子どもでも簡単に情報が手に入る時代。だからこそ、正しい知識を教えたい!/幼児の子育てはじめてBOOK(7)

やまがた先生の解説をチェック!

子どもに正しい性知識を教えるために、まずは親が正しいあり方で子どもに接していくことが大切です。

インターネットの普及で、子どもでも簡単に性の情報が目に入りがち。だからこそ、子どもに正しい知識を教えたいものです。(やまがた先生)

教育の一つとして性器をきれいにすること

ヨーロッパでは0歳から性教育を始める国もあり、国際セクシャリティ教育ガイダンスでは5歳から性教育を始めています。日本でも幼児期から性教育をしようという流れがありますね。

まず取り組みたいのが、性器を清潔にしておくこと。「きれいにすると気持ちいいね。さっぱりしたね」などと明るく話しながら洗いましょう。

異性の親の場合、どう洗っていいのか、抵抗があってちゃんと教えられないと聞きます。セルフケアとして、他の体の部分と同じで、自分で洗えるように、洗い方を丁寧に教えることが大切です。

小さい子にも「からだの権利」があることを意識する

次に伝えたいのが、子どもでも人権があるということ。知らない人に抱きしめられたり、過度なスキンシップをされたりした時、きちんと「イヤ!」と言えるように教えます。たとえ親でも、過度なスキンシップは、子どもでも不快に感じることがあります。子どもの表情やしぐさを見て、声をかけながらコミュニケーションを取りましょう。子どもがイヤと声を上げた時は、その声に対応します。プライベートゾーン(口と水着で隠れる部分)だけではなく、体全体がプライベートなものであり、大切な場所でもあるのです。親子でお互いの体の境界線やからだの権利を意識して関わってみましょう。

絵本を使ってジェンダーについても考える

2020年から内閣府の男女共同参画局が、「女性に対する暴力をなくす運動」を本格的にスタートさせました。その運動を受けて、日本でも子ども向けの性教育絵本がたくさん出版されるようになりました。

子どもが性に関連することを質問してきた時、「どうしてそんなこと聞くの?」「そんなことママも知らない」と突き放したような態度を取る親が多いようです。それは、親も子どもの頃にそういう扱いを受けていたからで、「こういうことはもう聞いちゃいけないんだ」「きっと汚いものとかいやらしいものなんだ」とすり込まれているのです。

しかし、体のしくみは科学なのです。子どもが質問してきたら、親は恥ずかしがらずに、体のしくみを伝えてあげることが大切です。併せて、プライベートゾーンを人に触らせないことも話しましょう。

また、多様性を認める社会を目指している現代。親が子どもと一緒に学び、気をつけたいことは、「女の子らしい」とか、「男の子なのに」といった言葉。これらは大人が子どもに押しつけている表現なのです。

小学校に入る前から、自分の性別に違和感を覚える子どももいます。子どもが無理をしているように見えないか、園などでの様子も聞いてみましょう。大人がその子らしさをつぶしていないか、こうあってほしいという気持ちを押しつけてはいないか、考えてみてください。

ここがPOINT! 話して聞かせる

ママだからといって勝手に触ってきたら話し合う
卒乳した後も、寝る前などママの胸を触る子どもがいます。そんな子には、「ママの体はママのものだからね。勝手に触られるのはイヤだな」と、きちんと話して聞かせ、境界線を引きましょう。幼児でも、「ママは〇〇ちゃんを大好きだけど、ママはママ、あなたはあなたで、それぞれの体だね」ということを伝えましょう。勝手に体に触るなどはいけないことと教える時、絵本を使って、関係性を保ちながら話し合うことが大切です。

ママだからといって勝手に触ってきたら話し合う


【監修者プロフィール】
やまがたてるえ先生
北海道生まれ。助産師。チャイルドファミリーコンサルタント。総合病院、産婦人科クリニックなどで勤務後、地域の育児支援や、教育行政にも関わり、育児相談なども受けている。著書に『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』(かんき出版)などがある。

著=アベナオミ、監修=渡辺弥生・八木陽子・やまがたてるえ・なーちゃん/『マンガでわかる! 幼児の子育てはじめてBOOK』

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