白目をむきながら家事と育児に追われる心理カウンセラー・白目みさえさんがマンガ家になるまで

#育児・子育て   
 『子育てしたら白目になりました』より

日中は精神科で心理カウンセラーとして働き、家に帰れば年子の母として家事と育児に追われながらも、マンガ家として連載を抱える白目みさえさん。インパクトのある白目キャラで家事育児の奮闘記を発信し、現在、Instagram(@misae_mon)のフォロワーは8.8万人!

子どもに何度も同じことを伝えてへとへとになったり、近所の人から「最近のお母さんは…」と言われてモヤモヤしたり、職場でつい自分のことを「ママ」と言ってしまったり、家族が麦茶をほんの少~しだけ冷蔵庫に残したままで…など、育児や家事をしていると誰もが直面するような「あるある」エピソードをユニークな視点で綴り、多くの人の共感と笑いを集めています。
著書「子育てしたら白目になりました」も評判の白目さんが、マンガ家になるまでの経緯と、現在どんな日常を過ごされているのか、お話を伺いました!

『子育てしたら白目になりました』より


ペンネームの由来はインスタに寄せられたコメントから


──マンガを描き始めたのはいつ頃ですか?

白目みさえさん:小学生の頃からひっそりと漫画家に憧れていたのでコソコソ描いてはいましたが、本格的に描き始めたのはInstagramにカルタを投稿するようになってからです。最初は四コマ漫画から、徐々にストーリーに移行しました。

──マンガを描くことで日常にどんな変化がありましたか?

白目みさえさん:普段仕事をしているので作業時間は夜にしか確保できず…これまでなら子どもと寝落ちしていたのですが、子どもが寝てから漫画を描く、という生活になりました。

『子育てしたら白目になりました』より

──インスタやブログに漫画を投稿するようになったきっかけを教えて下さい。

白目みさえさん:産休中の同僚に少しでも笑って欲しくて、うちであった面白い出来事を紙に描き、写真を撮って送りつけていました。しばらくしてその同僚に「Instagramで漫画を描いている人がいるよ」と教えてもらい、そこから投稿を始めました。

──インスタを拝見したのですが、2019年秋ごろから自画像が「白目」になりましたね。自画像を「白目」キャラにした理由を教えて下さい。また「白目」になる前と後で、読者のコメントや反響に何か変化はありましたか?

白目みさえさん:最初は「育児や家事の大変な場面を見ている母の哀愁ただよう背中」のみを描いていました。(顔を描くのが面倒だったという理由もあるのですが…)ただ昔から「ガラスの仮面」が大好きで、『ガーン』という表情はよく描いていて。同じように大変な場面でも『哀愁』ではなく『ガーン!』の要素が強い場面で初めて白目を登場させたと思います。そこから何度か白目を描いていたら、コメント欄で「白目さんは…」と呼んでくださる方がいて。『ああ…私白目さんなんだ…』と思い、このキャラが出来上がりました。


昼間は心理カウンセラー、夜はマンガ家


『子育てしたら白目になりました』より

──本職は心理カウンセラーということで、日中は精神科で働かれているそうですが、具体的にはどんなお仕事をされているのでしょうか。

白目みさえさん:基本的には患者様へのカウンセリングや心理検査がメインです。お悩みの内容や深さは人それぞれ違いますので具体例をあげることは難しいですが、心の悩みを抱えた人が少しでも軽やかな気持ちで日々の生活を過ごすことができるようお手伝いをさせていただいています。カウンセリングも心理検査を「自分について知る」ための手段だとイメージしていただければ良いかと思います。

──家事と育児、仕事を両立した上で漫画家活動も…と非常にお忙しそうな状態ですが、いつ漫画を描いていらっしゃるのでしょうか? どんなタイミングで漫画を描く時間を捻出されているのか教えて下さい。

白目みさえさん:漫画を描くのは基本的に子どもが寝たあと。とはいえ次の日も仕事なので21時以降0時までを目安に描いています。また仕事は土曜日も出勤なのですが、その代わりに平日休みがあるのでその日中にまとめて描いています。あとは日曜に夫が子どもたちを公園に連れて行ってくれたりするとその隙に…とかでしょうか。

『子育てしたら白目になりました』より

──家事と育児と仕事の両立において、心がけていること、あるいは工夫していることなどがあれば教えて下さい。

白目みさえさん:「やるべきこと」と「した方がいいこと」をわけて考えるようにしています。例えば洗濯は「やるべき」なのでしますが、朝干して日光に当てた「方が良い」はできる時にしかしません。干せる時に干せる場所に干しています。床の掃除は「やるべき」ですし、毎日した「方がいい」のでしょうけど毎日は無理なので、床が汚れているならスリッパを履いてくださいというのが我が家の教えです。「マスト」と「ベター」を混同すると苦しくなってきますので、「マストは何か」を考えて取り組んでいます。

──白目さんにとってブログやインスタ、TwitterなどのSNSはどんな場所でしょう?

白目みさえさん:癒しの場所です。ありがたいことに私のフォロワーさんは本当に「いい人」「優しい人」しかいなくて…。私のことを労ってくださったり、共感してくださったり、励ましてくださったり。感想をお届けくださったかと思いきや「お返事は結構なので!お気持ち伝えたかっただけなんで!」なんて言ってくださる奥ゆかしい方ばかりなので、どんどん大好きになっています。

『子育てしたら白目になりました』より

──お忙しい中、複数の媒体で連載されていて、さらにインスタやブログも更新を精力的に続けておられますが、今後挑戦してみたいテーマやジャンルなどはありますか? 

白目みさえさん:基本的には今目の前にあることをこなしていくことで精一杯なのですが…(笑)ただ今後はもう少し心理士としての専門性を使ったお仕事もしてみたいなと思います。人の心理をテーマにした漫画を描いてみたり、カウンセリングや心理士のお仕事をもっと身近に知ってもらいたいなと思います。

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本業と副業、さらに家事に育児に…と多忙な毎日の中でも、ポジティブな気持ちとユーモアを忘れない白目さん。常に白目をむきながら奮闘する日々を描いたコミックエッセイは、毎日家事と育児に追われる私たちの疲れを笑いと共感で吹き飛ばしてくれます。

【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師として精神科に勤務する年子の母で、生粋のオタク。基本的に白目をむいて育児をしていて、その様子をカルタにしたものを増産している。漫画家、ライター、イラストレーターとしても活躍中。

取材・文=レタスユキ

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