新生児のおむつの選び方とおすすめ商品を紹介!ベビーグッズのプロが新米パパママに解説
赤ちゃんが生まれるとすぐに必要となる新生児用おむつ。年々、素材や機能性が進化していて、赤ちゃんにとっては快適さ、ママにとっては使いやすさがアップしています。新生児はおしっこの回数が多くおむつをたくさん使うので、ついつい値段を基準に選びがちですが、本当はかぶれにくさやもれにくさといった機能面もチェックして購入したいもの。そこで、ベビーグッズコンシェルジュ(R)として長年活動している白石佳子さんに、新生児用のおむつを選ぶ際のポイントやおすすめ商品を教えていただきました。
▶︎教えてくれた人
白石佳子さん
ベビーグッズコンシェルジュ(R)
ベビーグッズの企画、開発、販売に携わること29年。ベビーグッズによる事故を減らすため、不安を抱えながら育児しているママをサポートするために活動中。お着替え簡単なオリジナルベビー服「バルーンオール(R)」は、キッズデザイン賞を受賞。
おむつの基礎知識
新生児用おむつはいつから準備するべき?
赤ちゃんが誕生してから約4週間と短い新生児期。どんなおむつを何枚くらい購入すればいいのか悩んでしまう方のために、白石さんにアドバイスをいただきました。
「出産前に新生児用おむつをたくさん購入しておく必要はありません。なぜなら、購入したサイズと実際の体重に相違があった場合、ロスが出てしまう可能性があるからです。また、最近はネットで購入してもすぐ届くため、出産後に家族に用意しておいてもらうくらいのタイミングで良いと思います」(白石さん)
気を付けたいのは、メーカーによってウエストや股上の深さなど、サイズ感が多少異なるところです。可能であれば、まず試供品で確認したり、お試しパックを購入してから使用するのがベター。以前は5㎏まで対応の新生児用おむつが主流でしたが、最近は3㎏より小さく生まれた赤ちゃん向けの紙おむつが複数出ているので選択肢が増えていて便利です。
1日の使用枚数や交換頻度はどのくらい?
新生児期のおむつを取り換える頻度は、おしっこやうんちが出たらすぐに行うのが理想です。そのため、新生児期が一番多い10~12回程度。3カ月頃は少し減り8~10回、6カ月頃なら8回くらいを目安に交換しましょう。
「寝ている赤ちゃんを起こしてまで取り換える必要はありません。起きたとき、外出の前、寝る前、赤ちゃんが泣いたときなど、行動の節目を目安にするのがおすすめです。肌がデリケートな赤ちゃんの場合は、こまめに取り替えたほうがむれやかぶれを予防できるので安心ですね」
新生児用のおむつのサイズはどう選ぶ?いつまで使える?
新生児が使うのは、テープタイプの紙おむつです。サイズは赤ちゃんの月齢ではなく体重を目安に選びましょう。商品のパッケージにも、たとえば「誕生~3kg」、「誕生~5kg」、「Sサイズ4~8㎏」、「Mサイズ6~11㎏」、「Lサイズ9~14㎏」、「ビッグサイズ12㎏~」といった表示があります。メーカーによって多少設定が異なるので購入する際は小さめだから「S」と表記だけで決めず、体重をきちんとチェックし、その子にあったものをはかせてあげるようにしましょう。
パンツタイプに切り替えるタイミングは?
