どうでもいい嘘ばかりつく4歳娘。悪い嘘ではないけど、どう返すのが正解?【小川先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て   
どうでもいい嘘ばかりつく4歳娘。悪い嘘ではないけど、どう返すのが正解?

「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」子育ての悩みは尽きません。でもそのお悩みも、教育のプロの目を通すと、お子さんの個性や魅力を再発見するきっかけになるかも!?
教育家の小川大介先生が、子育てに関する悩みに対してアドバイス。回答文最後の「大丈夫!フレーズ」が、頑張っているあなたの心をスーッとラクにしてくれますよ。連載第117 回のお悩みはこちら。

【お悩み】

4歳の娘がしょっちゅう変な嘘をつきます。例えば、娘の保育園は遠くてバスで通っているため、近所に友達は住んでいないはずなのに、近所のスーパーに「〇〇ちゃんがいた」など、なんの意味があるのかよくわからないような見え透いた嘘です。人を傷つけるようなものではないのですが、そういった作り話が多く、私が保育園での様子を聞いても、明らかに嘘とわかるようなドラマチックな話をすることが多くあります。どう反応していいかわからず、たいてい「そんなわけないでしょ」と話を切り上げてしまうのですが、罪のない小さな嘘であればつき合ってあげたほうがいいのでしょうか?(Kさん・38歳)

【小川先生の回答】

作り話に乗っかって子どもの想像力や言葉の力を伸ばす


作り話するなんていいですね。「こんなことがあったら面白いのにな」と思うことを、自分に当てはめて言ってみることは、子どもにはよくあること。特に本好きな子などは、好きなシーンと同じようなことを自分も体験したいと思い、創作したストーリーの人物になりきることもあります。

ですから親としては、話に乗っかってあげるのが正解。そこからますます不思議な世界のディティールが展開される場合もあるし、逆に「そんなわけないじゃん」と話の腰を折られることもあるかもしれません。でもそれはどちらでも構わなくて、そんな話ができること自体、想像力はもちろん、言葉の力もある証であり、すばらしいことです。

ママといっぱい話したいがために作り話をするケースも


また、日常生活の中で話しのネタに困ったときに、創作でネタを作っておしゃべりすることも、子どもにはよくあること。それは「ママとしゃべりたい」という気持ちのひとつの表れでもあるので、やはり状況が許す限りは乗っかって一緒に遊んであげましょう。保育園での話題も、娘さんなりに何か引っ張り出そうとしているのかもしれませんよね。毎日何があったか聞いてあげること自体は続けてあげつつ、「作り話のときは種明かしもよろしくね」とそこまでセットにするといいと思います。

話し方に違和感がある場合は要注意


創作することはとても素敵なことだし、リアルと想像の垣根がわからなくなるなんてことはめったにないので、その辺は心配いりません。ただ、その想像の世界を語っているときの雰囲気にどこか必死さを感じたり、表情に力が入り過ぎていたりなど、親から見て何か違うなと感じられる場合は、注意が必要です。日常生活の何かに本人が重たさを感じているなどのシグナルである可能性もあるため、何か違和感を覚える場合は、ちょっと気にして見てあげたほうがいいでしょう。

高学年での作り話は自信のなさの表れの可能性も


また、娘さんはまだ4歳なので大丈夫ですが、同じようなことを中学生くらいになっても言っている場合は要注意。それは「毎日がドラマチックでありたい症候群」です。毎日すごいことが起きなきゃいけないと、どこかで思っている可能性が高いですね。今はSNSなどでキラキラした瞬間ばかり流れてくるため、「特別なことじゃないと話す価値がない」と思っている子も多いもの。実際は、SNSもなんとか寄せ集めたものをキラキラしてるように見せてるだけなのに、それを真に受けてしまい、「自分の日常を話しても価値がない」と思い込んでいるのです。話を盛ってしまうのは、自分自身への自信のなさの表れでもあります。なので、そういう子の場合は、平凡な楽しみでいいということを伝えて安心させてあげる必要があります。

娘さんにはまだその心配は全くないので、本人が楽しそうにしゃべっているようなら、それに乗っかって振り回されていて大丈夫。お母さんも一緒になって話を作ってしまうなど、存分に遊んであげてください。

小川先生からの「大丈夫!」フレーズ
『嘘をつけるのは成長の証。知的な創作遊びを楽しんで』
嘘をつくのも作り話をするのも、とても高度で知的な遊び。想像力や言葉の力が育まれている証拠なので、成長したなと思えばOK。創作遊びを一緒に楽しんであげれば、さらに伸びていくことが期待できます。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。

小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル公式LINEアカウントでも情報発信中。

文=酒詰明子

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