「あのとき貯めておけば…」お金について、子育て世代が今抱いている思いとは?

#くらし   
ライフプランに不安を抱える主婦

昨年話題となった映画『老後の資金がありません!』。主人公である主婦がコツコツと貯めてきた老後資金が、想定外の出費が重なってどんどん目減りしていく様に、身につまされる思いをした子育て世代も多かったようです。ましてやこのコロナ禍で、安定した生活が必ずしも将来にわたって約束されたものではないことを思い知らされた今、ライフプランの見直しを計る人も増えてきました。そこでレタスクラブでは、子育て世代が抱える「備え」についての不安や悩み、今後のライフプランでやってみたいことについてレタスクラブアンケート部の皆さんに尋ねました。(2021/12/3~2021/12/8実施:回答者1090人のうち「女性・既婚・子どもあり・23歳~50歳」の子育て主婦258人の回答を抽出)。

将来のライフプランで何が一番不安?

まずは、子育て世帯のライフプランについて、もっとも不安に思うことを聞いてみました

ご世帯のライフプランについて、もっとも不安に思うことは何ですか?

ライフプランでもっとも不安に思うこと

自分の老後資金…121票(46.9%)
子どもの学業資金…68票(26.4%)
今後収入が減るかどうか…22票(8.5%)
借入金(ローンなど)の返済…18票(7.0%)
特にない…15票(5.8%)
親の介護資金…12票(4.7%)
その他…2票(0.8%)


「自分の老後資金」について最も不安を抱いていると回答した人が、約半数とトップ。国が「老後資金ひとりあたり2000万円」と呼びかけたことが印象的だったという人も多かったようです。
・「夫婦それぞれ何歳まで生きるのかもわからないし、老後資金は実際のところいくらあればいいのか不明瞭なので不安」
・「年金が本当にもらえるかもわからないので、自分たちで資産を作らないといけないと思う」
・「教育資金も、介護資金も使い果たしちゃったら、結局は自分たちの首が苦しくなるから」
・「専業主婦なので、夫に先立たれたら大丈夫なのか気になる」
・「定年退職後働けるか?持ち家なし、冠婚葬祭なども増えるだろうし、赤字になりそう」
・「人生100年時代、元気で100歳まで生きていく気がしないので、入院代なども必要になったり働けなくなったりと老後が心配です」

など数々の不安な声が寄せられました。

子どもの成長と共に膨れ上がる学業資金

次いで2位は「子どもの学業資金」で、全体の約1/4程度。
・「私立の学費が上昇傾向にあるので気になります」
・「2歳差で3人子どもがいて、私が扶養内パートなので、大学まで教育資金が足りるか不安」
・「最終的にいくらかかるかわからない」
・「子どもの選択肢を減らしたくないため。たとえば留学したい時に資金面で支援してあげられるか、不安」
・「今長女が小学生ですが、中学生になると、塾費用や受験など、一気にお金がかかるようになると聞くから」
・「子どもの大学行く頃には、夫が定年なので」

など、子どものやりたいことをやらせてあげたいけど、お金が足りるのか不安という親としての葛藤がうかがえます。

「自分の老後資金」と「子どもの学業資金」の上位2項目が、全体の3/4を占める結果となりましたが、他にも「このご時世、仕事をいつ失うかわからない」「いつまで仕事を続けることができるか。定年後に仕事があるか」など、そもそもの今後の収入について不安視する声も多く寄せられました。コロナ禍による社会情勢の不安定さは、「ローンの返済残額がまだ多いのに、今後給料は上がらなそうなので、金利が上がらないか気になる」と、借入金の返済問題への不安にも波及しています。また、「今の介護保険では足りないと思う」「親自身の貯金がない」など、親の介護資金にも不安を抱いているようでした。

「老後資金」「学業資金」「介護資金」など、どれもお金がかかることはわかっていても、具体的にどのくらいなのかというのはわかりにくいもの。また、持家か賃貸か、車を保有しているかどうか、今後の収入が安定しているかなど、様々に絡まる不確定要素も多いことが、さらに不安に拍車をかけているようでした。

子育て世帯がライフプランで取り組みたいこととは?

