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教授や院生に説明会の参加者は猛アピール! 知識もなく手ぶらで来てしまった私は茫然… /ただの主婦が東大目指してみた(25)

今思えば特にすごい人を紹介してたんだろうけど。
私は恥ずかしいほど高い志を持ってしまった! と思っていたけど、東大院生たちは人間というスケールを超えて、国や世界という単位で物事を考えていた。
私が突然そんなこと言い出したら多分みんなにギャグかな? と思われてしまうだろう。
そんなことをガチで語ることができる東大って、ものすごい環境だ……!
学生紹介を見て東大への気持ちがものすごく高まった。
それからは入試や学生生活について、具体的な説明がされた。

長いので抜粋です。
新規性のある研究計画書を作るのって、先行研究を知り尽さないときっと書けない。
だからみんな研究計画書がすでに完成しているんだ!……とこの時初めて気付いた。
そして説明が終わると、別の場所で研究室説明会がはじまった。

教授や院生の前には受験生の長蛇の列ができていた。
二次試験は教授陣により口頭試問だ。
人対人なんだし、どちらかというと希望教授に顔を覚えてもらった方が有利だろう。
後ろは長蛇の列なのに20分くらい教授に自分の研究のアピールをしてる人もいた(これは逆効果な気がする……)
ちゃーくん(夫)「ただっち、行かないの?」

ちゃーくん「自分の研究の話はなくてもパネルを見て質問とかしたらどう? せっかく関西から来たんだし」
「それに」

は!

人見知りだからって,
こんなところでモジモジ蚊帳の外にいてなんになるんだ!
行くぞ、私は行くぞ。
ちゃーくんの一言で気持ちが高まった私は、なんの武器も持たずに戦場へと向かってしまった……
研究者目指すんでしょ?
せっかく関西から来たんだし学生と話しておいでよ!
ちゃーくんのそんな言葉に踊らされ、私は研究計画書もなく専門科目の知識もないまま、アピール合戦みたいな雰囲気の研究室説明会の会場へ向かった。

一応興味のある研究室は1時間前に調べておいた。
複数あるけど今の私は武器の無い状態。研究について話すほどの知識も基礎もない。
しかしここでおかしな行動しちゃったら、受験するって決めた時にかなりのマイナスになりそうだ。
気をつけないと……

中学校のときの英語の教科書に載ってたグリーン先生に似てるし、なんだか話しやすそう。
それに彼女の片言の日本語か、私の片言の英語かそのどちらかで会話するならきっと専門的な話はしないだろう。
行くぜ!!!

よっしゃ、good position 確保
さて、早速グリーン先生に話しかけるぞ。

お〜い、もしも〜し、ミスグリ〜ん?
くそ……人が多すぎて声が全然通らない!
もっと大きな声で話しかけなくっちゃ。

……

こっちもびっくりしたよ!! ますだおかだかな?
私の存在感がなさすぎて背後に私がいること、気づかなかったのかしら。

ごめんね、グリーン先生。思わぬところで日本の文化・SHINOBIを体感させてしまって。
もし受験して合格して晴れてグリーン先生の後輩になったらあのときのSHINOBIですって言おう……そう思いながら雑談を始めた。
グリーン先生はすごく日本語が流暢だった。
外国人入試とかもあるのかな?
入試のことについて話を聞いてみた。

日本人と一緒に日本語で専門外の論述試験を受けて合格したってこと?
人工知能かよ。
残念ながら私が捕まえた現役東大生は、スーパーハイスペック東大生だった。
恥への輪舞曲のはじまりだ。
著=ただっち/『ただの主婦が東大目指してみた』(フォレスト出版)
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