個人差はありますが、ハイハイを始めるなど足の動きが活発となる5カ月ごろがパンツタイプへの移行を検討していい時期といえます。“たっち”ができるようになり、寝かせずにパンツの交換ができた方が楽だと感じはじめたときや、テープがずれてしまい何度も止め直すようになったり、テープの位置が体の外側になり始めたら、おなか部分が窮屈になっている証拠なのでパンツタイプへ切り替えましょう。
ウエストや太ももの内側にゴムの跡が残るようになった場合も、そろそろサイズアップのサインです。ただ、早めにサイズアップしてしまい、おむつのサイズが大きすぎるとおなかや背中、太もも部分に隙間ができておしっこやうんちが漏れることがあるので気を付けて。おむつをはかせた後、おなかに指1~2本入る隙間があるか、ギャザー部分がしっかりフィットしているかも確認しましょう。
紙おむつと布おむつの違いは?メリットとデメリットをあわせて紹介
紙おむつと布おむつでそれぞれどのようなメリット、デメリットがあるかを紹介します。
まずは紙おむつです。紙おむつを使うメリットは、コンパクトで軽く、携帯に便利な点です。使い捨てタイプのため、専用のごみ箱があれば外出先で捨てられ、おむつ替え後の後始末を簡単に済ませることが可能です。それだけではなく、布おむつと比較すると吸水性が高く、赤ちゃんの不快感を減らすことができます。
反対に、デメリットとして挙げられるのは、使い終わった後に臭いがあるので自宅でも外出先でも専用のごみ箱が必要になります。その上、おしっこやうんちをしても赤ちゃんがあまり不快に感じないことで、おむつ外れしにくい点などがあります。さらに、ブランドやサイズによって違いはあるものの、1枚あたり16~25円と費用がかさむ点も悩ましい部分ではないでしょうか。
次に布おむつです。布おむつを使うメリットは、おしっこやうんちが出ると赤ちゃんが不快に感じるため、おむつ外れが早くなる傾向があるといわれています。さらに、紙おむつとは異なり、洗うことで再利用することができて経済的です。
逆に布おむつのデメリットは、使用後も自宅に持ち帰る必要があり、外出時にもおむつ替えをした後に持ち帰らなくてはならないことです。取り替える頻度が高く、洗濯することが大変な上に、おしっこの場合は予洗いして洗濯機、うんちは予洗い後につけ置きするなど手間がかかります。
おむつ交換の時はここに注意!
おむつ替えで注意すべき点は、赤ちゃんの足の持ち方だと白石さんは言います。
「新しい紙おむつは、開いてお尻の下に敷き、着用しているおむつを開いてお尻の汚れを拭きます。きれいになったら両足をおなか側に倒してお尻を浮かせ、汚れたおむつを引き抜きます。
このおむつ交換の際に気を付けたいのが、赤ちゃんの足の持ち方。足首を持ってお尻を上げようとすると、股関節を脱臼する恐れがあるので、足を優しくクロスさせてまとめて持ち、引っ張らずに腰からそっと持ちあげるようにしましょう」
また、汚れを拭いてあげる時にも注意が必要です。
男の子ならおちんちんや陰嚢(いんのう)の表・裏・両わき、肛門、お尻全体を拭きます。特に汚れがたまりやすい、しわや陰嚢のひだの間は丁寧に。女の子なら、外陰部は前から後ろに拭きます。後ろから前に拭いてしまうと、尿道口から細菌が入りやすくなるので気を付けましょう。
新生児用おむつを選ぶときのポイント
数ある商品から新生児用紙おむつを選ぶときに、最初は何を重要視して選べばいいのか分からないものです。そこで、おむつ選びのポイントを白石さんに教えていただきました。実際に使用しているママたちの声で多かった不満は、「漏れてしまい洋服が汚れた」「おむつかぶれができた」「扱いが面倒」「価格が高い」です。これらの問題をクリアできるおむつがおすすめです。
おむつかぶれを防止できる素材を選ぶ
生まれたばかりの赤ちゃんのお尻はとてもデリケート。新生児の皮膚は、大人の約半分の薄さになります。そのため、おしっこやうんちの成分で赤くなってしまったり、汗でむれるとおむつかぶれが起こりやすくなることも。紙おむつで擦れてしまい、皮膚トラブルを引き起こすこともあります。
「おむつは湿気をため込まない、通気性のよいものを選んでください。さらに、お尻をさらさらに保つために、水分が戻らず速乾性に優れ、摩擦で刺激を与えない肌触りがいい素材がベスト。なお、きつすぎるゴムやギャザーによって、おなかや太ももにかぶれができる場合もあるので注意してください。
