「とにかく天職がほしい」「誰かに認められたい」。平野ノラさんが芸人デビュー以前、日々の満たされない気持ちをモノで埋めようとしたら…(1)

#くらし   
人生の転機には必ずモノを捨てて上向きにしてきた平野ノラ

『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。 1日15分のノラ式実践法』 1回【全3回】


「バブリー芸人」としてブレイクした平野ノラさん。今でこそキラキラ輝く彼女は、芸人になると決意するまでは汚部屋の住人だったそうなんです。

ノラさんは当時について、「芸人になることに一度挫折し、無職の引きこもりとなった20代後半、実は足の踏み場もない汚部屋に住んでいました。そんなとき、ある1冊の本に出会い片づけの意味を知り、部屋の乱れと心の悩みは親密につながっていると気づいたのです。それからは、何も考えず目の前のモノをひたすら片づけていきました」と語ります。

以前はモノにあふれていた自身の部屋が…

片付け前はこんなにモノがあふれて…

片付けを繰り返した今では、こんなにスッキリ! 少ない持ち物で心地よく暮らす片付けの達人に!

片付けですっきり!


人生の転機には必ずモノを捨てて上向きにしてきたというノラさんが、誰にでもできる実践開運術を教えてくれる『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。 1日15分のノラ式実践法』から、片づけられなかった時代のお話をご紹介します。

※本記事は平野ノラ著の書籍『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。 1日15分のノラ式実践法』から一部抜粋・編集しました

28歳のとき

仕事をやめて引きこもる。
自分探しで、部屋はモノであふれる

「とにかく天職が欲しい、誰かに認められたい」という気持ちが強くて、人の役に立ちたい、自分にしかできないやりがいのある何かを常に探し求めていました。

ファッションや絵画が好きだからと色彩検定の教材を取り寄せたり、水墨画に挑戦してみたり、タイマッサージや鍼・灸のスクール体験に行ってみたり、居酒屋に貼ってあるポスターの「海外青年協力隊」に興味を持ったり、不動産会社に勤めていた父の影響で、宅建の資格を取ってみたりもしました。

次々と違うものに興味が向くたびに、それぞれのパンフレットや資料、テキスト、筆やら、ペンやら、マッサージグッズやら、それらにまつわる道具がどんどん増えていきました。

おしゃれもしたいから服もバッグも靴もお給料が出るたびに買っては、日々満足しない気持ちを新しいことや新しいモノで埋めようとしていました。部屋にはモノが積み上がっていき、モノを踏んづけながら生活していました。

28歳になり「もう働きたくない」と思い、その頃つき合っていた彼氏と結婚を見据えて同棲を始め、何もしたくなかったのでOLもやめてしまいました。

家のことをしながら彼氏の帰りを待つ退屈な日々。でも料理も洗濯も嫌いだったから、惣菜を買ってきては盛りつけ、洗濯物は溜め込み、彼氏の靴下のストックがなくなって、彼氏がラグビー部時代に使っていたソックスで出社する姿を見送った日もありました。でも彼氏は怒ることもなく、優しく私を支えてくれていました。

次第に一晩中起きては、ネットで自分探しをし、「幸せになれる」系の自己啓発本を読みあさり、日中はずっと寝ているという、太陽の光を浴びない、とても劣悪な生活スタイルが定着し始めていました。完全に昼夜逆転し、社会から切り離され、その結果「私、何の役にも立っていないじゃん」と思い詰めるようになりました。無気力で勝手に涙があふれてくる日もあり、次第に絵も描けなくなっていきました。

足の踏み場もないほど汚部屋だった頃

足の踏み場もないほど汚部屋だった頃。

芸人になりたい。
このままじゃ死んでも死にきれない

んなある日、とあるネットの「人生を変えた1冊の本」というコーナーで、『ガラクタ捨てれば自分が見える』(カレン・キングストン著/小学館)という本に出合います。

「ガラクタって何だろう?」と興味が湧き、読んでみると、衝撃を受けました。「人生が停滞していると感じたら、それはあなたが溜め込んでいる多くのガラクタのせい。ガラクタを捨てれば未来が開ける」という主旨のことが書かれている本で、まさに私はこの汚部屋でガラクタに囲まれて生活していること、そして、「ガラクタのせいで自分の人生が停滞しているのかもしれない!?」ということに気がつきました。

