もしや誰かに踏まれたい? オオバコがわざわざ人の通り道に生えるワケ/すごすぎる身近な植物の図鑑(5)

普段何気なく目にしている草木や花には、命をつないでいくためのすごい生態や、ユニークな特徴がいっぱい!
そんな面白さを教えてくれるのが、植物のガイドや写真家として活動する植物観察家の鈴木純さん。誰でも見られる身近な植物にスポットを当て、探し方から観察方法、知っていそうで意外と知らないトリビアまで分かりやすく解説。知れば植物への興味が深まる内容ばかりです。
花だけでなく、葉やタネ、根や茎にも注目したくなる、植物観察の楽しみ方を紹介します。
※記事は、関東圏で実際に観察した記録をもとにしています。地域によっては見られない植物があったり、観察する時期にずれがあるなどの可能性があります。
※本記事は鈴木 純著の書籍『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』から一部抜粋・編集しました
オオバコは誰かに踏まれたい?
オオバコ科 オオバコ属
見みられる時期:6〜10月
見みられる場所:公園、空地
人の通り道はオオバコだらけ
土があれば植物は根をおろすことができます。でも、人がよく歩く場所ならどうでしょう。せっかく芽生えても、たくさん踏まれたら生きていけないように思います。
ためしに空地や広場などで人の通り道になっている場所を観察してみてください。「なにもないかな?」と思いきや、人の踏み跡に沿ってオオバコがびっしり生えていることがあります(写真①~③)。


広い葉っぱはすべてオオバコ。

こんなに生きにくそうなところに、どうしてオオバコは生えているのでしょうか。




カプセル状の実のなかから種子がポロポロ
オオバコの実は、キャップをかぶったようなつくりになっています(写真⑦)。このキャップを指でつまんで取ると、なかから種子が出てきます(写真⑧)。


種子が出てきたら、ここに水を垂らしてみてください。少し待ったら、細い棒の先でつついてみます。すると、ビヨーンとネバネバがのびてついてきました(写真⑨)。どうやらオオバコの種子は水に濡れるとねばる性質を持っているようです。雨上がりに、実をつけたオオバコを手で叩くと、種子が手にくっついてくるので、ためしてみてください。

オオバコは人に踏まれて移動する
これでわかった方もいるでしょうか。じつはオオバコを運んでいたのはわたしたちだったのです。雨上がりにオオバコを踏むと、濡れてネバネバした種子が靴の裏にくっつきます。種子はそのままわたしたちと一緒に移動をするのです。人の通り道にオオバコが生えるのはそのためです。
オオバコの葉っぱをちぎると、なかから「維管束」という水分や養分の通り道が出てきます。このように葉っぱが丈夫なので人に踏まれたくらいではダメにならないようになっています(写真⑩⑪)。


【豆知識】
オオバコの花茎を互いに絡ませて、先にちぎれたほうが負けになるオオバコ相撲。これは、オオバコが人に踏まれても大丈夫なくらい強いからこそ楽しめる遊びです。
著=鈴木 純/『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』
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