肌がデリケートな赤ちゃんにおすすめなのは、肌に当たる部分にオーガニックコットンが使われていたり、植物オイルが配合されていたり、無添加素材を採用しているもの。最近は各社から肌に優しいプレミアムラインの紙おむつが発売されているので、肌が弱い赤ちゃんにはそれらを選ぶといいですね」
もしおへそがジクジクしている時は、その部分にガーゼを当ててから紙おむつをはかせましょう。おへそを圧迫しないように紙おむつを折り返してもいいですが、心配な場合は医師に相談するのがおすすめです。
漏れを防止するためにギャザーの性能を確認する
おしっこやうんちが漏れてしまうと、掃除や洗濯の手間が増えてしまいます。そのため、おしっこやうんちをせき止める足回りのギャザーの性能はとても大事と白石さんは言います。
「漏れは太ももと背中側から起こります。股上が深い形状で、ウエストや太もも回りのギャザーに伸縮性があるものは漏れにくいと覚えておきましょう。背中部分に漏れ防止機能がついているものは漏れ対策におすすめ。足回りのギャザーは太もも部分の2つのギャザーの内側の方で、おしっこやうんちをせき止めて、外に漏れ出るのを防いでくれるものなので、高さがあるかどうかも重要。また、おむつを替えた後に、きちんと外側に立てておくことも大切です」
2種類の紙おむつから赤ちゃんの体型に合ったものを選ぶ
赤ちゃんの紙おむつは、テープタイプとパンツタイプの2種類があります。
前述のとおり、テープタイプは「はいはい」や「たっち」で動きが活発になる頃まで使用できます。基本的な構造はどのメーカーの商品も近しいですが、商品ごとに股上の深さや足回りのサイズ感が異なるので、赤ちゃんの体型にぴったりだと思うものを見つけましょう。
パンツタイプの使用を開始する目安は5カ月頃といわれていますが、赤ちゃんの体型に合わせて選ぶようにしましょう。
「使いやすさも紙おむつ選びのポイントです。素材感や漏れ防止などの機能のほかにも、暗いところでおむつを替えるときに前後ろが分かりやすいもの、テープに色がついていて見つけやすいもの、着脱がしやすいもの、おしっこサインが見やすいもの、コンパクト性があるかどうかもチェックできるといいですね」
紙おむつを購入した際にかかる1カ月あたりの値段(枚数)
新生児用おむつは1枚あたり約16~25円のため、30日間毎日12枚ずつ使用することを仮定すると、費用は5,760円~9,000円ほどかかります。なかでも、パンツタイプは若干値が張るため、Amazonや楽天のセール、量販店でまとめ買いするとお得に入手できます。毎日たくさん使うものなので、赤ちゃんにあったものかどうかを確認するとともに、コストも把握しておきましょう。
「パンツタイプへの切り替え時期が近づいてきたら、まとめ買いをして余らせないように気を付けましょう」
紙おむつ(テープタイプ)のおすすめ商品
パンパース(R)のはじめての肌へのいちばん
多くの病産院で選ばれているので、退院後も継続して使うママたちが多い商品です。肌への優しさにこだわったプレミアムラインで、柔らかな素材を使ったシルキーソフトシートを採用。赤ちゃんの繊細な肌のことを考え、香料、パラベン、ラテックスを配合していません。直接肌に当たるトップシートには、シアバター入りローションを配合。1万個もの通気孔でむれを防いでくれるので、気温の高い日も赤ちゃんが快適に過ごしてくれそう。独自の「3D穴あきメッシュシート」は、ゆるゆるうんちも吸収してくれて、漏れをガードしてくれます。
「サイズは大きめなものの、薄くておむつ自体がとても柔らかいのが特徴です。実際に使ったママの声としては『テープがブルーで見やすい』『ムーニーやメリーズと比べると吸水にやや時間がかかりましたが、表面はサラサラでした』『北欧風のデザインが素敵』などがあり、高評価でした」
ムーニーナチュラル
ムーニーシリーズのプレミアムライン。世界最高水準の安心を保証する「エコテックス(R)スタンダード100」(有害な物質を含まず、人や未来に優しい世界最高水準の安全な繊維製品のしるし)を取得しているのが一番の特徴。とくに素材にこだわっており、表面シートは有害物質を含まない無添加素材使用、石油由来油剤・香料・ラテックス・合成着色料が無添加です。また、肌が触れる内側表面シートにオーガニックコットンを配合し、表面シートに保湿・抗炎症効果のある3種の天然植物オイル(オリーブオイル・ホホバオイル・ライスオイル)を配合しています。もちろんアレルギーテストも実施済み。凸凹構造の吸収ゾーンが緩いうんちをしっかりキャッチしてくれて、脚周りのギャザーが深めなので漏れにくいのも魅力。最大12時間吸収し、「さらさら前面通気シート」が採用されているのでむれを防いでくれます。
