Twitterで8.7万いいね!不器用でお人好しの会社員が迷い込んだ、あまりにも天国すぎる不思議な世界

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『スパあんこうの胃袋』より

「このスパに行きたい…!」「こんな風に癒やされたい」「いい話!」とTwitterで話題になり、8.7万の「いいね」を集めたマンガ作品をご存知ですか?

イラストレーター・漫画家のあきばさやか(@akiba_sayaka)さんがTwitterに投稿した『スパあんこうの胃袋』は、ちょっとお疲れ気味の会社員女性が不思議な世界に迷い込む物語です。

『スパあんこうの胃袋』より

自分の仕事を後回しにして後輩社員の仕事を手伝ったり、街でコートの紐を引きずってる人をみかけて自分の買い物を諦めて声をかけたり。お人好しすぎてちょっと不器用な主人公は、その夜突然、夜道で巨大なアンコウに飲み込まれてしまいます。

『スパあんこうの胃袋』より

死後の世界に迷い込んだと思いますが、そこにあったのは「こんなのがあったらいいな」が詰め込まれた夢のようなスパ施設。温泉やエステだけでなく、「世界各国の料理がなんでもあるビュッフェ」「読みたかった本がなんでも見つかる本棚」「新旧ゲームソフトがなんでもあるコーナー」「SNSで話題のスイーツ、過去の期間限定アイスやドリンクが全部あるドリンクコーナー」など、あまりにも具体的すぎる癒やしアイテムがずらり!

『スパあんこうの胃袋』より

他にもこの世界にやってきたのは、街で見知らぬ人に手助けをした人ばかり。どうやら善行で徳を積んだ人を癒やしてくれる施設のようです。夢のようなスパを満喫した後、やがて自宅で目を覚まします。何かいい夢を見たような気持ちだけは残っているものの、スパのことは覚えていません。ただ、その指先には、スパで施術してもらったきれいなネイルが光っているのでした…。

「癒やされた…!」「心に染みました」「素敵なお話!」など、たくさんの反響を呼んだこのエピソードは書籍化もされ、さらに多くの読者に読まれています。著者のあきばさやかさんにお話を伺いました!

親切にしてくれた人々に感謝を込めて


『スパあんこうの胃袋』より

──このエピソードを書こうと思ったきっかけを教えて下さい。

あきばさやかさん:私はよくリュックが全開だったりして、親切な人に声をかけていただいたりすることが多く、特に妊娠中、子どもが生まれてからは、より人の善意に救われることがありました。いじわるな人にも遭遇しましたが…。
そんな親切にしてくれた人たちみんな、ここに行って欲しい〜〜と思って描きました。「こんなのあったら最高〜〜」と想像しながら書いたので、一つ一つ考えるのが楽しかったです。

また、息子がお魚図鑑にハマっていて、よく一緒に読んでいました。
そんなときに、「チョウチンアンコウのチョウチンの部分(擬餌状体)に、私みたいなおっちょこちょいがくっついていたら、アンコウが光で餌を集めるように、優しい人だけを集めることができるんじゃないか、そして集めた優しい人たちに、すごくいい思いをしてもらえたら最高だな…」と妄想を広げて行って、『スパあんこうの胃袋』の第一話が出来上がりました。

『スパあんこうの胃袋』より

──お人好しの主人公が迷い込んだ不思議な世界は、温泉やスパの他にもマンガやスイーツのコーナーもあって主人公の言う通り「思ってたより具体的に天国」です。まさに具体的な癒やし効果が想像できるものばかりの施設ですが、あきばさんのやりたいことが詰まっているのでしょうか? こだわった箇所やお気に入りのコーナーがあれば教えて下さい。

あきばさやかさん:はい!私がやりたいことをぎゅっと詰め込みました。過去の期間限定ドリンクが飲めるところとか、消したい過去の記憶を忘れられるコーナーはぜひ行きたいです(笑)

──8.7万いいねという反響は予想していましたか? また、どのような感想が多かったでしょうか、印象に残っているコメントや感想があれば教えて下さい。

あきばさやかさん:まっっったく予想していませんでした。
いつも絵日記を読んでくれるフォロワーさんが息抜きに読んでくれたらいいな〜ぐらいに思っていたので、本当に驚いて、数日は心臓がドキドキしていました。
「泣いた」という感想が意外と多かったのが意外で、それも驚きました。

『スパあんこうの胃袋』より

   *    *    *

あきばさんのTwitterの投稿には、読者から「このスパに行きたい」などのコメントの他にも、「私に親切にしてくれた人もここに行けますように」という祈りをこめたコメントがたくさんありました。他人に親切にする気持ちと、その親切への感謝が広がって、優しい世界になるといいですね。

取材・文=レタスユキ

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