大人だからこそ、 しっかりサボっていこう/がんばらないことをがんばるって決めた。(1)

「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」
―等身大のつぶやきで15万以上のいいねを獲得した「考えるOL」。 ついついがんばりすぎな大人たちが「ありのままの人生を、ゆるやかに生きる」ためのヒントをご紹介します。
※本記事は考えるOL著/おさつイラストの書籍『がんばらないことをがんばるって決めた。』から一部抜粋・編集しました

教えてくれたのは:考えるOLさん
20代の平凡なOLが『こんなはずじゃなかった人生』と向き合う記録と題してTwitter(@thinkingoodol)を開設。仕事や日常について、ありのままの自分を肯定する言葉が多くの支持を集めている。2020年8月の「今日も会社に行けなかった。まぁいいか。生きてるし。」というつぶやきが15万以上のいいねを獲得。日々、心を柔らかくする言葉をつぶやいている。
仮病で会社を休んで初めて気づいたこと
ある朝、会社に行くのが超絶いやになった。
家を出る時間をとっくに過ぎているのに、寝間着のまま、毛布にくるまっていた。仕事がまじで始まる5分前、「本日、体調不良のためお休みいただきます」と最後の力を振り絞り、親指だけでメッセージを送った。社会人になって初めて、仮病を使って会社をサボった日になった。
唐突に空白になった1日。やりたいこともなく、天井をぼーっと眺めることしかできなかった。休日も仕事のことばかり考えていた私は、いま何をしたいのかさえ、わからなくなっていることに気が付いて悲しくなった。
そして、翌日も会社に行くことができなかった。
2日目のサボりを迎えてようやく街に繰り出した。目的もなく、ふらりふらりと近所を散歩していると、ゲームセンターを見つけた。子どもの頃に抱いていた「大人になったらUFOキャッチャーを思う存分やるぞ」という小さな夢を思い出した。淡い記憶とともに、ゲームセンターに吸い込まれていった。
あのドラえもんのぬいぐるみがほしい。大した理由もなく、ひたすらに100円玉を機械に投入してクレーンを動かす。そして36回目にして、ようやくヤツをゲットした。小さくガッツポーズ。久しぶりの「夢中」な時間だった。
次の日、自然と会社に行く気になれた。2日ぶりの職場は、何ひとつ変わらず、ちゃんと私の席もある。私がいてもいなくても、この世界はちっとも変わりはしないことを思い知る。さみしさよりも、安心のほうが大きかった。
つらいときは休むことこそが、大人にとって大事なことだよ
「なんか今日つらいな。休もう。」そんなとき、あのドラえもんと目が合う。会社をサボって彼を夢中でゲットした日のことを思い出してはこうつぶやく。
「今日も会社に行けなかった。まあいいか、生きてるし。」
無責任な考え方だと思っていたけれど、自分の人生に対する最大限の責任と敬意と誇りに満ちた、社会人として立派なマインドだと今では思う。
もともと真面目で責任感が強い性格だった。凡人だからこそ、当たり前のことをきちんとこなす真面目さと責任感でしか、自分を守ることができなかった。
社会人になってからも、平凡な自分を守るために必死だった。お客さんに迷惑をかけてはダメだ、上司や先輩に迷惑をかけてはダメだ。そうやって、いつも周りを気にしているふりして、ただ自分を守りたかっただけだった。その独りよがりな真面目さと責任感は、あやうく自分の息さえも止めるところだった。
就活生のころ、「自分の代わりがいない仕事に責任感とやりがいを感じている」と言っている社会人がキラキラと輝いて見えた。憧れたりもした。
それでも、自分の代わりがいくらでもいるということは、自分が苦しいときにはいつでも誰かが助けてくれるということでもあるし、自分も誰かの代わりにいつでもなれるということだ。
それに、結局は自分も守れなければ、もっと周りに迷惑をかけてしまう。
平凡な私も、失敗した私も、少しずつ許せる私になってから、生きることに穏やかさを取り戻せた。走ることを止めたのではない、少しでも遠くに辿り着くために、ゆっくり歩きながら進むことにした。そして、不完全な自分を許すことは、不完全な誰かを許せることでもある。
社会は甘くないからこそ、一人ですべてを背負う強さが必要なのではなく、足りないことはお互いに許しあい、足し合っていけばいいよね。

著=考えるOL /イラスト=おさつ
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