ピアノは好きなのに練習は全くしない娘。楽しく練習に取り組むようになるには?【小川先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

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【お悩み】

小2の長女がピアノの練習を嫌がります。本人が始めたいと言うから始めたのに、全く練習しません。ちょっとでもいいから毎日練習して欲しくて、「1曲でも1回でもいいからやろうよ」と、最初は優しく言うのですが、全然やらないため、最終的には毎日バトル。泣くぐらい嫌がる娘に無理矢理やらせている状態が続いていました。

本人のやる気も見られないため、もうやめようかと思い、ピアノ教室の先生に相談したところ、「楽しく通うのが一番だから」と、課題は出さずにレッスンに来た時だけ弾くことになりました。しかし週に1度、30分だけのレッスンで上達するとは思えず、レッスン代がもったいなく感じます。私としては、練習しないならもうやめたほうがいいと思ってしまいます。

でも教室の先生は優しくて、娘も先生のことが大好き。また、先日学校で書いた将来の夢にも「ピアノを弾く人になりたい」と書いていたように、やはりピアノは好きなようです。今のところレッスンでは簡単な曲を弾いているだけなので、本人は楽しく教室に通っていますが、親としては複雑です。同じピアノ教室に通う友達ともどんどん差がついてしまい、発表会などで難しい曲を弾いているのを見ると、焦る気持ちもあります。楽しく毎日練習してくれるのが一番ですが、どうしたらいいのでしょうか?(Mさん・36歳)

【小川先生の回答】

「ピアノを好き」な気持ちを膨らませてあげる手伝いを


自ら進んでピアノの前に座り、うまく弾けるようになるまでがんばることを「練習」と考えていませんか?もちろん、最終的にはそうなることが理想だとは思いますが、娘さんはまだ小学2年生。一足飛びにそこまで求めるのはハードルが高過ぎるというものです。今は、そこに至るまでの階段作りの時期。できるものを増やしてあげて、面白く感じられるものを育ててあげることが大切です。

娘さんは、先生と一緒にピアノを弾くことも楽しいし、ピアノが弾けている自分を想像すると嬉しい理由もあるとのこと。それはすなわち、まず大前提として必要な、「ピアノが好き、弾けるようになりたい」という気持ちを、既に持っているということです。その気持ちを膨らませてあげるお手伝いをするというスタンスで取り組んでいきましょう。

曲を弾くという練習方法にこだわらない


そのためには、まずお母さんの抱いている「練習」というものの捉え方を、もう少し広げてあげる必要があります。ピアノ自体は好きなのに、「練習」となると嫌になってしまうということは、今の練習方法に本人がなんらかの困難を感じているということ。例えば「上手に弾けないと嫌だ」という想いが強い結果、失敗してホントに嫌になってしまうのが怖いのかもしれないし、弾いてみた時にお母さんに何か言われることを想像して、それが嫌なのかもしれませんよね。そこには「練習」に前向きになれない本人なりの理由があるはずです。にも拘わらず、黙々と課題曲を弾くという練習方法を強いてしまうと、せっかく抱いている「ピアノを好き」という気持ちをしぼませてしまいかねません。

音楽に関しては、「強制的にやらされているうちにできるようになった」というストーリーが世の中に多くはびこっているため、強制するものだと思っている人も多いかもしれません。特に今の親世代は、まさしく子どもの頃に無理矢理やらされてきた人たち。練習は強制的にやらせるものだと思い込んでしまう気持ちもわかります。でも、少なくとも娘さんには、そのアプローチ法は向いていません。ですから、曲を弾くという練習方法にこだわるのを一旦やめましょう。

上達のカギは、いかにピアノで遊ぶか


ピアノの鍵盤に指を触れて音の響きや感触を確かめてみたり、好き勝手に音を鳴らしたりするのだって、立派な練習ですよね。また、お母さんがドレミの音階を弾いてあげて、それを耳で覚えたり、ランダムに鍵盤を鳴らして何の音か当てさせたりという段階があってもいいと思います。そうやっていろいろピアノで遊んでいるうちに、「もうちょっとやってみたい」と気分が乗って来たら、今度は片手だけ弾いてみるなど、少しずつステップアップしていくのがいいと思います。鍵盤に触れるところから、曲を弾くまでにはたくさんの階段があり、それを一歩ずつ上って行った末に、難しい曲も弾けるようになるもの。ですから、いきなり最終結果を求めず、もっと段階的に楽しめばいいと思います。

先生の言うように、まずは楽しく通うことが一番。次は、毎日楽しくピアノに触れるにはどうすればいいか、ピアノの曲に近づくにはどんなことができそうかというのを先生と相談して、アイデアを出し合っていけばいいのではないでしょうか。CMのフレーズを真似てみたり、演奏系のYouTube動画をスローで見せて、指の動きを真似させてあげたりなど、遊び方はいくらでもあるはず。要は、どれだけ遊ぶか、どれだけ面白く感じられるものを育ててあげられるかがカギです。それを積み重ねていくことが、本人も望む「ピアノを弾ける自分」の姿に近づいていくことに繋がります。

小川先生からの「大丈夫!」フレーズ
『ポジティブな材料が揃っているから、あとは遊んで楽しむだけ!』
どれだけ遊ぶか、どれだけ楽しむかを主眼においてピアノと接してみましょう。本人の「ピアノが好き」という気持ち、理解力のあるピアノの先生、そして娘さんに一生懸命向き合っているお母さんの熱い想いと、ポジティブな材料が揃っているので、そんなに難しくはないはずです。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。

小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル公式LINEアカウントでも情報発信中。

文=酒詰明子

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