「紙」の誕生は紀元前!?世界最古の紙って何でできてるの?/人類なら知っておきたい 地球の雑学(92)

紀元前の紙ってなにでできてるの?

知ってる?地球と太陽の誕生のひみつ。そもそも宇宙のチリだった⁉
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』92話【全152話】


あらためて考えると、この地球(ほし)にまつわるさまざまなことは「知っているようで知らない」ことが多いのではないでしょうか…。
太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をお届けします。
思わず誰かに話したくなる理系ウンチクは、職場や家庭での日々の雑談に役立つかもしれません!

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


「紙」の誕生は紀元前!? 紀元前の紙ってなにでできてるの?


「紙(paper)」の語源として知られる「パピルス」は、紀元前3000年代から、古代エジプト文明において書写材料として使われてきた。

しかし、現代の我々が使っている「紙」とは、水中でばらばらにした植物などの繊維を、薄く平らに伸ばして乾かしたもののことをいう。そのため、カヤツリグサ科の水草の茎をそのまま並べたパピルスは、厳密には紙とはいえない。

では、紙の「元祖」はどこで誕生したのだろうか。それは、紀元前の中国である。現在、発見されている最古の「紙」は、中国甘粛(かんしゅく)省天水(てんすい)市の古墓で発掘された、地図の描かれた麻の紙だ。前漢の文帝(ぶんてい)・景帝(けいてい)《在位:紀元前180~141年》時代のものと推定されており、「放馬灘紙(ほうばたんし)」と呼ばれている。

中国の歴史書『後漢書(ごかんじょ)』によると、蔡倫(さいりん)という役人が、西暦105年に後漢の皇帝であった和帝(わてい)に「紙」を献上したと記されていることから、これまでは蔡倫が紙の発明者とされてきた。しかし、1986年に放馬灘紙が発掘されたことで、実際には紀元前に紙が誕生していたことが判明した。

ただし、蔡倫が献上した「蔡侯紙(さいこうし)」の材料は、麻布、麻のぼろ、樹皮、漁網と記されており、紙をつくるプロセスは現在の紙の製造法とほとんど変わらない。そのため最近では、蔡倫は紙の製造法を確立した功労者であったと考えられている。

その後、紙の材料や製造法は改良を重ねられ、次第に世界中へと広まっていく。ちなみに、日本に紙の製法が伝わったのは7世紀初めとされているが、地中海を経由してヨーロッパに伝わったのは12世紀頃とされている。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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