毎年大きな被害をもたらす!日本に「台風」がやってくる最大の理由って?/すごすぎる天気の図鑑(4)

近年の豪雨、巨大台風、大雪にまつわる話題など、「天気・気象のなぜ?」を本記事で解説してくれるのは、映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎さん。雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など、空(気象)にまつわる面白くてためになる知識をやさしく紹介してくれます。
ふとした瞬間に空を見上げるのが楽しくなる、天気や気象にまつわるとっておきのネタをお届けします!
※本記事は荒木健太郎著の書籍『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました
日本に台風がやってくる最大の理由
日本には毎年台風がやってきて、雨や風の災害をもたらします。台風は熱帯域で積乱雲が集まってできた熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m毎秒以上になったものです。台風という呼び名は北西太平洋のもので、北大西洋ではハリケーン、インド洋ではサイクロンと呼ばれます。
台風は春先には低緯度で発生して西に進みますが、夏には発生する緯度が高くなり、太平洋高気圧のふちに沿って日本に向かって北上する台風が増えてきます。秋の台風は日本付近の上空の偏西風に乗るため、南海上から放物線を描くように台風が北上し、日本は台風の通り道になるのです。

台風は中心付近の最大風速によっては「強い」「非常に強い」「猛烈な」という勢力、平均風速15m毎秒以上の強風域の大きさによっては「大型」「超大型」となることがあります。台風は大雨、暴風、高波に高潮とさまざまな災害を引き起こします。台風の接近が予想されているときには、早めに備えを確認しましょう。

房総半島に甚大な風害をもたらした「令和元年房総半島台風」(台風第15号/2019年9月上旬)。
豆知識
台風は毎年発生した順番で番号がつきますが、そのほかに台風委員会(日本含む14か国などが加盟)が決めるアジア名も全部で140個あります。日本名にはクジラ・コグマ・コンパスなどがあり、星座に由来しています。
【著者プロフィール】
荒木健太郎
雲研究者、気象庁気象研究所研究官、博士(学術)。
1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事した後、現職に至る。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、豪雨・豪雪・竜巻などによる気象災害をもたらす雲のしくみ、雲の物理学の研究に取り組んでいる。
映画『天気の子』(新海誠監督)では気象監修を務める。
著=荒木健太郎/『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)
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