うちには進学するお金がない。早く就職して毒親におびえる日々から抜け出したい／親ガチャにハズれたけど普通に生きてます（3）

美しい母は理不尽に暴力を振るう毒親。母の再婚でできた義父もまた、突然暴力を振るう人で…。

小学生のころに両親が離婚し、新しいお父さんが来て以来、母の暴力がひどくなったというマンガ家の上村秀子さん。いつ怒り出すかわからない母におびえ、「親ガチャにハズれた」と思って生きてきました。

家でも学校でも、そして就職先でも怒られ続け人生のどん底を味わいますが、やがて「普通」の暮らしを手に入れることができた上村さん。自分の味方ではない両親の元、社会人になるまでどんな人生を歩んできたのか。かすかな希望と諦めが交錯する静かな戦いの日々を見ていきましょう。

※本記事は上村秀子著の書籍『親ガチャにハズれたけど普通に生きてます』から一部抜粋・編集しました。

父の浮気が原因で離婚した両親。新しいお父さんは、母が働く小さな会社の同僚でした。母の幸せを思って受け入れた姉妹でしたが、それ以来母の暴力はひどくなり、義父は止めるどころか子どもに謝罪を要求するような人で…。子ども心に、「この人は美しい母と結婚したのであって、私たちの親になったわけではない」と悟るのでした。

奨学金をもらっている姉に「誰のおかげで大学に行けているのか」と怒鳴り散らす親、打ち明けにくい事情をしつこく問いただす教師。進学「したくない」のではなく「できる状況ではない」と苦しむ秀子さんを思うと、こうした言動はただ追い詰めるだけなのだと感じます。

著＝上村秀子／『親ガチャにハズれたけど普通に生きてます』