生活研究家に教わる「おひとりさま老後」の不安解消法とは?

#くらし   

平均寿命が延び、「人生100年時代」がやってきました。女性のほうが平均寿命が長いので、結婚していても“おひとりさま”になる可能性は大! どうしたらいいの……と途方にくれるより、人生の先輩に教えをこうのが賢明です。

年金をもらいつつ、働きながら充実したシングルライフを送る生活研究家の阿部絢子さんに、「おひとりさま老後」の不安を吹き飛ばすアドバイスをもらいました。

【働き続けるのが当たり前の時代です】

30代、40代の若い世代で、老後に不安を持っている人が多いですね。これからは「年金をもらって悠々自適の老後」なんて“絵に描いた餅”です。年金は減り、消費税も上がるかもしれない。女性は今よりもっと、子育て中も子育てが終わったあとも働き続けるのが自然になるでしょう。

私自身はずっとシングルだし、年金が少なく、収入が必要だったので、生活研究家の仕事のほか、週に2~3日契約社員やパートで働いてきました。働くかどうか決めるのは、自分自身です。収入が必要だったり、自分にとって楽しい・やりたい仕事ならば働けばいいし、「働かない」と決めるのもあり。そのときは、収入の範囲内で暮らせるよう生活のダウンサイジングに励みましょう。シングルだと何でも自分で決めないといけませんが、結婚していても、自分の価値観で判断する習慣は大事です。そうしていれば“おひとりさま”になっても大丈夫。戸惑いは少ないと思いますよ。

【70代の就活を楽しんでいます】

実は今、パートの仕事を辞めて就活中です。でも、結構楽しんでいます。「なぜ年齢制限があるんですか?」と聞いて、担当者を困らせたりしてね(笑)。仕事を探すときは、悩むより当たって砕ければいいんです。断わられても気にせず、次を探せばいい。まず行動してみないと、何も始まらないもの。

大切なのは、仕事でも暮らしでも、見栄を張らないこと。私はおだんごを 1本だけでも買うし、スーパーのレジで予算オーバーだったら、商品を返すこともあります。人目なんて気にしてもしかたない。80歳を過ぎても仕事をして、いつまでも“意地悪ばあさん”でいたいなと思っています。

【阿部さんの1カ月の主な収入と支出】

●収入

 年金 ・・・・・・・・・・5万円

 給料・・・・・・・・・・・8万円

●支出

 住居費・・・・・・・・・4万3000円

 水道・光熱費・・・・・・1万円

 通信費・・・・・・・・・1万5000円

 服飾費・・・・・・・・・1万円

 積立貯蓄 ・・・・・・・3万円

 食費・交通費ほか・・・・2万8000円

*週2日、薬局勤務時

自由な1人暮らしをエンジョイしている阿部さん。年金生活になったときに感じた“漠然とした不安”は、1カ月の収支を確認することで「足りない分は働けばいい!」と解決策が見つかったそう。現実をしっかり見据える目が重要なんですね!

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Information

教えてくれたのは:阿部綾子さん
1945年生まれ。生活研究家。掃除、収納から環境問題まで幅広く情報を発信。百貨店の消費者相談室に約30年勤務した後、薬局に転職。近著は『65歳で月収4万円。年金をもらいながらちょこっと稼ぐコツ』(小社刊)。

撮影=木村文平 編集協力=有山典子


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