大反響!優しい世界観が魅力のマンガ『自分ミュージアムへようこそ』著者インタビュー

『自分ミュージアムへようこそ』より

自分の心の中を覗くことができたら…。そんな風に考えたことはありませんか?

そんな夢のような願望を具現化したのが、あきばさやかさんが描くファンタジーコミック『自分ミュージアムへようこそ』です。超話題作『スパあんこうの胃袋』に続く、創作コミック第2弾となる本作。前作と同様、心あたたまる優しい世界観が魅力。レタスクラブでの連載で大反響だった第1話について、あきばさやかさんにお聞きしました!

まずは『自分ミュージアムへようこそ』のあらすじをご紹介しましょう。

【漫画を読む】『自分ミュージアムへようこそ』を最初から読む

定年退職を迎えてすぐ、妻が家出!?


43年間勤めた会社を定年退職する

本当〜にお疲れ様!

43年間勤め上げた会社を定年退職した片原高雄・65歳。常務取締役として、大勢の部下から盛大な退職祝いを受けて帰宅すると、妻のマサヨが「本当〜にお疲れ様!」と笑顔で出迎えてくれます。

よくやった!という自負から酔いがよく回り…

長年の企業人人生を終えた自負から、上機嫌でお酒がすすむ高雄。そんな中、調子にのってマサヨに「お前が家で菓子食べてゴロゴロしている間、必死に働いたかいがあった」と冗談を言ってしまいます。それを聞いた妻のマサヨは家を出ていき、娘からも「お父さん、本当にありえない!お母さんかわいそう〜!」のメッセージが…。

探さないでください

このチケットはなんだ?

朝食もまともに準備できずあたふたする高雄のもとに届いたのは、「自分ミュージアム」と書かれたチケット。その夜、夢の中で「人の心を映す」という不思議なミュージアムに招かれた高雄が見たものとは…?

第1話の高雄をはじめ、本作では年齢も、境遇も、悩みも異なる7人の男女が登場。自分のこれまでの人生や思い出、さらには自分でも気づかなかった気持ちが展示されているという「自分ミュージアム」。そこで7人は、何を見て、何を得るのでしょうか。著者のあきばさやかさんにお話を伺っていきます。


写真に残らない日々のお弁当を並べてみたら…


――第1話は、連載時にも特に多くの方に読まれたエピソードです。妻の作ったお弁当の数を「8792個」という数字にすると、その頑張りが可視化されて、よりダイレクトに伝わるのがすごいと思いました。このエピソードが生まれたきっかけを教えてください。

あきばさやかさん:日々の積み重ねを一覧表示するコーナーは一度登場させたいなと考えていて、1番インパクトがあるのがお弁当じゃないかなと思ったんです。私も子どもの頃は、母が毎日作ってくれていました。あの時はそのありがたみにそこまで気づけていなかったのですが、自分が作る立場になって「これはすっごく大変だぞ」と気づきました(笑)。

なんとマサヨが作ったお弁当の数は8792個!

毎日ちょっとずつおかずを変えたり、ふりかけを変えてみたり…。そして、単純に早起きも大変だし…!そういう写真に残すまででもない日々のお弁当を、ぜーんぶ並べたらどうなるかな、と思ったんです。

――個人的に、不器用さが感じられる夫・孝雄の謝り方に癒されました。お弁当の海苔のメッセージで謝罪の気持ちを伝えていましたが、こんな方法で謝られたら思わずしょうがないと許してしまいますよね! とても素敵な展開ですが、どのように思いついたのでしょうか?

あきばさやかさん:大変さを一番理解できるのは、やっぱり自分もやってみることだと思います。口だけで謝罪の言葉を並べられたり、ご機嫌取りのケーキとかをもらったりするより(笑)。「私だったらこう謝られたら許しちゃうだろうなぁ」と思って描きました!

ゴメ?



1年以上描き続けて、やっと公開できた第1話!

展示されているのは、あなたの「心」です

――物語の世界観を伝える、重要な第1話。ストーリーを考える上で大切にしたことは何ですか?

あきばさやかさん:「自分ミュージアム」がどういうものかすんなりわかってもらえることと、「お説教くさくならない」ようにすることは気をつけました。あくまで学芸員は軽く背中を押すだけで、展示を見て自分で気づいてもらうお話にしたいなと。

迎えにいかないと!


――読者の方々からは、どんな反響がありましたか?印象に残っているコメントがあれば教えて下さい。また、読者の声を聞いたお気持ちを教えてください。

あきばさやかさん:「気持ちはやっぱり言葉にしないと伝わらないと感じた」「人っていいな、捨てたもんじゃないなと思った」とかは、とても嬉しかったです。1年以上公表せずにもくもくと描き続けていていたので、第1話の公開日は「ついにフォロワーさんや読者さんに見てもらえる〜!」と嬉しさ半分、怖さ半分…という心境でした。結果的に好意的なコメントが多く、閲覧数も多かったと編集部の方に聞いてすごくほっとしたのを覚えています。

――読むときに注目してほしいポイントはありますか?あれば教えてください。

あきばさやかさん:お弁当展示は描くのがとっても大変だったので、ぜひ見てください!笑

壁一面にびっしりあるものの正体とは!?


   *      *      *

毎日当たり前のようにお弁当が用意されているのは、当たり前のことではありません。「自分ミュージアム」でそのことに気づいた高雄が、どのようにマサヨに感謝と謝罪を伝えるのか…?不器用さが感じられる行動に、思わずほっこりします。
落ち込んだとき、イライラしたとき、癒されたいとき…などなど、何度でも読み返したくなるストーリーですよ。
また、あきばさやかさんが描ききった膨大な数のお弁当にも注目です!!

取材・文=松田支信

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