一瞬でも「ムダづかい?」と思ったときに試したい思考法とは? 経済学博士が教える浪費防止テクニック

#くらし   
クーポンの有効期限が切れそうになったときの人の脳内についておさらいしてみましょう。

「クーポンの有効期限が切れそうだから、無理やり不必要なものを買う」
「行列ができている店を見つけると、つい並んでしまう」
「臨時収入があったから、高額な商品を買ってしまう」...etc。

よくありがちなムダづかい行動の数々、わかっているのになかなかやめられないですよね。物価高から家計を守るためにも、何とかして防ぎたいものです。

そこで「ムダづかいを避けて貯め体質になる方法」今回は、あらゆるムダづかい行動に共通して使える浪費防止テクニックを、経済学博士の古川雅一さんにお聞きしました。
さらに、貯蓄マインドを育むアイディアもご紹介します!


あらゆるムダづかいに効く浪費防止テクニックとは

「ムダづかい行動を変えるには、『自分は今、感情に流された行動をしている』という気づきがとても大切。お金を使う際にどんな心理が働いているか理解できれば、ムダづかいしそうな場面でも『これはあのパターンかも?』と、踏みとどまることができるはずです」と、古川さん。

「それでもムダづかいがやめられないときは、真逆のことを考えてみてください。例えば『買いたい!』と思ったら『買わないとどうなる?』『違う商品のほうがいいかも?』というふうに。そうすることで自分の気持ちも商品も客観視でき、冷静な判断が下せるようになるはずです」

ではもう一歩進んで、お金を貯めるためにできることは?
「『1年後に10万円貯蓄』よりも、『1日300円貯蓄』というように、期日が近くて具体的な目標を設定すると行動をより起こしやすくなります。目標を書いたり宣言することで、実現の可能性はさらに高まります」

ムダづかいを防止する方法


ムダづかいかなと思ったら...

ムダづかいかなと思ったら...財布を開く前にクールダウン!



真逆 (買わなかった場合) を考えるべし

自分がしたい行動とは「真逆の行動」をした場合を想像してみて。

物欲が湧いたら、自分がしたい行動とは真逆の行動をした場合を想像してみて。3万円のバッグが欲しいなら「これを買わなかったらどうなる?」「本当に3万円の価値がある?」「ほかにもっとすてきなバッグがあるかも?」……など。


冷静に判断できる
真逆のことを考えているうちに自分や商品を客観視できるようになり、冷静な判断が可能に。結果的にその商品を購入することになっても、自分が納得したうえでの判断なので、衝動的に購入した場合よりも満足度は高くなります。


お金を貯めるためにできること


【宣言をする】

お金を貯めるには「宣言」を。あえて周囲の視線を集めることで甘えが減る!

家族や友人に「ムダづかいをやめる!」「貯蓄する!」と宣言するのもおすすめ。人は周囲の目を気にするので、あえて周囲の視線を集めることで甘えが減り、意欲が高まります。同じ目的の人が集まるSNSコミュニティなどに入るのも◎。

【記録をする】

日々の使ったお金と貯金額を記録するのも、有効な貯蓄テク。

食べたものを記録する「レコーディングダイエット」が一時期はやりましたが、これと同じように、日々の使ったお金と貯金額を書き出してみましょう。記録することでムダづかいが一目瞭然になり、貯蓄へのモチベーションも上がります。

ムダ使いといい買い物の違いって?

お金を使うことは、決して悪いことではありません。ただし、使ったことを後悔するお金の使い方は×。ムダづかいと必要な出費の違いを理解すれば、心の満足度を上げるお金の使い方が自然と身につくはずです。

ムダ使いといい買い物の違いは「心の満足度」

ムダづかいしない=お金を使わないことがベストというわけではないと古川さんはいいます。
「『ムダづかいをやめる』というのは、自分が納得できないお金の使い方、満足感が得られないお金の使い方はやめましょうということ。もし、予算オーバーのブラウスを買ったとしても、自分の行動に納得し、満足感が得られているのなら、それは必要な出費です。逆に後悔していたら、ムダな出費となります」と、古川さん。

「お金を使ううえで何より大切なのは心の満足度であり、行動経済学はその満足度を最大化するためのサポーター。感情に流された行動とそうでない行動を見極める力を身につけると、ムダづかいの抑止力になりますし、買い物をする際の満足度もアップします。私自身もまだまだムダづかいをしてしまうことはありますが、『これはあのムダづかいのパターンだな』と、冷静に自己分析できるようになり、買い物の質も向上しました。皆さんにも行動経済学を活用して、心の満足度を上げていっていただけたらうれしいですね」

クーポンの有効期限が切れそうになったときの人の脳内は?

クーポンの有効期限が切れそうになったときの人の脳内についておさらいしてみましょう。

▶︎冷静な判断ができると...
◯:何も買わない

クーポンを使うことで得られる利益と使う際に発生する出費を冷静に比較すれば、何も買わない決断ができる。

「クーポン使わなきゃ!」と一瞬思ったものの、クーポンを使うことで得られる利益と、クーポンを使う際に発生する出費を冷静に比較。納得のうえで「クーポンを使わない」とジャッジ。

◯:何か買う

クーポンを使って、以前から欲しかった服を購入。満足感が得られるなら、必要な出費!

クーポンを使って、以前から欲しいと思っていた服をよく考えてから購入。支出は発生したけれど、クーポンを使ったことでお得に買えたからラッキー! 服の色もぴったりで、大満足。

▶︎「もったいない」という感情に流されると...
×:何か買う

もったいないという感情に流されて、納得のいかないモノを購入すると、ムダづかいになってしまう。

クーポンを使ってバッグを購入した際に、支出が発生。買った瞬間は金額も気にならなかったけど、次第に後悔の念が……。焦って選んだバッグの色も自分に合わずショック倍増。

買うときは「納得して買う」ことを意識して

「買い物をするときには、一度『真逆のこと』を考えてみてください。自分の行動や商品について冷静に分析し、『やっぱり欲しい!』と思えたなら購入を。納得したうえで購入したものは、満足度が高く、心を豊かにしてくれます」。ストレス発散のためにお金を使いたいという場合も、満足度の上がる使い方ならOK。

財布を開く前にクールダウンすることが大切。なかなかお金がたまらないという人は、ぜひ試してみてくださいね!

▶︎教えてくれたのは
古川雅一さん
経済学博士。京都大学経済研究所での研究活動を経て、立教大学、東京大学大学院特任准教授を歴任。現在は、テレビや雑誌、講演などを通じて、経済問題を分かりやすく解説している。著書に『ねじれ脳の行動経済学』 (日経BPマーケティング) ほか。

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イラスト/平松昭子 取材・文/恩田貴子
 
【レタスクラブ編集部】

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<レタスクラブ23年4月号より>





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