「あの人が羨ましい」つい人と比べてしまう!心をすり減らす嫉妬やマウンティングとうまく付き合う方法
1,000万PV超を獲得した、やまもとりえさんによる衝撃のセミフィクション『わたしが誰だかわかりましたか?』。シングルマザーの女性が抱いたバツイチ男性への不安定な恋心。女友達の辛辣な言葉、そして"母親でいなければならない”子どもの存在。新しい恋に浮かれるけれど、ブレーキをかけるのは自分自身…?
大人になってからの恋愛の難しさに戸惑い、常にマウンティングになりがちな女友達との会話に傷つき…。そんな主人公を取り巻く「立ち行かない」境遇に、主人公と同世代から多くの共感を呼びました。
【ストーリー】離婚を経験し、誰かを信じることに疲れ切っていた42歳会社員・海野サチ。ずっとまじめに生きてきたつもりだった彼女の生活には、いまや手厳しい言葉を浴びせてくる元同期の友人たちに、反抗期の一人息子・サトル。そしてその息子を養うための仕事だけ…。
そんな毎日に閉塞感を感じていたサチが出会ったのは、仕事の集まりで意気投合した同じバツイチ子持ちの男性。「昔からあなたのこと知ってたみたいな不思議な感覚」「初対面でこんなに楽しいことあんまりなくて」などドキっとする言葉をかけられ、ときめくサチ。しかし、彼は仕事を理由に決して会ってはくれなくて…。平凡な物語はやがて、予想を覆す結末へと向かっていきます。
嫉妬やマウンティングは「人と比べてしまう」から!?心理カウンセラー白目さんに聞いてみた!
もともと会社の同期だった、一見仲良しに見える女性4人組。2人は結婚と出産を機に退職。主人公のサチともう一人はまだ同じ会社に勤務中。
そんな中、サチが夫と離婚することを元同期3人に報告すると、「私たちの中からついに出たか『バツイチ』」「『子はかすがい』っていうのややっぱりウソ」とややピリッとしたコメントが。
もともと3人からは「サチは旦那さんやさしそうでいいな」「高給取りでうらやましい」「少しはパートナーに感謝しなさいよ」と言われていたこともあって…なんとなく嫌なムード…。
主人公サチとその女友達とのヒリヒリするようなやりとり。経験したという人もいるのでは?仲が良いからこその遠慮のなさという面もありますが、「あの人はいいな」「羨ましい」「比べて私は…」と内面にモヤモヤを抱えてしまう場合も。日常のさまざまな場面で抱える悩みやストレス、プレッシャー。実はそれらは「人と比べてしまう」ことに起因している場合が多いかもしれません。そんな心理背景について、今回心理カウンセラー・白目みさえさんにお話を伺いました。
白目さんは精神科の心理カウンセラーを本職とする傍ら、最新作『子育てしたら白目になりました』などを描く人気コミックエッセイストとしても知られています。
──「元同期」という関係性のサチと女友達。仕事のみならず、プライベートな「結婚・出産」に対しても、嫉妬やマウンティングの言動が生まれてしまうのは、どういう心理なのでしょうか。またそんな感情で心が疲れてしまった時の対処法などはありますか?
白目さん:嫉妬やマウンティングの目的は「自分の優位性」を示すことだと言われています。相手が自分よりも良いものを持っていると「嫉妬」し、自分の良いところをアピールして「マウンティング」することで相手を格下にしようとしています。
「嫉妬」は基本的に「自分が持っていないもの」を「持っている相手」に対して起こりますが、特に「それ以外は大体同じレベル」と思っている相手に発動することが多いようです。つまりちょっと競えば勝ったり負けたりできると自分が思っている相手。「憧れ」や「超人」の域に達している人、自分と住んでいる世界が違う人にはあまり嫉妬心は起こりません。自分と同じような道を歩み、同じようなステータスを持っているはずの「同期」だからこそ、むしろちょっとした違いに嫉妬しやすくなると考えられます。
嫉妬は不意に起こるものなので、無くそうとか止めようとするのは難しいと思います。「自信のなさ」や「今の生活に不満がある」ことがトリガーにもなると言われていますが、大切なのは自分の嫉妬心に「気づくこと」ではないでしょうか。理由を考えたり自分のメンタルケアなどは追々で構いませんので、まずは「今自分が嫉妬モードにある」ということに気付き、嫉妬しやすい相手との会話で不用意な発言をしないよう意識したり、長時間の接触を避けるような対策が有効になるかと思います。
自分の中の「辛い経験をした」という気持ちが、他者へのマウンティングにつながる?
