少額でも始められる! 「投資信託」が投資初心者に向いているワケとは!?/サイフの穴をふさぐには?(4)

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フゴー:「じゃ、まずは、投資の代表格“株”や。なんとなく、値段が上がったり下がったりするものっていうのはわかると思うけど、そもそも株っちゅうのはな、その会社が生み出す利益の一部をもらえる権利のことなんや。株を持っている株主は、会社から利益の一部を“配当金”として還元してもらえるんや。株主優待なんてもんもあるけど、アレはその権利についてるオマケ、粗品みたいなもんやな」

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僕:「でも、株と言えば、「安いときに買った株が高く売れて儲かった!」っていう話も聞くよね。アレは……?」

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フゴー:「そう、株はあくまでも配当金をもらえる権利のことなんやけど、この権利自体を自由に売り買いすることができるんやな。その売り買いする場所のことを『証券取引所』と言い、会社の株が証券取引所で取引できるようになることを『上場』って言うんや。それぞれの株の値段は証券取引所が決めてるわけやなくて、売る人と買う人の合意で決まるんや。だから株価は、買いたい人が多ければ値段は上がるし、逆に、売りたい人が多ければ値段は下がるわけやな」

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僕:「なるほど、みんなが欲しがる会社の株は株価が高くなるってことか」

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フゴー:「そういうことやな。A社にとっていい情報が発表されると、A社の株が欲しい人がどっと増えるから株価が上がる。このときA社の株をもともと持っていた人は買いたい人に株を売って、利益を出すことができるわけや。この買ったときと売ったときの価格差による儲けを『キャピタルゲイン』って言うんや。ちなみに、さっきの株の配当金で得る収入のことは『インカムゲイン』と言うんや」

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僕:「『キャピタルゲイン』と『インカムゲイン』ね」

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フゴー:「そうや。投資にはいろいろ種類あるけど、他の投資でも、基本はこのどちらかの儲け方しかない。これは投資の基本的な考え方やから覚えとってな!」

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僕:「なるほどね。投資って、正体不明のギャンブルみたいなものだと思ってたけど、少しスッキリしたよ」

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フゴー:「ただな、1つの会社の業績なんて何が起こるかわからん。1回の不祥事で株価ガタ落ち! みたいな話もよく聞くやろ? プロのトレーダーがあらゆるアンテナを駆使しても読めないっちゅうむずかしさと怖さが、株にはあるんや」

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僕:「たしかにね……、買ったときよりも株価が下がったら、その分損することになるんだもんね」

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フゴー:「そうや。値上がりする株の銘柄を見極めるためには、専門的な知識や情報収集が大事になってくるから、初心者にはちと敷居が高い。『株が楽しい』と思える人じゃないと、オススメできない気はするな。好きな企業を応援するために株を買ったり、優待目当てで持つのはええけどな」

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僕:「じゃあ、僕みたいな初心者がやるとしたら……?」

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フゴー:「うむ。そこで紹介したいのが、“投資信託”や。投資信託っちゅうのは文字のとおり、『投資を信じて託す』ってことなんやけどな。これは、自分の代わりに銘柄を選んで投資してくれるプロ(ファンド)を選び、そこにお金を預けるという投資方法。ようするに、銘柄の選定や売買を委託しているわけやな。複数銘柄を運用してくれるプロにお金を託すことで、まとめていろんな銘柄に投資ができ、リスクを分散できるというメリットがある」

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僕:「そうなると、そのプロである投資ファンドをどうやって選ぶかが大事になってくるね」

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フゴー:「そうやな。その投資ファンドのこれまでの実績や、どういう銘柄を買ってるのかといった情報が大事になってくる。これは『目論見書』っていうパンフレットみたいなもんに書いてあるけど、最近は目論見書まで見なくても、証券会社がくわしい情報をまとめてくれていたりするな。
あと、投資信託のファンド選びで大事なのはコストや」

