短くて持てない鉛筆しかない…家が貧しくて「鉛筆買って」と母親に言えなかった私(4)

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言いなよママに…「買って」って

『毒親だけど、愛されたかった』4回【全7回】


家に帰ってこない父親と離婚した母は、たったひとりで4人の娘を育てるプレッシャーに押しつぶされ、やがて毒親になっていきました…。

貧しい生活の中、「もうひとりの母親」役として小さな妹たちの世話をしてきた長女の五月さんは、やがて働かない母親に代わりアルバイトで家計を支えるようになりました。家事すらも五月さんに押し付けて遊びに行こうとする母は、「もっと稼げる仕事をすれば?風俗とかさぁ」とひどい言葉を投げかけます。そして、五月さんは自分の負の感情から逃げるために、幼い自分と同じ姿をしたもうひとりの人格「サツキ」と、心の中で対話するようになっていくのでした…。

母親や家族との葛藤を描いた鈴村五月さんのコミックエッセイ「毒親だけど、愛されたかった」から、五月さんが小学一年生の時のエピソードをお届けします。家が貧しいことを知っていた五月さんは、文房具を買うことすら母親に頼めずにいました……。

※本作品は鈴村五月著の書籍『毒親だけど、愛されたかった』から一部抜粋・編集しました

忘れ物多いよね

うらやましいね

え…言わないよ

いつか自分で買うから…


五月さんの負の感情を真正面から突きつけてくる、心の中のもうひとつの人格・サツキ。「言いなよ、ママに。可愛い鉛筆が欲しいって」そうサツキは言いますが、五月さんは母親には言わず我慢することを選びました。大人になって、仕事をして、いつか自分で買うから大丈夫…と。
経済的な問題を解決することは簡単ではありませんが、環境が与える子どもへの影響について考えさせられます。

著=鈴村 五月/『毒親だけど、愛されたかった』(KADOKAWA)

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