2月から通塾予定の小3男子。塾に入る前にやっておいたほうがいいことは?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」子育ての悩みは尽きません。でもそのお悩みも、教育のプロの目を通すと、お子さんの個性や魅力を再発見するきっかけになるかも!?
教育家の小川大介先生が、子育てに関する悩みに対してアドバイス。回答文最後の「大丈夫!フレーズ」が、頑張っているあなたの心をスーッとラクにしてくれますよ。連載第96回のお悩みはこちら。

【お悩み】

小3の息子がいます。中学受験を考えていて、試しに冬期講習に通わせてみたところ、2月からの新小4のコースにも「通ってみる」ということだったので、通わせることにしました。

本人は今のところ嫌がっている様子はないのですが、親である私の方が最近いろいろ心配になり出しました。というのも、今の息子は友達と遊ぶのが何よりも楽しみ。毎日夕方遅くまで夢中で遊んでいるのですが、塾が始まると週2日は夜の7時半まで勉強しなくてはいけなくなります。「今までみたいには友達と遊べなくなるよ」ということは伝えているのですが、本人はどうもわかっていない様子で、塾通いが始まってから「自由時間がないから嫌だ」とか言い出すような気がしてなりません。

また、本人自身の「中学受験をしたい」という気持ちも、まだまだモヤっとした状況です。いとこなどの話を聞いて、少しずつ生まれつつはあるものの、そこまで受験意識を高く持っているわけではありません。塾に通って周りの友達や先生と触れ合う中で、自然と受験意識が高まっていくものなのでしょうか?それとももっと親ががんばって意識を高めるべきなのでしょうか?

小3の子が塾に通い始める時に、親としてどんな言葉をかけてあげたらいいのか、どんなサポートをしてあげるといいのか、アドバイスをいただきたいです。(Sさん・42歳)

【小川先生の回答】

塾通いのタイムテーブルを練習してみる

まずは、本人が塾に前向きに通おうと思っている時点ですばらしいです。おそらく冬期講習を受けてみて、塾の雰囲気が合ったのだと思うので、そこはよかったのではないでしょうか。ただ、お母さんが心配されているように、塾に通う生活を本人はまだイメージできていないと思います。これは、まだ小3の子には当たり前のこと。口頭でいくら説明しても、予定表をいくら眺めても、その時の自分自身を当てはめる力がまだ育っていないため、わからないのです。

そのため一番いいのは、塾が始まったつもりで実際に1週間過ごしてみることです。「今は塾に行っている時間に当たるから、その間は本を読もう」など、タイムテーブルを体験させてあげましょう。タイムテーブルを作成する際は、塾の時間をはめるだけではなく、塾に行く準備の段階から、帰って来て夕食の時間、お風呂の時間、宿題をする時間など、一連の流れを全て組み込むこと。例えば親御さんが仕事で家にいなければ、塾の準備ができているか30分前に電話を入れて促してあげるなど、親の動き方も一緒に組み込みます。また、塾の話を聞く時間も必ず設けましょう。授業の振り返り、復習の入口の部分というのはとても重要なため、そこは話を聞いてあげる必要があります。

1週間やってみると、「遊び足りない」「夕飯が遅くておなかがすく」など、いろいろな不満も出てくるかと思います。それを踏まえて、「平日に遊べない代わりに土曜日に約束するようにしよう」「塾に行く前に軽く何か食べてから行こう」など、本人と相談して過ごし方を決めていきましょう。そうすることで、1週間の過ごし方が体に馴染んでいくと同時に、いざ塾通いが始まってから「こんなはずじゃなかった!」ということも避けられます。

目標を高く掲げるのではなく、足元をしっかり固めていくこと

受験意識については、そんなに高めようとがんばる必要はありません。多くの人が勘違いしていますが、「受験するぞ」と決めたら勉強をがんばるという逆算の発想は、子どもには当てはまりません。大事なことは、「勉強というのは取り組んだら伸びるんだ」という体験をどれだけ積ませてあげられるかです。できることが増えると、「せっかくできるようになったんだから受験しよう」と思うようになります。できるようになるからがんばる、テストで点数を取れるようになるから難関中にも興味が出てくるのです。ですから親の努力ポイントは、受験意識を高めることではなく、1週間1週間を満足のいく学習成果の上がる日々を作ってあげること。足元をしっかり作っていき、勉強を得意にしてあげるためのサポートに尽きます。

授業を受ける前から学習は始まっている

具体的には、まず勉強の取り組み方を教えてあげること。成績のいい子と、授業に真面目に通っているのに成績が伸びない子の違いは、授業の前に準備をしているかどうかです。成績が伸びない子は、授業が始まってから、初めてテキストを開きます。いっぽう、成績がいい子は授業前にテキストをパラパラと見て、「今日はこういうことをやるんだ」「この問題難しそう」など、準備をしてから授業に臨みます。そのため、聞くべきポイントを外さないのです。授業の前の準備ができているか、そのワンステップの差で勉強の定着度が全然違ってきます。

他にも、先程触れたように授業後の振り返りもとても大事だし、テストを受けて修正をするなど、学力アップのためにはさまざまなステップが不可欠です。そういった勉強の仕方を早いうちから学んでおくことで、勉強が得意になっていきます。

算数の基本となる計算スピードを上げておく

最後に、勉強面で入塾前にやっておくといいのが、基本的な『四則計算』。中学受験では、一般的に算数に投入する学習時間が全体の4~5割とられるため、算数でつまずくと他の教科に手が回らなくなってしまいます。ですから、今のうちにドリルなどで、計算スピードを上げておきましょう。大手の進学塾から発売されている計算ドリルでもいいですし、一般の小学生用ドリルであれば4年生程度のものをやっておくといいと思います。

通塾しているつもりのお試しDAYを設けたり、基本的な計算を固めたりなど、ちょっとした準備をしておくだけで、スムーズな塾生活がスタートできるので、ぜひ取り組んでみてください。

小川先生からの「大丈夫!」フレーズ
『塾がスタートする前に、準備をしようという視点を持っているから大丈夫!』
親御さんがちゃんと「何をしたらいいだろう」と準備の観点を持っていることがとてもすばらしいです!!準備の方法はいろいろあるので、中学受験についてのノウハウを記した『親も子も幸せになれるはじめての中学受験』(CCCメディアハウス)も参考にしてみてください。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。

小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル公式LINEアカウントでも情報発信中。

文=酒詰明子

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作者:小川 大介 (著)

発売日:2019/12/21


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『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。


■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
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