実話だからこそ気になる!壮絶な離婚復讐劇『チンカルボー』サレ妻が心を保つために必要なこと
原作者・amさんのブログ発信からコミカライズされた、サレ妻の離婚復習劇『チンカルボー』。妻子には優しい顔をする夫の最悪な裏切り行為、不倫相手の正体と暴走、スカッとするサレ妻の反撃作戦…。作り話なんじゃ!?と思ってしまうほど壮絶なエピソードの数々ですが、じつはamさんが実際に経験した「実話」だというから驚きです。
【ストーリー】家族思いの夫・竜也さんと息子・海くんと暮らしていた水澤まりさん。夫は家事や育児にも積極的で、楽しく平穏な毎日を送っているつもりでした。しかし、ある時から夫の帰りが遅くなり「寂しいけど仕事だから仕方ない!」と自分に言い聞かせていたまりさんですが、何気なく質問した際の竜也さんが妙にケンカ腰だったことに不信感を抱きます。
立て続けに夫の不審な行動を察知するまりさん。意を決して竜也さんのスマホをのぞくと、キャバ嬢でまりさんの元同級生であるミカさんと不倫をしている事実が発覚します。ミカさんは子育てに追われるまりさんの元を訪れ、息抜き相手として良き友人関係を続けていたはずでした。
不倫などするはずもないと信じて疑わなかった愛する夫。なんでも話せる相手だ思い込んでいた親友。信頼していた2人からの裏切りに酷くショックを受けるまりさんですが、泣き寝入りとは無縁!2人への徹底的な仕返しを決意し、サレ妻としての闘いが幕をあけるのです…。
なんでこんな愚かなことを?不倫夫の心理、サレ妻の心模様。
心理カウンセラー・白目さんに聞いてみた!
妻子に良い顔を見せつつ、妻の友人と不倫を続ける夫。そもそもなぜ不倫をするの…?こんな仕打ちを受けたサレ妻はどう立ち直ればいいの?
思わず漫画を読んで気になった素朴な疑問について、今回心理カウンセラー・白目みさえさんにお話を伺いました。白目さんは精神科の心理カウンセラーを本職とする傍ら、最新作『子育てしたら白目になりました』などを描く人気コミックエッセイストとしても知られています。
──愛する妻と子どもがいながらも、妻の友人である女性と不倫をする夫の心理を教えてください。不倫が露呈して夫婦が衝突してしまうとき、どんなところに考えのズレや溝ができてしまうのでしょうか…?
白目さん:人と場合にもよるので一概には言えませんが、「あまり深く考えていない」のではないでしょうか。掃除の最中についそこにあった漫画を手に取り読んでしまった感覚に近いのではないかと思います。悪気がないからいいというわけではありませんが、「傷付けてやろう」「酷い目に遭わせてやろう」「裏切ってやろう」という明確な悪意があるわけでもないと考えられます。
妻としてはむしろその「悪意のなさ」「浅はかさ」にこそ傷ついてしまうのですが…。「悪意があった」と決めつけてしまうと論点がずれて話し合いが進みません。傷ついた事実と相手の悪意の有無は分けて考えた方が良いと思います。
離婚でも再構築でも避けられないサレ妻のストレス。気持ちを整理するためには?
──信頼しきっていた夫が自分を裏切っていたという、パニックにも陥りかねない状況をどう乗り越えたらいいのでしょうか。不倫を知った直後、サレ妻が心を整理するために必要なことはなんでしょうか。
白目さん:まずは信頼できる第三者に相談することをお勧めします。不倫に限らず、何かショックな出来事があった場合、不安な気持ちは頭の中でどんどん連鎖して膨らんでいきます。頭の中だけで考えていると、本来なら心配しなくて良いことや憶測までも全て同列になり、より不安になってしまいますので、気持ちを吐き出す意味でも考えを整理する意味でも、誰かにご相談するのが一番だと思います。その際には「確実に味方になってくれる人」を選ばれる方が良いでしょう。
──「離婚するか」「再構築するか」で問題解決の道筋も大きく分かれると思います。それぞれの場合に必要な心の保ち方を教えてください。
白目さん: 離婚を決意された場合、ストレスの原因からは離れられますが「これから何もかも自分でやっていかなければ」と必要以上に責任を背負い込んだり、子どもから父親を取り上げてしまったと自責の念に駆られる方が多いのではないかと思います。
一方で「再構築」を決意された場合は、ストレスの原因がそばにいるので、色んな場面で苦しさを感じ、子どもに対して「あなたたちがいなければ(離婚できたのに)」などという思いを抱く場面もあるかもしれません。そしてそう思ってしまう自分を責め、行き場のない思いが自分を苦しめるのではないかと思われます。
どちらの場合も「強い母親であろう」とするがあまり、「自分」の傷ついた気持ちのケアが後回しになりがちです。実はどちらも気持ちの保ち方は同じで、「母」でなく「自分」でいられる時間をどこかで作ることが大切です。カウンセリングでもお友達と過ごす時間でも、趣味の時間でも構いません。「自分」のための時間をきちんと確保することを意識されてください。
不安に駆られてしまう再構築後の日々。妻でも母でもなく「自分」を大事にして
──「子どものために離婚はしない!」という答えを出したとして、再構築の生活のなかで不倫された過去を思い出し、前を向けなくなってしまったり、やっぱりあの時別れていればよかった…と後悔をすることもあるかと思います。心の葛藤やモヤモヤを解消するにはどんなマインドを持つべきでしょうか。
白目さん: 基本的にはどちらを選んでも後悔する場面は出てくるとお考えください。「離婚」も「再構築」もどちらもメリット・デメリットがありますので、どうしても選ばなかった方が正解だったのでは?という気持ちになることはあります。また再構築直後はなんだかんだで気合いでどうにかなったとしても、ちょっと生活が落ち着いてきた頃にこそ「またこの生活が壊れるのでは?」という不安が訪れるものです。
ただそれはあなたが間違ったわけでも、気持ちが弱いわけでもありません。自分を責めそうになった時は「自分は悪くない」ということを忘れないでください。
カウンセリングで正直なお気持ちを吐き出してスッキリされる方もいらっしゃいます。「母」としてではなく、「自分」として悩んだり泣いたり楽しんだりできる時間や場所はできるだけ確保しておくようにしてください
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まりさんは果敢にも不倫をした相手に立ち向かっていきますが、心の傷は消えないもの。夫に不倫をされたというストレスが強ければ強いほど、それを解消するにも長い時間がかかりますよね。その間、当事者同士や子ども、また親や友人たちなど、避けられない他者との関係に疲れ切ってしまうことも。そんなときは母親や妻、娘といった役割からいったん外れ「自分」に立ち返り、心を解放することが大事なのかもしれません。
【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師。心理カウンセラーとして精神科に勤務。漫画家としても活動。近著「子育てしたら白目になりました」が好評
取材・文=河野あすみ
Information
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