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僕:「コスト? 投資信託にはお金がかかるのか!?」

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フゴー:「自分の代わりに投資してもらうわけやから、手数料が発生するんや。購入するときの手数料、あとは、信託報酬や運用管理費と言って、運用してるときの報酬も払わなアカンし、解約する際にお金がかかることがある。手数料が高かったら、運用成績がよくても手元に入るお金が少なくなるから、気をつけなアカン。昔から、手数料が高い銘柄を巧みに売りつけてくる金融機関もおるからな」

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僕:「手数料でマイナスになっちゃ、本末転倒だね……」

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フゴー:「そういうこっちゃ。最近は“ノーロード”と言って、購入時に手数料がかからないものが当たり前になってきてるけどな。信託報酬も1%未満と低水準のものが増えた。あと、投資信託の魅力はインデックス投資ができることやな」

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僕:「インデックス投資?」

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フゴー:「そう、たとえば日経平均って言うのは、日本を代表する主要225社の株価をまとめた指数なんやけど、そういう指数に連動するように運用されている投資信託があって、これを株価指数インデックスファンドと言うんや。
個人で225社全部の株を買ってたら大変やけど、このインデックスファンドを買えば、少額で日本というマーケットまるごとに投資できる。こういうインデックスファンドは、日本に限らずいろんな国の銘柄があるから、自分が伸びると思った国のインデックスファンドを買うことで、手軽に海外に投資することもできるんや」

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僕:「投資信託にも、いろいろ種類があるんだね」

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フゴー:「そしてな、この株価指数インデックスファンド、特に米国株のものを長期で積み立てるのが、資産形成の王道と言われていたりもする」

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僕:「へえ……どうして?」

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フゴー:「細かい局面で上下することはあるものの、こんな感じでインデックスファンドは、長期的には右肩上がりのトレンドになり、その中でもアメリカの株価は特に安定的に上がっているからや。あとインデックスファンドは手数料が安いので、せっかく得た利益を食いつぶしにくいというのもある」

インデックスファンド


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フゴー:「あと、王道と言えば、“ドルコスト平均法”も覚えておきたいな。これは、投資する金額を決めておいて、定期的に決まった銘柄を買っていく投資方法や。
たとえば毎月3万円をインデックスファンドに投資すると決めておく。すると1口1万円のときは3口買えるけど、株の値段が上がって1口3万円になったときは1口だけ買うことになる。これによって、誰でも簡単に、安いときに数多く、高いときに少なく買うということが可能になるんや。毎月○株とか○口みたいに、数量を決めるんじゃなくて○円分って金額を決めるのがミソやからな」

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僕:「何も考えなくても、効率的に買っていくことができるんだね」

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フゴー:「そういうことや。株価指数インデックスファンドの定額購入は、何も考えずにほったらかしで投資できるから、初心者にオススメというわけやな。ただ、個人的には、少しくらいは新しい知識を勉強した方がいいと思うから、ほったらかしだけでなくて、他の銘柄も少しは購入した方がいいと思うな。ほったらかしじゃ、投資家として進歩がないやろ?


資本家への道のりは、なかなか遠そうだな……。

■著者/オロゴン
都市銀行で10年勤めた後、ベンチャー企業経営者を経て個人独立。
経営者として事業を軌道に乗せる過程で、サラリーマン時代には知らなかったお金や社会のルールが多く存在することに衝撃を受け、独立した2018年より、ブログ・Twitter・ネットラジオVoicyにて情報発信を開始。社会やお金のしくみをわかりやすく伝えるスタイルが多くの支持を集める。

■監修/大河内 薫
税理士。株式会社ArtBiz代表取締役。
日本大学芸術学部卒。「税知識をカジュアルに」をモットーに、YouTubeやTwitterで一般向けに税知識を発信。「お堅い・まじめ」などの税理士イメージを打破し、税金を学ぶことへのハードルを下げる活動に従事。また、日本では稀な芸術学部出身の税理士として、クリエイターや芸術・芸能系のクライアントに特化

著=オロゴン、監修=大河内 薫/『サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実』(KADOKAWA)

Information

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