【レタスクラブ編集長が聞く!】 電力不足、電気代の高騰…電気に関する「今」を教えて!

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雑誌レタスクラブの前田編集長が、電気に関するさまざまな疑問をエネルギーの専門家に聞きました

特に最近値上がりを実感するのが電気代。
雑誌レタスクラブの前田編集長が生活者代表として、その仕組みについて専門家に聞きました。

一般財団法人日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット 国際情勢分析第1グループ 主任研究員/下郡けいさん

一般財団法人日本エネルギー経済研究所
戦略研究ユニット
国際情勢分析第1グループ 主任研究員
下郡けいさん
2012年に東京大学公共政策大学院国際公共政策コース修了。同年日本エネルギー経済研究所に入所し、2018年から現職。専門分野はエネルギー政策(欧州地域)、原子力政策。

雑誌「レタスクラブ」編集長/前田雅子

雑誌「レタスクラブ」編集長
前田雅子
生活情報ジャンルの編集歴20年。2019年8月レタスクラブ編集長に就任。プライベートでは4歳男児の母。生活情報誌の編集者、リアル主婦、2つの視点を生かした誌面づくりをモットーとする。特技は手間なし料理。

Q:夏にも電力が足りないといわれていましたが、今は大丈夫? A:今は足りていますが、今後、安心できません

前田:ことしの春や夏に電力が不足した時期がありましたが、今は足りているんでしょうか?
下郡:電力需要が最も増えるピーク時に対して、どのくらい供給力に余裕があるかを示す数値を「予備率」といいますが、安定供給のためには予備率が最低限3%必要とされています。
今(2022年10月13日時点)は、東京エリアでは予備率が10%以上あり、足りている状態です。しかし、ことしの冬は4%台になると予測されていて、余裕があるとはいえない状況です。

 Q:どうして、電力が足りなくなるのですか? A:自然災害や異常気象の影響がありました

前田:電力が足りなくなるのは、何が原因なのでしょうか?
下郡:ことしの3月の電力不足の原因は、東北地方で起きた地震の影響で火力発電所が損傷したことや、天候が崩れて太陽光発電が充分に活躍できなかったことがありました。
6月は、急に暑くなって一斉にエアコンの使用量が急上昇したことや、火力発電所の補修時期が重なったことなどが原因でした。
前田:確かに、本格的な夏を迎える前に真夏日が続きましたね。

 Q:電力不足を解消する方法はありますか? A:発電設備の活用と節電を心がけること

前田:そのような電力不足を解消する方法はあるんですか?
下郡:国内の発電できる設備をうまく使って電力の供給力を充分に確保することと、電力を使う側も節電を心がけること、この2つが主な解消方法になります。

 Q:この先も電気代が上がっていく可能性は高い? A:天然ガスや石油の高騰が一因です

前田:電気代はこれからも上がり続けるのでしょうか?
下郡:どこまで上がり続けるのかは予測不能です(◇ポイント1 参照)。
日本は、原子力発電の停止などにより、今、火力発電の割合が高くなっていて(◇ポイント2 参照)、その燃料はほとんど海外から輸入しています。
天然ガスや石油の価格がウクライナ危機の影響で高騰していることが、電気代の上昇の一因になっています。

◆ポイント1 電気代は上昇傾向に

~電気料金平均単価の推移~
電気料金は、2021年5月~2022年5月の1年間で、家庭用は約20%、産業用は約30%上昇した。

ポイント1 電気代は上昇傾向に

出典:電力取引報等を基に作成。※消費税、再エネ賦課金を含む。電灯(家庭向け)は低圧電灯、電力(産業向け)は特別高圧・高圧・低圧電力とする。

◆ポイント2 火力電力の比率が高まっている

~発電の組み合わせの変化~
2011年の福島県の原子力発電所事故のあと、それまで原子力発電でつくられていた分を火力発電でつくる必要があり、火力の割合が上昇した。

ポイント2 火力電力の比率が高まっている

出典:経済産業省資源エネルギー庁発行「マンガでわかる電気はあってあたりまえ?」。

前田:火力発電の割合を下げれば、電気代の高騰を防げますか?
下郡:二酸化炭素の排出量削減を考慮して、火力発電の割合は下げていく方向になりますが、火力発電、再生可能エネルギー、原子力発電と、どの電源にもメリットとデメリットがあります。
また国が打ち出しているのが、エネルギー政策の基本方針「S +3E」(◇ポイント3 参照)で、安全性を重視したうえで、安定供給でき、電気代が抑えられ、環境にも配慮して発電を進めていくというものです。
そのためにも、どれか1つに頼るのではなく、バランスを取りつつ電源の選択をしていく必要があります◇ポイント4 参照)。

◆ポイント3 政府のエネルギー政策の基本方針「S+3E」

安心して電気のある生活を送るためには、安全に電気をつくること(S)を前提に、安定して電気をつくり、電気料金を抑え、環境に優しい3つのEを考慮する必要がある。

ポイント3 政府のエネルギー政策の基本方針「S+3E」

出典:経済産業省資源エネルギー庁のホームページ、資料。

◆ポイント4 今後の発電の組み合わせの目標

2030年度の目標では、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーや安定的に電力を供給できる原子力の割合を増やし、火力発電の割合を減らすことを目指している。

ポイント4 今後の発電の組み合わせの目標

出典:経済産業省資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2020年確報値、2030年度におけるエネルギー需給の見通し。
※再生可能エネルギー:水力、太陽光、風力、バイオマス、地熱。四捨五入の関係で、合計が100%にならない場合がある。


 Q:私たちにできることはどんなこと ?A:節電を心がけ、家の断熱性を上げる

電気が使えるのは、あたりまえじゃないんですね

前田:お話を伺って、さまざまなことに配慮されて電力が生み出されていることが分かりました。私たちは日頃からどんなことに取り組めばいいのでしょうか?
下郡日常生活の中で節電を心がけていただくことです。
例えば、冬にアコンの設定温度を1℃下げると、年間で消費電力53.08kWhの省エネ、約1,650円の節約になります(※)。
また、熱が逃げやすい窓に、ホームセンターなどで購入できる断熱シートを貼る、リフォームで内窓を設置するなどは、お部屋の断熱効果が高まりおすすめです。
前田:電気が不足しないように、そして、電気代を抑えるためにも、私たち一人一人がエネルギーのことを気にかけ、できることに取り組んでいかないといけませんね。
※外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)。

撮影/林 ひろし 編集協力/生島典子
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Information

お問い合わせ:電気事業連合会 
03-5221-1440(月~金曜 9時~17時40分 年末年始〈12月29日~1月3日〉、祝日は除く)

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