回答】

会話は「言葉」ではなく「呼吸」でするもの

親子間の会話の様子を見ていると、なんとなく言葉の組み立てだけでやり取りをしている印象を受けます。おそらく言葉の量が多く、ボキャブラリーレベルの高いご家庭なのでしょう。それ自体はとてもいいことなのですが、実は会話というのは『言葉』でするものではなく、『呼吸』でするもの。ちょっと息を合わすとか、相手の息継ぎと自分の息継ぎのタイミングを合わすとか、そういったシンクロさせていくところが少し苦手なのかもしれません。インプットされた言葉で組み立てたり、考えてしゃべることは得意なんでしょうが、空気を読んだり感じ取ったりするスキルがあまり使われていない気がしました。

共通する世界観を持つコミュニティに出会うのを待つ

対策としては大きく分けて2つの捉え方があります。ひとつは、ボキャブラリーレベルが合う子と出会えるのを待って、今の路線で育つというもの。娘さんは本もたくさん読んでいるようだし、考えていることも多いだろうから、その世界観がわかってくれる友達やコミュニティに出会えれば、一気に解決する話ではあります。言葉のキャッチボールが十分できるような、ある程度精神年齢の高い子達のコミュニティに出会えるのを待つなり、受験して、そういった子が集まりやすい学校に行くというのも手です。

もし、地元中学への進学の一択であるなら、クラブ活動など本人が打ち込めるものがあるところを探してあげましょう。現在の習い事のお友達のように、同じクラブ活動という共通点があると、友達も作りやすいと思います。ピアノが好きということなので、吹奏楽など音楽系のクラブもいいかもしれませんね。クラブ活動を理由に越境できたりもするので、早めに情報を集めておくといいと思います。そのようにして、本人が打ち込める居場所や、共通点のある友達が見つかりやすい環境を一緒に探してあげるというのが、ひとつの案です。

「良いと悪いの間」を学んで、理解の幅を広げる

もうひとつは、今の小学校の友達とも関係性を築けるように、「呼吸を合わせる」「良い悪いの間を学ぶ」ことです。ものごとには「良いか悪いか」「正しいか正しくないか」だけではなく、「あ、そうなんだね」という返事があります。これは、肯定でも否定でもなく、相手を尊重し認める返事です。人というのは、中身として「正しいか正しくないか」より、「聞いてもらえた」ということがとても大事で、それは友達関係にも当てはまります。さばいたりジャッジするのではなく、「そうなんだ」とそのまま受け止めること。自分が思ってもいないことに同調する必要はないけど、論破する必要もないという段階に成長させてあげると、理解の幅が広がり、今の学校生活がもう少し生きやすくなると思います。

わからないものをわからないまま受け止める

要するに、人は変えられないので、できることは環境を変えるか、自分を変えるかの2択ということ。自分自身が居心地よく感じられる場所に自分が移動するか、自分自身の理解の幅を広げて相手を受け入れていくかのどちらかです。どちらを選ぶかは自由ですが、まだ4年生ということだし、今の小学校生活が辛いものになっているとのことなので、私としては肯定も否定もしない会話術の練習をさせてあげた方がいい気がします。「そうなんだ」と息を合わせるコミュニケーション術は、今後の社会生活を円滑に進めるためにも身につけておいたほうがいいスキル。また、わからないものをわからないまま受け止めるというのも、人としての大きな成長のひとつです。お子さんはまだ成長段階にある4年生ですし、非常に勉強家なので、何でも答えを求めたがるのでしょう。それはいいことではありますが、わかりたいからこそしんどいことも多いのではないかと思います。

ですから親としては、「どちらが正しい」「あなたは合ってるよ」と本人の話をジャッジしたり、「それってこういうことだよね」と解説をするのではなく、「どっちがどっちということではなく、そういうこともあるよね」という捉え方をしてあげましょう。そうすれば本人も「そんなものかな」と感じられる心の遊びの部分が少し出てくるようになります。まずは、親子の会話を大事にして、「そうだよね」「なるほどね」と話をそのまま受け止める会話を増やしましょう。そのうえで、中学以降の進路を、環境選びという視点で始めてみてはいかがでしょうか。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。YouTubeチャンネル小川大介の「見守る子育て研究所」で情報発信中。

文=酒詰明子

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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。


■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■You Tubeチャンネル 小川大介の「見守る子育て研究所」

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