子育てに、親の介護、自分の老後資金など、金銭的な不安を多く抱える子育て世帯。コロナ禍を経験した今、どんなライフプランを描いているのでしょう?今後のライフプランを描くうえでやってみたいことについて聞いてみました。

ご世帯のライフプランについて、これからやってみたいと思うことは何ですか?(複数回答可)

1位 働き続けたい…94票(36.4%)
2位 資産運用を始めたい…74票(28.7%)
3位 今仕事をしていないが、働きたい…48票(18.6%)
4位 資産運用をさらに増やしたい…46票(17.8%)
5位 仕事のための資格を取得したい…34票(13.2%)
6位 ライフプランをFPに相談したい…13票(5.0%)


1位と3位の「働くこと」を合わせると55.0%。過半数の人が「働きたい」という結果となりました。コロナ禍で収入が減った世帯も多く、今後の景気回復もなかなか見込めないことから、共働きで収入を確保しておきたいという思いが見受けられます。また、コロナ禍でリモートワークが普及し、子育て中でも働きやすい環境が整ってきたことも、仕事復帰を後押しするひとつの要因。働き方の多様化に伴い、今後ますます女性の活躍の場が増えてくるように思われます。

2位と4位は「資産運用」で、合わせて46.5%。「資産運用」への興味関心もかなり高いことがわかりました。最近では、ネットショッピングのポイントがそのまま運用へ回せる仕組みがあるなど、これまでと比較してもその第一歩のハードルが低くなっているため、始めてみるかたも増えてきているようです。
そうはいっても、知識があまりない場合、一度始めると辞め時もまたわかりにくかったりするもの。そのため、6位にあるような専門家の話を聞いてみる需要なども、今後高まっていきそうです。

若いうちにやっておけば良かったと思うことは?

備えのためにやっておくべきこととは?

ライフプランにおいて避けて通れないのは「貯蓄」や「資産運用」などの金融に関する知識。しかしながら学校で金融教育を受ける機会などほとんどないため、金融の知識に乏しく、ライフプランにも悪戦苦闘している人が多いようでした。そこで最後に、経験や失敗を踏まえた今の子育て世代たちから、より若い世代への「貯蓄・ライフプランについてのアドバイス」をうかがいました。

・「あるだけ使ってはダメ。いい意味でのケチになりなさい」
・「普通預金だけでは増えません。色んな方法があるので、知識をつけて増やしてください」
・「お金の勉強は大学生、20歳前後から、市販の本などを通じてやって良いと思う。今30歳だが、わからないことが多い割に誰も教えてくれないと実感する」
・「なんとなくお金を使ってしまう方は、お給料が入ったらまず定期預金に移すような貯まるシステム作りをしてしまうのがコツコツ貯める秘訣です」
・「資産運用は少額でも早く始めた方がいい」
・「住宅購入の際の、『今の住居費(賃貸)と同額でマイホーム!』な売り文句は嘘。税金だけじゃなく維持費がバカにならない」
・「住宅手当が出る会社や転勤がある会社に勤めているわけでなければ、住宅は若いうちに購入するのがよいと思います。30歳から35年ローンなら65歳に払い終わるけど、40歳から35年だと75歳になってしまうので」
・「独身の頃は自分自身にだけお金をかけていて、使ったらまた貯めればいいという考えでしたが、貯蓄も含めて若い頃からお金の使い方はしっかり考えて行動した方がいいです。絶対に。お金に振り回される生活は心のゆとりがなくなります」
・「独身時代に貯金をがんばる。私は独身時代の貯金を夫に隠し持っています。いざ、という時のためのお金として、子どものためor老後用に温存しています」
・「国や自治体から頂ける児童手当をためていたので、まとまった貯蓄を用意できて、助かりました。中学卒業まで貯めると相当な額になります」
・「子どもにお金をかけようと思えばいくらでもかけられるけど、かけずに済まそうと思えば済む。その分、将来に回してほしい。必要な金額は桁が違ってくるので」
・「とにかく働き続ける。保険は安く抑える。0歳時の段階から子ども単体の生命保険を掛ける(月数百円で済むから子ども自身が引き継いで払うとしても激安)」
・「いざというときにある程度の貯蓄がないと選択肢が狭まってしまう。なので身軽な時にきちんと貯めておくことが大事だと思う」
・「物を買う時は本当に必要かを考えて買うこと。身の丈に合った生活、お金の使い方をすること」


どれも「若いうちからこうしていればよかった!」という実感がこもった、まさに身につまされるようなアドバイスばかりでした。また、将来自分の娘に伝えるつもりのこととして、こんなアドバイスを寄せてくれた人もいたのでご紹介します。
・「独身の頃に、一度ライフプランとその時々にかかる費用を書き出してみて欲しい。いつ頃結婚したい、いつ頃一人目を産む、いつ頃家を買いたいから頭金を何歳までにいくら貯めておく、など。それを見越して、資格取得や職業選び、仕事、経験、貯蓄に励んで欲しい。いざという時に一人でも生きていける経済力もつけて欲しい」

「備えあれば憂いなし」。早く備えれば備えるだけ、後がラクになります。でも、今まで備えられていなかったからもうダメというわけではなく、今からでも少しずつ立て直していけばいいだけ。コロナ禍で社会情勢も働き方も変わった今こそ、ライフプランを見直すチャンスかもしれません。


文=酒詰明子

この記事に共感したら

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く //