「クオリティの高さがママたちに好評。控えめでおしゃれなデザインが大人好み』『背中からテープのつけ根までと足回りに施された細かくて柔らかいギャザーがいい』『背中だけでなくおなかにもギャザーがあるのでウエストにピッタリフィットする』というコメントが。一方、『厚みがあり大きいのでコンパクト性には欠けます』という感想もありました」
ムーニー
プレミアムラインと違って、こちらは安いのが魅力。「勝手にフィットギャザー」という太もも周りのギャザーがしっかり立つので、手直ししなくても漏れに対応してくれる構造です。また、背中部分がぴったりとフィットするため、ゆるゆるうんちが漏れて背中や服が汚れることがない設計になっています。シートに保湿効果のあるオリーブオイルを配合しているので肌に優しく、アレルギーテストも実施済。ナチュラルムーニーと同様に「エコテックス(R)スタンダード100」の認証を取得しています。
メリーズ ファーストプレミアム
メリーズのプレミアム路線。従来のメリーズと比較すると、空気量を倍以上アップして、繊維の細い素材を採用することで柔らかな肌触りを実現。肌に触れるシートには、天然植物成分のアルガンオイルが使われています。むれないように通気性の高い素材を使い、凹凸のあるシートが緩いうんちもしっかりキャッチしてくれるので、赤ちゃんの肌にうんちが付きにくいのもポイント。「エコテックス(R)スタンダード100」を取得。もちろん長時間吸収や、漏れを防いでくれるギャザーや、交換時がすぐに分かるおしっこサインもあるから安心。テープは角が丸く、何度でも貼り直せるのが魅力です。また、2021年には日本国内品においてメリーズ史上最高品質となるパンツタイプのプレミアム紙おむつも発売されているので、パンツタイプに移行する際はご検討してみてはいかがでしょうか。
「ママたちから人気の商品です。『吸水性もよく、内側のダイヤ型の凸凹によって吸水後も肌におしっこやうんちがくっ付かず、サラッとしている』『背中も足回りも広い範囲で伸縮性のギャザーがあるので、漏れ防止も安心』『暗いところでも前後ろの判別がしやすいデザインがうれしい』などの意見があがっています」
メリーズ 素肌さらさらエアスルー
シート面から吸収層まで3層エア通気構造によって、通気性がよくむれないことが特徴。 吸収力もあるので、長時間でも安心です。内側のシートは、大きめの凹凸を付けたクッション性のある素材なので、赤ちゃんに優しい柔らかさ。外側は小さな凹凸を付けることで、漏れを手前でキャッチしてくれます。ウエストギャザーにより着脱がスムーズなことや、緑色のテープが夜中でも見えやすいのもうれしいですね。
「ママたちからも『テープは何度でも貼り直せるのがいい』『濡れてもサラッとしている』 『うんちもおしっこ漏れもない』『比較的価格が安くていい』という声が届いています」
グーンプラス敏感肌設計
エリエールの贅沢保湿ティッシュと同じ保湿成分を配合しているので、滑らかな肌触り。肌のこすれ負担をぐっと減らしました。穴あき吸収シートがゆるゆるうんちをすばやく吸い込み、うんちのはり付きも軽減します。おむつの替えどきが分かりやすい、おしっこお知らせラインつき。全6種類のディズニーデザインで、おむつ替えが楽しくなりそう。(編集部)
ベビーグッズコンシェルジュ(R)白石さんからのアドバイス
メーカーごとに魅力が詰まった新生児用おむつについて、ベビーグッズコンシェルジュからのアドバイスや、ママたちのコメントをご紹介しましたが、使ってみようと思った商品はありましたか?
「素材が赤ちゃんの肌に合うか、サイズが体型に合うか、通気性の高さや漏れにくさなど、チェックしておきたいポイントがたくさんありますが、まずは焦らず少量パックから試してみるのもおすすめです。メーカーによっては、公式HPから試供品の応募ができたり、購入ごとにポイントを貯められるところもあるので、赤ちゃんにあった最適なおむつを見つけましょう」
取材・文=シキタリエ
Information
ベビーグッズの企画、開発、販売に携わること29年。ベビーグッズによる事故を減らすため、不安を抱えながら育児しているママをサポートするために活動中。お着替え簡単なオリジナルベビー服「バルーンオール(R)」は、キッズデザイン賞を受賞。
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