世界も認める「ジャパンチーズ」のおいしさ。日本のチーズが国際品評会で2大会連続受賞の快挙!

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世界各国のチーズのプロが厳正な審査を行なった「World Cheese Awards 2021」

世界各国から多種多様なチーズが集まる権威あるチーズ・ コンペティション「World Cheese Awards」。
今年で33回目となる「World Cheese Awards 2021」は11月3日(水)にスペイン北部の都市オビエド(Oviedo)で開催されました。世界最大規模のチーズコンテストには日本をはじめ45カ国から、史上最高の4079品のチーズがエントリー。

なんと、その中で日本から出品した2品がスーパーゴールドを受賞!「ジャパンチーズ」が2大会連続受賞の快挙を成し遂げました。

今、世界中から熱い注目を集めている「ジャパンチーズ」。その審査の様子と結果をレポートします。

チーズのプロが世界基準でシビアに審査

審査は、世界各国から集まった4079品のチーズが審査会場のテーブルに一斉に並べられ、約250人の審査員による一次審査が早朝からスタート。
日本のナチュラルチーズは25工房から37品が出品されました。

【画像を見る】審査会場には、世界各国から集まった4079品のチーズがずらり

各テーブルの中から、ゴールドラベル(金賞)、シルバーラベル(銀賞)、ブロンズラベル(銅賞)に相当するチーズを決定し、最後に、ゴールドラベルの中から、スーパーゴールド 88 品が選出され、一次審査が終了しました。

一次審査でスーパーゴールドに選出されたチーズは88品。出品された約2%しか残れない厳しい競争の中、日本の「アトリエ・ド・フロマージュ」(長野県)が出品した「翡翠」と「ニセコチーズ工房」(北海道)の「二世古 椛【momiji】」がスーパーゴールドを受賞! 

さらに、「アトリエ・ド・フロマージュ」の「翡翠」は、「外皮がめずらしく、クリーミーで牛のミルクのわりに口どけが軽い」点が高く評価され、16 品に絞り込まれたチャンピオン候補にも残りました。

ゴールドラベルを獲得&チャンピオン候補にも残った「アトリエ・ド・フロマージュ」の「翡翠」

▲「アトリエ・ド・フロマージュ」(長野県)の「翡翠」

「ニセコチーズ工房」の「二世古 椛【momiji】」もゴールドラベルを獲得!

▲「ニセコチーズ工房」(北海道)の「二世古 椛【momiji】」

2019年のイタリア大会では 「チーズ工房 那須の 森」(栃木県)が出品した「森のチーズ」がスーパーゴールド・世界ベスト16に選出され、「ジャパンチーズ」に大きな注目が集まりましたが、今大会では2品がスーパーゴールドを受賞し、ジャパンチーズは2大会連続受賞の快挙を成し遂げたのです。

最終審査の結果は?

いよいよ16人 の特別審査員による最終審査がスタート。最後にはステージ上で、プレゼンテーション形式の審査が行われ、会場は熱気に包まれました。

プレゼンテーション形式で行なわれた「翡翠」の最終審査場面

特別審査員は、チャンピオンチーズの候補として選出されたチーズの良さについて説明、他の特別審査員はその選出理由を聞きながら試食し、採点しました。

チャンピオンチーズの候補として選出されたチーズの良さについて語る特別審査員


その結果、今年のチャンピオンチーズは特別審査員の合計点で最高得点を出した、スペイン アンダルシアのチーズ工場「ケソス・イ・ベソス」の「オラヴィディア」 に決定。

惜しくもチャンピオンの座を逃したものの、日本からエントリーしたチーズは最終的にゴールドラベル5品(スーパーゴールド受賞の2品含む)、シルバーラベル3品、ブロンズラベル6品が受賞するなど大きく健闘。
世界に向けて「ジャパンチーズ」の認知拡大に大きく貢献するとともに、品質と魅力、国際的な競争力を世界市場に向けてアピールしました。

スーパーゴールドを受賞したのは、どんなチーズ?

ここで気になるのが、スーパーゴールドを受賞したチーズについて。どんなチーズなのか、その特長を受賞コメントと一緒に紹介します。

【工房名】 アトリエ・ド・フロマージュ (長野県)
【チーズ名】 翡翠(ひすい)

外皮の美しさ、珍しさは、まさに名前どおりの「翡翠」

<受賞チーズとチーズ工房の特長>
青カビタイプのチーズ作りに定評のあるアトリエ・ド・フロマージュ。
「翡翠」は力強さを表現しながらも後味に残るまろやかなうま味が絶妙なバランスを取っており、チーズ通(つう)もうならせるおいしさです。

<受賞コメント>担当 塩川 和史氏
これまで海外受賞歴の無い翡翠が受賞したと聞いてびっくりした。率直にうれしい。前回は日本的なチーズで挑んだ。翡翠は力強さのあるブルーチーズ。海外を意識して作り、そこに日本的な柔らかさを加えた。そこが認められて うれしいし、工房の技術向上やこれまでの取り組みが認められ、安心した。この成果を応援してくださっているお客様に還元していきたい。

【工房名】ニセコチーズ工房(北海道)
【チーズ名】 二世古 椛【momiji】

天然色素で色づけされた「ニセコチーズ工房」の「二世古 椛【momiji】」

<受賞チーズとチーズ工房の特長>
20種類以上のチーズを作る職人の卓越した技と、質の高い地元ミルクが見事に調和したチーズ。天然色素で色づけされ、2 年間の熟成が濃厚なうまみを生み出し、まろやかな甘みとともに口の中に広がります。

<受賞コメント>担当 近藤 裕志氏
父親が始めた工房で、一緒にチーズを造りながら腕を磨いてきた。今回スーパーゴールドを受賞し世界に認められたことがうれしい。普段から造っているチーズと何ら変わりないものを出品して受賞できたことは自信につながるし、日本のチーズがここまで行けるということを証明できた。これからも日本のチーズはもっとおいしくなるだろう。

今や「ジャパンチーズ」のおいしさは、世界レベル級。今後も日本ならではの技を活かした、世界に通用するチーズがたくさん登場しそうで楽しみですね!

ボジョレー・ヌーヴォーも解禁され、これから年末年始に向けてますます「おうちでチーズ」を楽しむ場面が増えてきそう。お馴染みの味もいいけれど、未知の美味を開拓するワクワク感も食の醍醐味。この機会に、世界が注目している「ジャパンチーズ」の中から自分好みの味を探してみませんか。

文=岸田直子




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