──結婚・出産、そして離婚など、経験してみないと言えない意見や、価値観の変化などはあると思います。相手へ優越感を持ったり、ときにマウンティングなどの暴走した行為に出てしまうのは、どんな心理が働いているのでしょうか。
白目さん:色んな原因が考えられますが、ひとつはその経験が「とてもつらかった」という気持ちがまだ十分に消化されていないのではないかと考えられます。
結婚や出産、離婚、退職、転職、引っ越しなど、ただでさえストレスが生じやすい変化の中で「自分は人よりもつらい経験をした」と感じると、自分は「格下」になったと感じてしまいます。
動物が怪我や病気を隠して弱みを見せないようにするのと同じで、「知識」や「経験値」など、自分が人よりも持っているものをアピールして、「自分は下ではない」と見せようとする心の動きが過剰なマウンティングにつながるのではないでしょうか。
しかし「マウンティング」では自分の「つらかった」という気持ちまではケアできません。あくまでも強い防具ができただけで、中身はまだ傷ついたままなのです。中身を治療せずに防具だけをどんどんレベルアップする悪循環に陥る前に、「つらかった」という気持ちを誰かに受け止めてもらうことが必要だと思われます。
すぐポジティブになんてなれない…。卑下する心を守るためには?
──マウンティングとは逆に、離婚などで自分に負い目を感じてしまい、「あの人は幸せそうなのに、それと比べて私はどうして…」といった自虐のような感情を持つこともあるかと思います。卑下してしまう心を持ち直すには、どんな方法がありますか?
白目さん:嫉妬も卑下も「多数派から外れた」場合に生じます。集団の中では特別に良いものを持っている人は嫉妬され、みんなが持っているものを持っていない人は格下に見られるという心の動きがあります。そして「卑下」は、この「格下に見られる」という現象を自分で自分に行っている状態と考えられます。
卑下への対策として、「ポジティブになる」とか「ありのままの自分で良いと思え」という手段がありますが、それがすぐにできれば苦労はしません。
手っ取り早いのは「自分が少数派にならない別の集団」に属することです。
集団の中で少数派になると「卑下」してしまうのですから、自分が少数派にならないような集団の中に一度身を置いてみてください。
似たような経験をした人と仲良くなる、SNSで同じような方の体験談を探す、もしくは少数派であることを全く気にしない人や集団と関わることも有効です。
心理士として色んな方のお話を聞いていると、自分の「決意」や「心がけ」だけでどうこうなることの方が少ないと感じています。
環境が変われば新たな考えも生まれやすくなりますし、違った考え方の人と接することで間接的に自分を肯定できることもあります。
自分に向き合いすぎると疲れます。行き詰まった場合は「考えが変わらないなら環境を変えてみる」という方法も検討してみてはいかがでしょうか。
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人は人、自分は自分!とわかっていても、ときに疲れてしまう対人関係。最近はSNSなどでも不意にマウンティングされたと受け取ってしまう機会も増え、行き場のないネガティブな感情に支配されてしまうこともあるかもしれません。仕事や育児など、いろいろなことに神経を使う毎日。無意識のうちに我慢しすぎたり、ひとりで抱え込んでしまう前に「環境を変えてみる」という白目さんのアドバイスに、ハッとさせられます。
【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師。心理カウンセラーとして精神科に勤務。漫画家としても活動。近著「子育てしたら白目になりました」が好評
取材・文=河野あすみ
Information
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