衝撃を受けたその日から、少しずつ片づけを始めました。カーテンを開け、朝昼晩の生活リズムも正しいものに直し、自分に必要のないモノを捨て、必要なモノを選ぶことを繰り返しました。モノが減ると同時に思考が整理され、自分は本当は何がしたいのかを見つめ直し、自分自身に向き合うことができたのです。

そこで出た答えは、「やっぱりお笑いがやりたい」ということでした。私の中で、「お笑いに対する火種」は全く消えていませんでした。薄々気がついてはいたのです。自己啓発系の本を読むたびに「あなたの中に答えは眠っている」と書かれていて、いつもお笑いの方面に持っていかれそうになっていました。

でも、その度に、「いやいや、無理だよ! 一度諦めたし! 今いくつだよ!」って、そんな気持ちにふたをしてきたのです。周りを見渡せば、友人たちはみんな結婚をして、子どもを産んで落ち着いていて、「無理に決まってんじゃん、そんな勇気もないし、そもそも相方もいないし」と言い訳をしては、私の本当の気持ちに気がつかないようにしていたのです。

当時はお笑い番組が人気を博していて、活躍する芸人さんを私は直視できませんでした。悔しくて、すぐにチャンネルを変えていました。

ある時クールポコ。さんがネタの系統をガラリと変えてテレビに登場したんです。まさか自分の知っている人が売れるようになっているなんて、しかもあれから4年、彼らは必死に頑張ってきてテレビに出られるようになっている! なのに、私は何をしていたんだろう、と情けなくなってきて、「このままでは死んでも死にきれない」とさえ思ったのです。

31歳のとき

プロポーズを断って、お笑いの道を目指すことを決意

ずっと一歩を踏み出せなかったのは、勇気がなかったから、一度やめてるし、もう30歳過ぎてるし、売れるなんて無理だと思っていたから。理由を探せばいくらでも出てきました。

「でも、もういいじゃん、売れなくても。一歩踏み出そう。とにかくこの状況を変えよう」と思いました。その勇気を「片づけ」がくれました。

時を同じくして、同棲中の彼氏にプロポーズされました。でも、好きなのに全然喜べない自分がいました。なぜなら、結婚したら二度とお笑いができなくなるし、それこそ彼に迷惑がかかると思ったから。「今、結婚なんてしている場合じゃない」。そう思った私は、「お笑いがやりたい」という本心を初めて彼に明かしました。すると彼は、猛反対。

「私が本当に望む人生を応援してくれない人と一緒にいても仕方ない。好きだけど、この人とは人生を歩めない」と思うようになりました。それに、「ここで踏み出さなければ死んでも死にきれない!」。そう思い、思い切って彼氏と別れることを決め、家を出ていき、全ての退路を断ちました。

ほんの少しの荷物だけを持って6畳一間の狭い部屋でひとり暮らしを始めました。

この時が私にとって「第1次・大片づけ期」。初めて、それまでの場所も生き方までも手離し、思い切った片づけの時でした。

モノを減らして身軽になった私は、背水の陣でワタナベエンターテインメントのコメディスクールに入学しました。
32歳の秋でした。
すると人生が一変。充実感と幸福感に包まれた日々がやってきました。

やりたいことに向き合って、初めてお笑いだけをやれる日々が本当にうれしくて、うれしくて。学ぶこともネタを作ることも全てが楽しくて、第二の青春を迎えたようでした。一番年上でしたが一番前で授業を受け、無遅刻無欠席の皆勤賞! 

10代の同期に「くそババア!」と言われたら「ババアにババアじゃなくてもっと面白い言い方で言ってこいよ。小僧っ!」って(笑)。
いやぁ~、毎日キラキラ充実していました。

著=平野ノラ/『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。 1日15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)

【著者プロフィール】
平野ノラ
芸人・タレント。1978年東京都葛飾区生まれ。
2014年に、ド派手な巨大肩パット入りの赤のボディコンに身を包み、ソバージュヘアに太眉、携帯電話を提げた「バブリー芸人」として大ブレイク。テレビ・ラジオを中心にタレントとして活躍中。YouTubeでは、片づけをテーマにした動画が大人気。特技はバレーボール。趣味はダンス、絵画など多彩。女児のママ。

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