病院で身元不明のまま死んでしまった弟へ。罪悪感と後悔にまみれた日々を綴ったPV3500万超『16歳で帰らなくなった弟』ダイジェスト

#くらし   
容態が危ないかもしれません


ほんの2分ほどのお昼のニュースで流れたのは、弟の死を伝えるものでしたー。
16歳という若さでこの世を去ることになった弟。当たり前に続くと思っていた家族の日常があっという間に崩れてゆく…。肉親を突然失ったある家族が、再び歩き出せるようになるまでをつづったコミックエッセイ『16歳で帰らなくなった弟』。WEBでの連載が反響を呼び、連載開始から3500万超PVという話題の作品がついに書籍化されました。今回は著者・きむらかずよさんのコメントを交えながらその内容をダイジェストでお届けします。


あの時はもう死んでるってわかってた…?はじまりは警察からの1本の電話


当時高校3年生でこじらせ思春期真っ最中だったきむらさん。マイペースな父と肝っ玉の据わった母、そしてちょっとやんちゃなひとつ下の弟の4人家族で暮らしていました。
全てを変えたのは、深夜にかかってきた警察からの電話でした。

警察から突然の電話

容態が危ないかもしれません

「息子さんが事故に遭われまして…。もしかしたら容体が危ないかもしれません…」
危ない状態!? きむらさん、父と母が慌てて病院に駆けつけるも、そこには冷たくなった弟がいたのでした。
よくよく聞くと、夜10時過ぎに救急搬送され、11:56分には死亡が確認されたと…。
つまりは電話してきていた時には亡くなっていたという衝撃の事実でした。

すぐに病院に向かうも…

息を引き取ってからすでに長い時間が経っていた

『あの時にはもう死んでるってわかってた…?』
すでに息を引き取っていた弟を目の前に、木村さんはすぐには現実を受け入れられず、涙も出てこないほどにショックを受けます。

『さっき笑いながら出かけて行ったやん…目を開けてーや。「おねえ、何してんね」っていつもみたいに言ってーや』


同乗していた身元不明の女の子。もしわたしが1分でも数秒でも呼び止めてたら…。


弟の死にショックを受ける家族ですが、追い討ちをかけたのが、事故を起こした弟のバイクに同乗していた身元不明の女の子がいるという警察からの情報でした。

私が顔を見ていれば…


実は、事故の日の夜、弟の友達の女の子が家に遊びに来ていたのをきむらさんは知っていたのです。

2人が通り過ぎていく瞬間

胸が騒いだ

2人に声をかけたい


『あの時わたしが1分でも数秒でも出ていくあんたたちを呼び止めてたら事故は起きなかった? あんたは死なずにすんだ?』

あの時声をかけていたら違っていた?

後悔の日々



弟が家を出ていく瞬間に妙な胸騒ぎがしたのに結局引き止めなかったことをきむらさんは今も後悔しているといいます。

きむらかずよ「弟が階段を降りていく足音を聞いてバイクで行ってしまうまでの記憶がスローモーションのように今も頭にこびりついているんです。この時声をかけなかったことについて、まだ十代だったこともあってものすごく自責の念にかられました。このことは誰にも言ったことがなくて、漫画ではじめて伝えることができました」。
まさに「虫の知らせ」ともいうべきこのような現象は、作中において様々な形で登場します。身近な人を突然亡くした時、このような経験をされた人は案外多いのかもしれません。

『朝になると父と母は女の子の家に出かけていった。
ずっと忘れることのないあの日の父と母の背中。
父からはあの日のことを一度も聞いたことがない』


弟のバイクに同乗していた女の子がいた

息子を亡くした深い悲しみを抱えながら身元不明の女の子を探さなければと、アドレス帳を頼りに次々と電話をかける母。もうこの子しかいないーとなった時、同乗していたと思われる女の子の両親にたどりつきます。翌朝、両親はその女の子の家へ向かいました。

女の子の両親と対面


次ページ:謝罪にきた加害青年にかけた母の言葉(2/2)

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