街の達人に聞く! 後悔しない「住む街」を選ぶための8つのキーワードとは?

#くらし   


一生に一度の買い物だからこそ、後悔したくない家探し。心地よい暮らしのためには、物件のスペックだけでなく「街との相性」が大切です。不動産市況分析の専門家である中山登志朗さんに、街選びのコツを解説してもらいました。

LIFULL HOME'S総合研究所の副所長とチーフアナリストを務める不動産市況分析の専門家・中山登志朗さん


「住みやすい街」の定義は二つあります。ひとつは「客観的で、数値化できる指標によるもの」。たとえば待機児童数や犯罪発生率、病院やコンビニ、スーパーマーケットの数などを見れば、生活利便性や安全性などを測ることができます。「公園が多い街は住みやすそう」「病院が多ければ安心」など、客観的な数字が良好なところは誰でも住み心地が良さそうだと感じられるでしょう。住みたい街を選ぶにあたって、こうした客観的な指標を目安にするのは悪いことではありません。

二つ目は「自分や家族と街との相性」です。これは数値ではなく、定性的なものです。多くの人は住宅そのもののスペックを重視しすぎているように思います。たとえば通勤時間などから住みたいエリアを見つけ、その中で自分でも買えそうなマンションを選ぶ。あとは「このマンションに住みたい」と、家そのものに惚れ込んでしまう方も多いようです。

その物件のスペックに魅せられて「人気のマンションだから」「すぐ決めないと売れてしまうから」などの理由で決める方もいらっしゃいますが、あまりに物件重視でイマジネーションを膨らませてしまうと、物件自体は魅力的でも駅までの距離が遠かったとか、実は意外に買い物が不便だとか、待機児童が多すぎて子どもを預けられないなど、予期せぬフラストレーションが溜まって後悔することもあります。

こうした選び方をしてしまう人たちは、物件のスペックに魅せられるあまり「その街が自分にとって本当に住み心地がいいか」ということの確認をし忘れているのです。だからこそ、住みやすい街の二つ目の定義である「街との相性」を、もっと重視していただきたいと思います。


家は買ってしまうと後戻りはできません。後悔しないためにも、購入前に街との相性もチェックしてみてください。街選びに役立つ項目を漢字一文字で示したものとして「職」「住」「遊」「医」「学」「食」「快」「安」という8つのキーワードがあります。

街選びの指標となる項目を漢字一文字で示した8つのキーワード


このうち、「職・住・遊」は基本のキーワード。生活環境の基本になるため、3つがバランスよく整っていないエリアには基本的に住まない方がいいでしょう。どれか一つ欠けてしまっても、極端に不便になります。

次に「医」。これは人によってはあまり重視しなくてもいい項目ですが、自分が必要とする医療環境が整っているかどうかは非常に重要です。

「学」は学校、お受験などの教育環境だけでなく、落ち着いた環境の図書館があるなど、その街に文教的な雰囲気があるかどうか。

「食」は飲食店の有無ではなく、地域の文化度を表します。たとえば大型スーパーマーケットが1店舗しかない街と、昔ながらの商店街がある街ではおのずと地域文化が違ってくるもので、その人の好みによって分かれてきます。

「快」は、自分と家族がその街で快適に暮らせるかどうかを、主観や直感で構いませんので判断してください。

最後の「安」は、近年注目が高まっている安全性です。ハザードマップだけでなく、地域の防犯面や交通事故のリスクなどを確認します。総合的に安全力の高い街を選びたいものです。

8つのキーワードを10点満点でそれぞれ評価し、八角形のレーダーチャートにしてみましょう。あるひとつの項目の点数は低くても、平均が7点あれば自分にとって住みやすい街である確率は高いですし、選択の基準がハッキリするでしょう。物件のスペックだけでなく、総合的に満足度の高い街が見えてきます。

住みたい場所の物件と周辺環境を、8つのキーワードから10点満点で評価できるレーダーチャート


なかやまとしあき●株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S総合研究所 副所長 兼 チーフアナリスト。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演も多数。

取材・文=北条かや

この記事に共感したら

Information

▼「後悔しない街選び 超データBOOK」発売記念番組「どうする?住む街選び 首都圏で人気の街はココ!」

▼本の詳細・ご購入はこちら▼
ウォーカームック『後悔しない街選び 超データBOOK』






▼大人気漫画を無料で試し読み!連載まとめ一覧▼

他の無料試し読み作品

▼「コミックエッセイ」Instagramはじめました!▼
インスタ


本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

LINEお友だち追加バナー

おすすめ読みもの(PR)