遺すべきは「棺に入れたいもの」と生活必需品だけ!【人生で一番素敵な片づけ】(4)

#くらし   
選ぶのは天国まで持っていきたい!と思うほどの物

『人生で一番素敵な片づけ』4話【全4話】


「もう何年も手に取っていないけど、思い出の物だから捨てられない…」片づけをしていて、そんな気持ちになる方は多いでしょう。しかし、何もしなければ物は増えていく一方です。片づけをしてスッキリきれいな空間にするのは、日々の暮らしやすさのためはもちろんのこと、急な病気など自分の身に何かあった時に家族の負担を減らすことにもつながります。

それでは、セカンドライフ世代の片づけに長年向き合ってきた、小野めぐみさんに手元に残すべき物の基準や考え方が明確にわかる、「人生で一番素敵な片づけ」メソッドを教えてもらいましょう。

“自分の持ち物は、いつ誰に見られてもいいように”自分のためにも、家族のためにも、片づけを始めてみませんか?


※本記事は小野めぐみ著の書籍『人生で一番素敵な片づけ』から一部抜粋・編集しました


迷わない秘密――何をどこまで減らすのか「究極の基準」がある

人生で一番素敵な片づけの最大のポイントは、
「何を、どこまで減らせばいいのか?」
「何を取っておけばいいのか?」
誰もが迷って悩むその基準を、ハッキリ明確にしたことです。
「大切な物」だとか、「好きな物」といった基準だと、けっきょく、どれも比較できないくらい大切で、いっこうに山のような持ち物の数を減らすことができませんでした。
かといって、威勢よくいろいろと処分したあとで、日常生活がしにくくなったり、やっぱり捨てなければよかった……と後悔したりしても困ります。
私が一番悩んで、考えぬいて、いろいろ実践してみて、ついに満足するところまでたどり着いた「手元に残す物」の基準とは?
それは……ズバリ、

「生活必需品」と「棺(ひつぎ)に入れたいほどの物」だけ!

そう、日々使用する便利グッズや服などのほか、生活必需品ではないけれど、思い出のつまった品物は、「棺に入れたいかどうか?」を基準にすると、面白いほど、サクサク答えが出ることを発見したのです。
驚かないでほしいのですが、「棺」という表現は、「自分にとって本当に大切な物を見極めるための究極の基準」です。あくまでも基準であって、実際にあの自分の背丈ほどの小さな棺に入る量に減らしましょうと言っているわけではないので、ご安心ください。
そして、「棺に入れたいほどの物」が、実際には到底、棺に入らないほど大きい物――たとえば車だとか、超大量の自分の作品などであっても、なんの問題もないのです。
純粋に「棺に入れたいほどの物」という基準で残す物を選んでいただいて問題ありません。

「生活必需品」については、現代人の私たちがストレスなく生きていくには、布団乾燥機や調理器具など、それなりに便利な物や、災害時に備える防災グッズ、日々の心を潤してくれる絵画やオーディオ機器、釣り具といった趣味の道具なども必要です。
ですから、「生活必需品」だけでも、結構な量があるはずです。それでもここまで厳選しておけば、いざというときに慌てないですむのは間違いありません。

「選びぬく」というプラスのイメージを持つのが成功の秘訣

決断には、気持ちの持ちようも大きく影響します。
片づけに対して、持ち物を「処分するしかなく、泣く泣く手放す」といった引き算のイメージを持つのではなく、「本当に必要な物を選抜していく」という前向きなプラスのイメージを持つことが「人生で一番素敵な片づけ」の極意です。
つまり、「生活必需品」と「棺にまで入れたいほどの物」は、人生のゴールまであなたを支え続けてくれる、お気に入りの選抜メンバーになります。
これからの人生を大好きな選抜メンバーに囲まれて暮らしていくと思うと、楽しそうで安心ではありませんか?

「生活必需品」を見極める「究極の基準」

生活必需品って何?と迷ったとき、思い出してほしいのがこれです。
実家から独立したての人が、一人暮らしを始めるときに揃える物はなんでしょうか。
最低限の家具、家電、食器類、布団、衣服、靴、バッグ、タオル、文具、防災用品、趣味で使っている道具……くらいがあれば、十分暮らしていけますよね?

「頻繁に使う」「災害時に必要」。この原点に立ち返り、独立したてのスッキリとした部屋を想像してから、今の自分の身のまわりを見渡してみてください。いつのまにか最低限とはほど遠い、大量の物に囲まれていませんか?これから生きていくのは、「今」と「未来」。10年前の過去と現在では日常で使う物がずいぶん変わってきていて、もはや不要な物がたくさんあるはずです。子どもが巣立ったあと使わなくなった布団や家具、もう何年も使っていないスポーツ用品、何本ものハサミや電源コード……。それらの中から、これからも必ず使う物と量を選んでいきます。

「棺に入れたいほどの物」という「究極の基準」

生活必需品ではないけれど、人生のゴールまでずっと持っていたい物が、「棺に入れたいほど大切な物」です。長い人生の中で手にした思い出深い物、心の支えになったかけがえのない物を選抜します。
「大切かどうか」「好きか」といったゆるい基準で選んでいたら、膨大な量になってしまい、永遠に片づけは終わりません。だからこそ、究極の最終ジャッジの基準として最適なのが、自分の「棺に入れたいほど大切な物かどうか」なのです。

究極の最終ジャッジの基準「棺に入れたいほど大切な物かどうか」


「棺」は、量ではなく、大切度のバロメーター

「棺に入れたいほど」というのは、あくまでもたくさんの物を手放すかどうか、ふるいにかけるための基準です。現実的に棺に入りきるかどうかはいったん置いておき、この基準でジャッジするよう皆さんに試してもらうと、面白いほどサクサク選別できるようになると大好評です。
選ぶのは、一人ぼっちのあの世への旅路のおともとして、一緒ならば心強くて安心でき、天国まで持っていきたい!と思うほどの物です。

実は、長年、手放すかどうか悩みに悩んでいた物の中にさえ、漠然と手元においてある物が多くあります。「物は大切に」「思い出は大切に」という常識に縛られていたがゆえに、これまで持っていたという物が結構多いのです。
それは私が「棺にまで入れたい?」と自問自答し、選抜しているうちに、気がついたことです
たとえば「卒業アルバム」。以前、高校時代の卒業アルバムを手放したと友人が話すのを聞いて、「信じられない!ドライすぎるのでは?」と思いましたが、「棺に入れたいほど?」と問われたら、そこまでの感情はないのです。だって、大切と思いながら何十年も開いてないのですから。そして、私は「卒業アルバム」とお別れしました。
「棺に入れたいほどの物なのか?」と自問して、冷静に選びぬいていくと、真の「一生の宝物」が見えてきます。大切と思っていた物の山は、どんどん小さくなっていきます。

著=小野めぐみ/『人生で一番素敵な片づけ』(三笠書房)

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